プラム・クリークの土手で―インガルス一家の物語〈3〉 (福音館文庫 物語)
- 福音館書店 (2002年11月20日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (410ページ)
- / ISBN・EAN: 9784834018141
作品紹介・あらすじ
長い旅のすえ、プラム・クリークの土手にできた横穴の家にたどりついたローラの一家は、日照りや大吹雪など、次々とおそってくる苦難とたたかいます。
感想・レビュー・書評
-
もうほんとにほんとに。
ふりかかるインガルス家の災難に、キャロラインがまたまた気の毒で気の毒で。。
なんでこんなに気丈でいられるのかー。
土手の家の屋根が崩れた時は、ほらごらん!と思ったけれど、
まあそれはそれ。
ローラとメアリーが学校に通い始めたところは楽しかった。
ローラと、商売人の娘ネリーの確執?
なんだかんだと、キャンディとイライザみたいな2人を見てるのは少女らしさにほっとしました。
ネリーの家にお呼ばれしたらお礼に、母さんがみんなを家に招待した日は最高だった。
母さんの焼いたヴィニティーケーキ!
教会の素敵なクリスマスも素晴らしかった。
その先です。
ようやく幸せが見えてきた一家に、イナゴの大群がおそいかかる。。
もう本当に読んでいて疲れ切ってしまいました。
イナゴの次は、猛吹雪!
父さんってばなんであんなに勝手なんでしょうねぇ。
…てもまあ、そういってぐったりと疲れながらも、
ついつい読まされてしまうワイルダーと恩地三保子さんのテンポよく美しい翻訳文には感嘆してしまいますが…。
とにかく楽しいことが大好きのローラ、
どんどんいい子に成長してゆきます!
だのに、まだこの先旅が待っているかと思うだけで、私はつか)きってしまうのでしたー
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
シリーズ3冊目にして、これまでで一番面白かった。前の2冊は開拓民の苦労や暮らしぶりがわかるという意味では面白かったが、小説としての面白味にはいささか欠けた。おそらくその要因は人物の描き方がぼんやりしているからだろう。
本書では、まずローラがお転婆で、とうさんとの約束を破ってやりたい事をやってしまう「我」の強さ、ネリーと張り合う負けん気の強さなどが表れて楽しく読めた。
母親のオルソン夫人はドラマのように高慢ではないが、ネリーは高慢ちきで我儘で意地悪で…読者の期待を裏切らない。この負のキャラクターの存在が物語の潤滑油になっている。ネリーは本書の重要な人物なんだと思う。
もう一つ重要なのがイナゴの大群。これまでのシリーズは、はっきり言ってストーリーに抑揚がなかったが、本書ではちょうど起承転結の転のところにイナゴの大群が押し寄せる。いわばこの物語のクライマックス。作者ローラも創作のコツを得てきたのかもしれない。
前2作品はほぼ1年単位だったけど、今回は足掛け3年、この土地で3度のクリスマスを経験する。それぞれ全く違うクリスマスの過ごし方が感慨深い。 -
シャーロットの話が読んでいてとてもつらかった(;_;)
児童書ってなぜこんなにも読んでいてドキドキするの、寿命が縮む 魅せるなあ -
シーツの皺を伸ばし整えるとき、私は「大きな森の小さな家」のローラの飼い犬、ジャックを思い出す。
家族の誰だかが病気になって日々が慌ただしく、ジャックを構ってやれない日が続き、ローラが久しぶりにジャックの小屋を覗く場面。そこには寝床をジャックが必死に自分で整えた跡があった。ローラはしわくちゃになったシーツを伸ばし気持ちのいい寝床を作ってやる。
面白いのは、私がローラではなくジャックに自分を重ねるところだ。ベッドの上で四苦八苦する時、自分が犬になったような気がする。 -
昔はスルーしていた夫婦の絆にもぐっとくる3巻。
そして、これを読んでいたあの頃が
私自身にとっても素晴らしい、かけがえない時間だったな…と懐かしく思い出される。
三姉妹なぶん余計に身近に感じたけど
うちの両親はここまですばらしくはなかった。
けど、暖かい家の中で家族揃って団欒を楽しんだのは
二度と戻らない幸せな記憶として
当時の愛読書と強く結びついてるなあ… -
質素で、しかし隅々まで美しく行き届いた生活。家族の明確な役割分担。
-
3巻目。
1巻目はローラが5~6歳、
2巻目は6~7歳、
3巻目は7歳(町のガッコうへ行く)
4巻目は13歳 姉の失明
読者の成長とともに続編を読んでいくとよい。
他の翻訳もあるが、丁寧な描写の福音館がおすすめ。 -
家を建てるのひとつとっても、自給から経済依存の暮らしへと時代が移るのが伝わる。先住民を追いやり自由に開墾してきた開拓民たちも、土地を購入したり納税したりしなければならない時代が近づいてきた