大きな森の小さな家 ―インガルス一家の物語〈1〉 (福音館文庫 物語)

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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784834018080

作品紹介・あらすじ

ウィスコンシン州の「大きな森」の丸太小屋に、ローラと、とうさん、かあさん、姉のメアリイ、妹のキャリーが住んでいます。物語は、冬がくるまえの食料作りからはじまり、ローラ五歳から六歳までの、一年間の森での生活が、好奇心いっぱいのローラの目を通して生き生きとものがたられます。小学校中級以上。

感想・レビュー・書評

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  • もっぱらNHKのTVドラマで子どもと毎回楽しんでいたのだが、BSで何十年ぶりかに再放送されて、懐かしさのあまり原作を読んでみた

    1870年ごろの大森林や大草原の開拓生活の中で成長していく好奇心いっぱいの少女ローラと家族の物語
    人間の生活の原点ともいうべき衣食住、特に食料の調達だけに毎日毎日が費やされる暮らし
    冬になる前に、木の実や畑の野菜を収穫し、豚や鹿の肉を燻製にしたり干したりして倉庫いっぱいに貯蔵しておく
    蜂蜜やメープルシロップを作り、小麦を取った残りのわらで母さんは家族みんなの麦わら帽子を編む

    昼間は、それぞれが自分の持ち場の仕事を精一杯こなし、夜は家族が集い、父さんのバイオリンに合わせ歌い、おじいちゃんや父さんの小さい頃の話に子供たちは目を輝かせる

    「とうさんは、種まきがすんだら、みんなで町へいこうといいました。ローラもメアリイも連れていってもらえるのです。ふたりとも大きくなったのですから。
    ふたりは、はしゃぎきっていました。で、つぎの日には、町へいきごっこをしてあそびます。ふたりは、でも、どういうふうにしたらいいのか、よくわからないのです。町というのはどんなものか、よく知らないので。」

    何といじらしく、かわいいことだろう

    もちろんテレビもゲームも携帯も電気も何もない
    綺麗事ではない毎日の厳しい生活であろうとは十分察しがつくが羨ましさを感じてしまうのはなぜだろう
    ないないづくしの生活でも、一番大切なものはちゃんとあるからだろう。家族、信頼、愛・・・

    この頃に戻りたいなどとは思わないが、今のように便利にならなくても、もう少し、もう少しだけ不便で、物がない生活でも大丈夫なのになと思ってしまう
    人間は、どんな生活をめざそうとしているのだろう

  • 子供の頃にこの本に出会えていて良かった、と思う。
    バター作りやベーコン作り、いつもと違うお洒落をした大人たちのダンスパーティー、かえで蜜のキャンディー。また読みたくなってきた。

  • まとめを作っていて、急に読みたくなった。
    児童文学ではあるが、大人になってからシリーズ読破、というのも悪くない。よね???

    今回は文庫を図書館で借りて読んだが、実際は文芸書が家にあるはず。
    はっきり覚えてないけど、初読は小学生のときだと思う。
    就学前の児童が読める本ではないもんね。

    いろんな意味で今持っている知識のベースになるものを与えてくれた本。
    例えば"燻す"という調理法、それによって何が作られているか、
    メイプルシロップやメイプルシュガーというものの存在、
    チーズを作るのに仔牛の胃袋が必要なこと、英語で『誰』という意味の単語、
    そしてクリスマスという儀式の意味。
    読み進むほどに新しい発見があって、ワクワクしていたことを思い出す。
    ついでに今では考えられないほど暗い場所で読んでいたことまで思い出した。

    今回改めて読み返して感動したのは、訳者の恩地三保子さんの心地よい文章だった。
    ものすごくリズミカルだし、ちょっと倒置法っぽい文体も素敵。
    言い回しも特徴的で、『すべすべした』という形容が好きだったという記憶も蘇った。

    ドラマをやっていたから続きがあるのは知っていたけれど
    当時はこの本1冊で満足していたような気がする。
    それくらい完成度の高い本だったと思う。
    次からは未知の領域。楽しみだ。

  • アメリカ開拓時代のお話し。
    このカセットテープも持っている。
    とても素朴でステキな曲です。
    この本は何度でも読みたい一冊です。

  • 1870年代初頭、ウィスコンシン州の森林地帯に住むインガルス一家(父、母、姉、ローラ、妹)の物語。数十年ぶりの再読!

    冬には冬ごもりをして春に外に出て夏を楽しみ秋に冬ごもりの支度をする。クリスマスはかなり特別な日。ローラはなにもできない日曜日が大嫌い。アメリカの昔の風習と常識が書かれていて面白かったです。

    小学生のときには気に留めていなかったところがたくさん。昔は豚のしっぽでやけどをしたり、膀胱でボール遊びをしたり、雪の上にシロップを垂らして飴を作ったり、というところが好きだったけど、今回は小石を集めすぎちゃったりするローラがひたすら可愛かった。

    とうさんは意外と風流だったんですねえ。最後、確保できなかった(?)食料は大丈夫なんでしょうか(;'∀')

  • 家の外の狼が近づいて来るシーンから始まり、おとうさんが熊と対面するシーンやおじいちゃんがヒョウに追いかけられるシーンなど、命の危機がすぐ近くにある事を物語っている。

    収穫のシーンが特に印象に残っているけど、クリスマスやダンスパーティーなど親戚が睦むシーンは楽しさが伝わって来る。

  • ローラがトウモロコシの芯を赤ちゃんに見立て、名前までつけて大事にしているいじらしさ、そしてその赤ちゃんを気遣いながら遊ぶ健気さに、思わず涙が溢れてしまいました。
    この時代の素朴さから私たちは、ずいぶん遠くに来てしまったような気がします。

  • 家族5人のあたたかく、和やかな毎日の生活が綴られている。とにかくお腹が空いてくる素敵な描写。高学年へ。

  • 名著と言われている本作を古本で購入して本棚であたためていました。娘が小学生になり、そろそろ良いのではと思い寝る前の一冊として毎日少しずつベッドで読み進めました。が、娘にとってはリアルな描写やイメージしづらい時代背景を暗い雰囲気だと感じたのか、最初はローラたちのお人形エピソード等を楽しんで聞いていたものの、後半は「なんだか怖い」と言っていました。なので終盤で中断してしまいました。中断後は親のみで黙読。
    100年以上前の開拓者の暮らしぶりが活き活きと描かれていました。バイオリンを奏でて歌ってくれるお父さん…素敵!2022/9/2

  • 子供の頃大好きだったのを思い出し、再び読んでみました。森の中での家族の暮らしが目に浮かぶようで、温かい気持ちになります。

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著者プロフィール

1867年、アメリカ北部のウィスコンシン州に生まれる。1932年、西部開拓時代の体験をもとにした自伝的小説、『大きな森の小さな家』を発表。『大草原の小さな家』『プラム・クリークの土手で』などとあわせ、「小さな家シリーズ」として世界中で読まれてきた。テレビドラマの「大草原の小さな家」は、このシリーズをもとにしている。1957年、90歳で亡くなる。



「2017年 『小さな家のローラ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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