ふくろにいれられた おとこのこ フランス民話 (こどものとも絵本)
- 福音館書店 (2022年1月5日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (32ページ)
- / ISBN・EAN: 9784834020502
作品紹介・あらすじ
ピトシャン・ピトショがイチジクの木に登っていると、袋をかついだオニがやってきて、袋に入れられてしまいます。今夜のごちそうにされては大変と、ピトシャン・ピトショはハサミを使って袋から逃げ出し、袋の中に身代わりの石を詰めると、今度はオニの家に先回りして、屋根にのぼりました。帰ってきたオニと対峙したピトシャン・ピトショは、知恵を働かせてオニをやっつけます。明るく痛快なフランス民話を、堀内誠一が明快な絵で描きます。
感想・レビュー・書評
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ヤンキーみたいな鬼がファンキー!
人さらいは絶対あかんけど、相手の言うことを信じたが故に痛い目にあう鬼の姿には、なんだか複雑な心境です。
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イチジクを食べていた男の子・ピトシャン・ピトショ。
最後の1個のイチジクは、手から飛び出しコロコロ転がって、たちまち大きな木になった。
そこに通りかかったのは袋をかついだ鬼。
イチジクだけを狙っているかと思いきや、ピトシャンをまんまと袋に入れた鬼は、にやりと笑って帰路につく…
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フランス民話ということですが、ピトシャン・ピトショという名前がまず、なかなかインパクトがありました。
フランスではよくある名前なのかな??
鬼の姿も、日本の鬼の姿とは全然違っていて、ちょっとファンキーな男の人みたいな姿なのも新鮮でした。
絵を描かれた堀内誠一といえば、「こぶたのまーち」などのかわいい絵柄の印象だったので、ポスター画のようなはっきりとした色合いの、こうした絵も描かれるのかと驚きました。
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ピトシャンは鬼の言うとおりにしていたところ、まんまと袋に入れられてさらわれてしまったのですが、その鬼もまた、ピトシャンの言葉を二度信じてしまったがために、あわれな結果を招きます。
しかも一度騙されたあと、もう一度ピトシャンを信じているのです。
子どもの頃だったら、自分(ピトシャン)を痛い目にあわせた鬼もまた、痛い目をみてスッキリ!で終わったと思うのですが、オトナになってからはじめて読んだこの物語は、なんだか複雑な気持ちを自分に残しました。
人を信じることは確かに大事なことなのだけれど、なんでもかんでも無条件に信じてしまうのもまた、身の危険につながるのだな、ということも、このお話は教えてくれている気がしました。
ピトシャンにも鬼にもどちらもに言えることですが、なぜ危ない目にあってしまったかといえば、相手の言うことを鵜呑みにし、自分のなかに1回落し込んでよく考えなかったからではないかと思います。
そして「それをするとどうなるか」という推測ができるようになるには、経験とともに知識も大事になってきますよね。
だからこの物語の言いたいことは「勉強しつつ考えよう」ということなのかもしれないな…と思いました。
いつか子どもに「なんで勉強しなくちゃいけないんだよ!!」とキレられたときには、この物語をそっと読ませてみたいと思います。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
フランス民話
ピトシャン・ピトショという名前がまず子どもの心をぐっとつかむ。鬼にすぐ捕まってしまうのだが、その後知恵を働かせて助かる話。どうなるのかなぁ、とドキドキしながら聞いてくれる。読み聞かせ、6分弱。堀内誠一の挿絵がとても良い。昔話にしては、短くまとまっているのも良。 -
フランス民話というが強烈な内容だった。
これは素直に悪い鬼を退治するっていうことなのか‥
分からん(汗) -
ずいぶんサーフ系でオラオラ系なオニだな(笑)
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息子のお気に入り。
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古さを感じさせない、鮮やかな魅力!!!
読み聞かせ:4才から
読み聞かせ向き度:★★★
フランス民話なんですね。主人公の男の子の名前がピトシャンピトショ。幼少に読んでもらったときの記憶でも子供ながらに舶来感感じていました。不思議なイチジクから話が展開します。あちらでは日本で言う柿みたいに身近なくだものなのでしょうね。不思議と鬼が怖くないのは、堀内さんのシャレオツな絵のおかげ!何十年たっても古さを感じない氏の挿絵は、本当に他にない卓越したものを感じます。こういうものこそ子供の目に触れさせたいとつくづく思います。話も面白いですよ!!
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2022.6.15 6-1
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幼少期家にこの絵本があり、よく読んでもらっていました。保育園でも読んでもらっていて好きな本でした。少し怖い話なので、今の時代、教育上良くない話かもしれません。しかし、何故好きだったかは、話に出てくる、イチジクの木が家にあって、取って食べていたからだと思う。