幼ものがたり (福音館文庫 ノンフィクション)

著者 :
  • 福音館書店
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本棚登録 : 123
感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784834018226

作品紹介・あらすじ

記憶の堆積の下から、昨日のことのように鮮やかに浮かび上がる幼時の記憶の断片。そのひとつひとつを丹念に拾い上げ、明治末年の生活を幼い心に映じたままに再現した希有の自伝文学。

感想・レビュー・書評

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  • もしいつかこの本が手元から消える日が来ても、受け取ったものはずっと忘れずに、大事にしたい。とても大切な本です。

  • 石井さんの子供時代を、いまの言葉で記憶に忠実に描き出したもの。
    それだけでもすごい本ですが、
    細部にわたる描写、子供らしいみずみずしい目線などが名文で綴られています。
    銀の匙、をもっとアッサリさせたようなかんじです。
    いや、銀の匙以上の作品でしょう。私小説くささがなくて、読みやすい(笑)。
    もっと読まれてほしい本です。

  • 石井桃子さんが主に小学校に入る前について、思い出しながら綴った自伝。
    よく覚えているものです。
    私も思い出しながら書いたらこれだけ書けるのかしら、そんなに覚えているかしら。
    石井桃子さんが通った小学校は、師範学校の付属校だったのですね。
    模範となるべき選りすぐりの先生が集められていたとか。
    学校では学級文庫に夢中になっていたそうで、この学校の環境が、石井桃子さんを形作るひとつの下地になっていたのかなと思います。
    なかなか大きいな家だったっぽい、石井家。

  • 石井桃子さんの幼いころの回想録

    石井さんは幼児期から感性が鋭く、記憶も繊細なことがわかる。子ども時代の自分をきちんと別の視点から見ていると思う。子ども時代が彼女を作ったことも納得。

    それとは別に、日本のこの時代のしきたり、道具などがきちんと描かれているので、文化論として読むことができるのではないか。

    幼児の心の動き、成長などもみてとれる
    身体の触れ合いが多かったように思える。
    桃子が一番小さかったからかもしれないが、誰とでも身体を密着させる感覚が多くあった。

    姉たちの昔語り、祖父からの~

    浦和の宿の北はずれ

    家族構成のおもしろさ

    祖父 金物屋「釜屋」
    祖母
    父 銀行員



    兄 保太郎 生後六ヶ月で亡くなる
    兄 勝一


    祐子
    桃子
    弟 幼い時期に亡くなる

    まあちゃん

    松屋という屋号の家
    長屋門
    母屋

  • 明治の郊外の少し裕福なお家の暮らしが淡々と綴られています。
    石井桃子さんの心の豊かさはこうして育まれたのがわかる優しい本。

  • 断捨離本2013春。

  • ここにレビューを書きました。

    http://blog.goo.ne.jp/luar_28/e/282a156994fed651cd0e5fc88c679e68

  • 吉井爽子さんのイラストと相まって大変可愛らしい作品に仕上がっています。筆者の石井さんの幼少時代が丁寧に思いおこされていて、みずみずしく綴られた文章から明治の暮らしぶりが垣間見え、一緒にこの町内の人々の暮らしを覗いているような楽しい気分にさせてもえます。

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著者プロフィール

1907年埼玉県生まれ。1951年に『ノンちゃん雲に乗る』で文部大臣賞受賞。1953年児童文学に貢献したことにより菊池寛賞受賞。童話に『三月ひなのつき』『山のトムさん』、絵本に『くいしんぼうのはなこさん』『ありこのおつかい』(以上福音館書店)、翻訳に『クマのプーさん』『たのしい川べ』『ちいさいおうち』(以上岩波書店)、『うさこちゃん』シリーズ、『ピーターラビット』シリーズ(以上福音館書店)など多数。

「2022年 『はたらきもののじょせつしゃ けいてぃー KATY AND THE BIG SNOW』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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