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- / ISBN・EAN: 9784834018899
感想・レビュー・書評
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著者は開業医の山田真氏(1941ー)です。
本書は子供を持つ母親向けに編集された小児科のテキストです。
山田氏が医者になったのは68年です。
当時は大学闘争の時代で、著者は闘争で無期停学となって卒業が遅れてしまいます。
しかしその間は生きた哲学を打ち立てる貴重な時となりました。
「医学は権力のためでなく、人々のためにある。
だから自分は権威にあぐらをかかず、患者と共に喜び、歩む医者になろう」と。
その思いを胸に医学の道を歩むことを決意しました。
著者は卒後に小児科で研修を受けると、上野の路上生活者向けの診療所で働きました。
診療所が赤字で閉鎖が決まると、「八王子中央診療所」と「梅村こども診療所」に移り、家庭医として赤ちゃんからお年寄りまで幅広い年代の患者、多くの疾患を治療してきました。
こうした経験が結晶化したのが本書になります。
原形となったのは、雑誌「母の友」の連載記事でした。
78年に連載が始まり、著者が40代だった84年に初版が出版され、その後も改訂が繰り返されてロングセラーとなっています。
執筆の動機は「医学の世界を一般の人にわかりやすく伝えたいと思ったこと」と、「医学はわからないことも多い不完全なものだと知って欲しいため」です。
医者だけが知識を独占するのではなく、多くの人に知ってもらってどうすれば良いのかを一緒に考えて欲しいという願いが込められていました。
内容は4つのパートで構成されています。
第1部は感染症、アレルギー、心臓など、病気の概要についてまとめていました。
第2部は症状別に整理され、症状から関連する病気が推測できるようにしていました。
第3部は医学エッセイが中心で、薬害や医学界の問題点などについて著者の意見をまとめていました。
第4部は救急処置をまとめていて、呼吸や心臓が止まった時、毒物を誤って飲んでしまった時にどうすれば良いかなどを説明していました。
本書は、このように子供の疾患が幅広く掲載されていました。
内容は専門分野にも及んでいましたが、文章はやわらかく、穏やかなお医者さんが目の前で説明してくれているようなやさしさと謙虚さに溢れたものでした。
「私はまだ勉強不足、半人前の医者です。
でも患者さんたちと、喜んだり、怒ったり、泣いたりするのが嫌いではありません。
これを唯一の取り柄として、これからも医者の道を歩み続けて行こうと思っています。」
地味な装丁ですが編集は丁寧で、編集者と共に大切に作った本だということが伺えました。
子供を持つ母だけでなく、専門家が読んでも参考になるものだと思います。
おすすめです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
医療の世界は利権ともからんでて不審な部分があるけれども、そういう側面もふまえて、いい塩梅で丁寧に書いてくれている。
子どもを持つ身としても、我が身を顧みるにも、
一つの側面として要確認。 -
まず表紙がかわいい☆一家に一冊ほしい。
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わが家では大活躍の本。子どもの病気はけっこう心配しますが、この本を読むと安心できます。小さいお子さんをお持ちのご家庭には1冊あるといいですね。
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やっぱり小さい子どもの体のことってよくわからなくて不安になるから、親しい小児科の先生がいるみたいな気分にさせてくれるこの本がとってもお気に入り。うちの子は比較的強い子であまり病気しないけど、それでも何がいつ起きるかわからないから、何度も何度も熟読してる。心配することが親の仕事って誰かが言ったのは名言だぁ。