- Amazon.co.jp ・本 (55ページ)
- / ISBN・EAN: 9784834018639
感想・レビュー・書評
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★4.0
田舎のねずみチミーと町のねずみジョニー。チミーは町が、ジョニーは田舎が肌に合わないけれど、田舎には田舎の、町には町の良さがある。結局のところ、住めば都で慣れ親しんだ場所がどこよりも居心地がいい。そして、田舎と町のどちらかを持ち上げたり貶めたりすることなく、人それぞれの好みがあることを説いてくれるポターが優しい。でも、ポターは断然田舎派なのだけど(笑)。本来であれば出会うことがなかっただろうチミーとジョニーが、お互いを尊重しながら時々は田舎と町を行き来し合う、素敵な友達になれれば良いな、と思う。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
イソップ童話が元ネタということで、話の筋は見たことがある感じ。でも挿絵の美しさや、文章で説明せず絵で推測させるスタイルは他に劣らず読み応えがあります。
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「本書は、イソップ寓話にもとづく話ですが、イングランド湖水地方が舞台となっています。まちのねずみのジョニーが住んでいるのはホークスヘッドの町で、いなかのねずみのチミーが住んでいるのはソーリー村です。
まちねずみのジョニーは、ある家の食器戸棚の中で生まれました。チミー・ウィリーは、野菜畑で生まれました。ある日チミーは運送屋さんのかごに入り込み、まちに連れて行かれてしまいました。1972年初版の新装版。」 -
そんなものでしょうね。合うとか合わないとかはあると思いますよ。でも、実際に行動してみることは間違いではないでしょう。
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2013.5.15読了。
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長男お気に入り。でもこの本のことは「チミーの本」と呼んでいるので、彼の中では主人公はチミーなのかも。ピーターラビットシリーズ全体に言えるけど、子供に気を遣うような過剰なファンタジーがなくて現実的で、でもほがらかなところがとっても素敵です。
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ピーターラビットの絵本9、1972年5月1日初版発行、英語版では1918年発行、21作目。
町のねずみジョニーと、田舎のねずみチミーのおはなし。
チミーは間違って野菜かごに入って眠り込んでいるうちに、かごごと町に運ばれてしまいました。そこでまちねずみジョニーと会い、もてなされますが,田舎での暮らしが懐かしくなって日に日に元気がなくなっていきます。ジョニーから空の野菜かごに入れば帰れると言われ、チミーは田舎に帰りました。
次に、ジョニーが野菜かごに入って田舎にやってきます。家の人たちが春のお休みに海岸に旅行に出かけている間、お手伝いさんたちがねずみ退治するというので、田舎にやってきたのです。チミーはジョニーをもてなしますが、田舎は静かすぎると言って次に野菜かごが運ばれるときに町へ帰ってしまいます。
イソップの有名な童話、まちのねずみといなかのねずみを下敷きにした物語です。オリジナリティーがないという向きもありますけれど、ポターの描くねずみたちの筆致はすばらしいと思います。
町ねずみの暮らしぶりが、ロンドンに住んでいた頃のポターと重なり、田舎ねずみの暮らしぶりが湖水地方のソーリー村に移ってからのポターに重なるような気がします。最後のページにもあるように、ポターは田舎暮らしのほうが、性に合っていたのでしょうね。田舎ねずみの住む巣穴や、まわりの畑や農家の家や庭など、精密で美しい筆致で描かれています。落ち着いた色調ながら本当に魅力的。 -
まちのねずみといなかのねずみのような展開。畑育ちのチミーはまんまるで、町のねずみのジョニーはほっそりしてジャケットまではおり紳士風。ポターの絵がいい!