好奇心の部屋デロール (たくさんのふしぎ傑作集)

  • 福音館書店 (2008年11月7日発売)
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本 ・本 (40ページ) / ISBN・EAN: 9784834023749

作品紹介・あらすじ

フランスの首都パリの、とある大通りに面したショーウィンドーを見ると、なんとそこにはライオンが!? その家の中に入ってみると、ほかにも動物の剥製や昆虫標本、化石や鉱物などがいっぱい! このふしぎな場所「デロール」は200年近く前から、訪れた人の好奇心をくすぐり続けてきました。なぜ、こんな場所が生まれたのでしょう? なぜ、デロールは200年も人々の好奇心の対象なのでしょう? さあ、一緒にデロール探検に出発!

感想・レビュー・書評

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  • 46, Rue de Bac 75007 Paris FRANCE
    ここがくだんの店、DEYROLLEの住所だ。
    https://deyrolle.com/pages/la-maison-deyrolle

    調べてみたら今も健在である。日曜以外は10:00〜19:00まで空いている。
    本書では写真家の今森光彦氏がこの店を紹介している。

    いろいろな動物の剥製が展示されている。さながら博物館だが、これらのほとんどは売り物だ。

    この店は1831年にジャン・バプティスト・デロールという人が始めた。学校で使う理科の実験器具を売る店だった。しかし、しだいに世界中から標本や剥製を収集するようになり今に至る。

    建物の中にシマウマ、ライオン、シロクマ、インパラ、鳥、いろいろな動物がひしめいていてシュールな空間である。
    (ホームページに、シュルレアリストのブルトンやダリにでロールが霊感を与えたと書かれている)

    整然と並べてあるのではなく、雑然と動物たちがいる。そこが良い。まるで今にも動き出しそうだ。
    ここには昆虫や植物や骨の標本や鉱物もある。

    個人的には南フランスの蝶の標本が垂涎ものだ。いつかここを訪れたら買いたい。

  • パリには「デロール」というお店があります。1831年創業。ショーウィンドウにはライオン、羊、ちょっとのぞくとビーバーや狐、ロバも並んでいます。まるで生きているように見えますが、じっとしている彼らはみんな剥製。このお店の商品です。この本は、パリでお客さんに世界への夢やおどろきを与える不思議なお店について、今森光彦さんの写真と文章で紹介したものです。

    実は動物の剥製にはあまり良い印象を持っていませんでした。なんとなく、貴族が自分の力を誇示するために生き物を殺して飾るという固定観念(剥製造りをしてる人ごめんなさい)。いきものを美しいと感じるのはわかるけどわざわざ殺さなくても、図鑑とか見たらいいじゃん、と思ってました。そんな気持ちでこの本を見ていたら「はじめて見る貴重な動植物を長く保存できる剥製や標本は、のちのち時間をかけて種類を見わけたり、絵を描く見本として、なくてはならないものだったのです」という一文が。そうか、昔のヨーロッパの精密な絵が載っている図鑑。あれを作る時、役立っていたのか。
    確かにデロールの剥製たちは、自然の中で見せる姿勢をとっていて、彼らのことをよく知っている人が、その動物のことを伝えようとしている感じがします。もともと理科実験の道具を扱っていたデロールは、時代的背景から剥製を扱うようになったそうで、博物館的な側面が強いように見えます。お客さんが質問をするとスタッフがその標本について教えてくれて、なんと標本に手で触れることもできるとか(ライオンにも触れちゃう!)。なんなら博物館よりもさらに世界中の自然の魅力や不思議と距離が近いかもしれません。

    読み終わる頃には、剥製=貴族の館に掛かってる鹿の首という固定観念を捨てることができました。なお、デロールはこの本が作られた後に火災に遭い、貴重な剥製や標本の多くを失ってしまったそう。エルメスなどの支援を受けてお店は今もやっているとはいえ、創業以来のデロールの姿を知ることができる本でもあります。

  • DEYROLLEはパリのバック通りにある標本屋さん。
    『じっさいの剥製や標本を見せてくれる図鑑みたい』 ショーウィンドウではライオンがお出迎え。扉を開けて八角形の螺旋階段を上がれば,じろりとこちらを窺う動物たちと目が合います。そこはサバンナであり,アマゾンであり,北極であり,古生代の海です。使い古された木箱の引き出しには色とりどりの昆虫や眠り続けている化石。
    個人的には剥製に使うガラスの目玉が売っているのが気になりました。虹彩が一つ一つ違っているところがいいのです。

    この本に載っているのは2002年のDEYROLLEで,2008年に火事で焼けてしまい今は改装されているそう。できるなら170年の歴史を感じる昔のお店に行ってみたかったな。
    《2014.07.14》

  • これおもしろかった。
    子どもでも読みやすいと思うし、大人は興味深い。
    いいなぁ、行ってみたいなぁ、と。
    美しい世界。作り物のようで、本物のようで。その狭間。素敵。

  • デロールは剥製や標本を売るお店の名前。
    文・写真は今森光彦。
    このような店は日本にもあるのだろうか。
    生きているかのような剥製が素晴らしい。
    近くにあれば行ってみたいね。

  • パリのショーウィンドにライオン!?そこは200年前からある「デロール」という名のお店。動物の剥製や昆虫標本、化石や鉱物などがたくさんある不思議な場所。博物館じゃなくてお店ってのがいい。身近にあってくれて子どもの好奇心や探究心をくすぐり満たす。近所にあったら子どもはみんな通うね。大人もか。こんな場所がずっと続いて今もあるってのがいい。

  • いろんな剥製が買えるなんて凄い。

  • <DEYROLLE - The Shop Full of Curiosity>
      
    デザイン/島田隆

  • 私が今一番行ってみたいお店。至るところに剥製がある夢のようなお店。パリのデロール。
    今森光彦さんの写真で、このお店のワクワク感が眺めているだけで感じられる。いくら見ていても飽きない、大好きな本。

  • フランスのお店DEYROLLE(デロール)
    ジャン・バプティスト・デロールが始めて、学校の理科の教材などを売っていた。
    170年前からのお店。
    動物の剥製や虫の標本、鉱物を売ったりしている。
    剥製化が禁止された動物は売らずに貸し出し。
    子供たちの理科の学校のよう。
    絵本は2002年当時の取材。

    行きたくなる空間。


    レビューを登録したのは18日だけれど、読んだのは17日。

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著者プロフィール

1954年滋賀県生まれ。写真家。
大学卒業後独学で写真技術を学び1980年よりフリーランスとなる。
以後、琵琶湖をとりまくすべての自然と人との関わりをテーマに撮影する。
一方、熱帯雨林から砂漠まで、広く世界の辺境地の訪問を重ね、取材をつづけている。
また、ハサミで自然の造形を鮮やかに切り取るペーパーカットアーティストとしても知られる。
自然と人との共存を里山というキーワードで表現し続けている。

「2022年 『Mitsuhiko Imamori Monthly Calendar 2023 今森光彦 オーレリアンの庭 里山に暮らす』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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