- Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
- / ISBN・EAN: 9784834018226
作品紹介・あらすじ
記憶の堆積の下から、昨日のことのように鮮やかに浮かび上がる幼時の記憶の断片。そのひとつひとつを丹念に拾い上げ、明治末年の生活を幼い心に映じたままに再現した希有の自伝文学。
感想・レビュー・書評
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もしいつかこの本が手元から消える日が来ても、受け取ったものはずっと忘れずに、大事にしたい。とても大切な本です。
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石井さんの子供時代を、いまの言葉で記憶に忠実に描き出したもの。
それだけでもすごい本ですが、
細部にわたる描写、子供らしいみずみずしい目線などが名文で綴られています。
銀の匙、をもっとアッサリさせたようなかんじです。
いや、銀の匙以上の作品でしょう。私小説くささがなくて、読みやすい(笑)。
もっと読まれてほしい本です。 -
石井桃子さんが主に小学校に入る前について、思い出しながら綴った自伝。
よく覚えているものです。
私も思い出しながら書いたらこれだけ書けるのかしら、そんなに覚えているかしら。
石井桃子さんが通った小学校は、師範学校の付属校だったのですね。
模範となるべき選りすぐりの先生が集められていたとか。
学校では学級文庫に夢中になっていたそうで、この学校の環境が、石井桃子さんを形作るひとつの下地になっていたのかなと思います。
なかなか大きいな家だったっぽい、石井家。 -
明治の郊外の少し裕福なお家の暮らしが淡々と綴られています。
石井桃子さんの心の豊かさはこうして育まれたのがわかる優しい本。 -
断捨離本2013春。
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吉井爽子さんのイラストと相まって大変可愛らしい作品に仕上がっています。筆者の石井さんの幼少時代が丁寧に思いおこされていて、みずみずしく綴られた文章から明治の暮らしぶりが垣間見え、一緒にこの町内の人々の暮らしを覗いているような楽しい気分にさせてもえます。