ソフィアの白いばら (福音館文庫 ノンフィクション)

著者 :
  • 福音館書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (445ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784834021042

作品紹介・あらすじ

1970年秋、YOKOがソフィアの留学生宿舎で出会ったのは、世界各国からやってきた若者たちだった。ベトナム戦争は激しくなるばかり。激動の時代に青春を過ごした仲間は、それぞれ、歴史の大きなうねりにまきこまれていく……。(N-15)

感想・レビュー・書評

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  • エリザベス・コストヴァ『ヒストリアン』を読んで、ソフィアに興味を持ったのがきっかけで探して読んだのが最初。これも何回も読み返してます。ベトナム戦争の頃の話なのもつぼです。グェンというベトナム人の医師と作者が恋をするところにドキドキする。

  • 2005年初版
    だが、あとがきの日付は1999年とある

    ブルガリア語翻訳家八百板洋子さんの1970年からブルガリア・ソフィア大学に留学したときのことを書き綴ったもの

    八百板さんは1946年、福島生まれ

    詩人ヤーヴォロフの研究のためソフィア大学へ

    ブルガリアという国、そこに留学している様々な国から来ている留学生、彼らにかかわる様々国への旅、1970年代という時代、私的な経験にもかかわらず、すべてが描き出されている。


    異民族の混じりあった国境の土地で生きる人たちは、自分が何者なのかを、いつも自分に問いつづけているのかもしれない。曖昧ではすまない厳しさと、また民族に対する誇りのようなものを、日に焼けた素朴な風貌の、ボグダン唐教えられました。p237

    「わたしたちだって見てる。でも、あのおおらかさが理解できなくては、スラヴ民族の文学の翻訳だってできないよ。翻訳は、言葉の単なるおきかえではなく、文化の質の、解釈の幅だから。」
    そして、少し難しい話をしてもいいだろうかと、肩に手を置きました。
    YOKO、ちゃんと聞いてほしい。すべての創造的な仕事は、異質なものに触れるときの新鮮中感動がだいじなのだ。自分に違和感のない母語だけで物を考えていると、異文化との衝突や微妙なニュアンスの違いから生じる苦しみを、自己表現のエネルギーにできない。だから、活字だけでなく、音楽を聴いて、絵を見て、旅をして、異文化に触れ、言葉の感性をみがくといいと。
    p330

    一号棟
    キューバのオペラ歌手ニノン、マリア
    ベトナム人作曲家 リー
    ベトナム人 レイ・ミー
    モンゴルのオペラ歌手ゲバル
    ベトナムピアニスト ホワン
    ベトナム人外科医ソフィ大学客員教授 グェン・ファンヴォイ ハノイのドクター・ウルフ
    ケニア、ローデシア、スーダン


    ナセル語学学校 ライノワ先生
    シリア詩人マッフード
    あらぶトラキアの歴史研究ブシュラ
    エチオピアの声楽家アステル
    スウェーデン ウールリカ
    レバノン大学ビザンチン史研究助教授 シャオクィ

    四号棟
    アセンカ・ニッツォヴァ(ルーマニア人)

    テメヌーガ イコン作家

    ヴォルガ

  • 1970年ブルガリアに留学したYOKOが出会った様々な留学生達との交流、ベトナムの医師グエン、ルーマニアの同室者アセンカ、ブルガリアのヴォルガ、東欧旅行、取り巻く政情も興味深い。


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著者プロフィール

1946年福島県生まれ。ソフィア大学大学院に留学。『吸血鬼の花よめ』(福音館書店)で日本翻訳文化賞、『ソフィアの白いばら』(同)で産経児童出版文化賞を受賞。2011年、ブルガリア共和国文化省より文化功労賞をうける。

「2022年 『高橋真琴のおひめさまものがたり』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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