- Amazon.co.jp ・本 (441ページ)
- / ISBN・EAN: 9784834024241
感想・レビュー・書評
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全然古びていない。この人の短編は切れ味がいい。
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表題作の『闘技場』は設定はよく練られているし、結果に向かう過程もよく描かれています。
私自身が主人公の立場になればあきらめてギブアップしてしまいそう。
これとよく似たのが、『ノック』。
地球侵略に来た宇宙人に生き残った一人の地球人が面従腹背で戦って追い返す話。
こういう屈しないで徹底的に戦う姿勢は、肉食系の民族の思考なんでしょうか。
仏教的諦観の世界に生きている私にはとてもそういう発想は出てきません。
しかしこの激烈な競争社会で勝ち抜いて生き抜いていくためには、こういった思考の物語をたくさん読んで自分を奮い立たせて自分で自分をマインドコントロールするくらいでないといけませんね。
それでこのボクラノエスエフ版、装丁が非常に凝っています。
目次もデザインの一環となっていて、原題もデザインされた文字で表記されています。
本文の文字も凝っていて、特定の名詞が太く表記されています。
島田虎之介さんの挿絵もマンガ的です。
マンガ風にビジュアルにこだわった装幀ということではないでしょうか。
フォントが読みにくいという意見もあるのですが、これなら若い世代にアピールできると思いますよ私は。
若い世代へのアピールといえば、今風の萌え絵というかライトノベル風の装丁が思い浮かびます。
古くからある文庫本でも、古典的文学作品の表紙を萌え絵風にしたら若い世代によく売れた、という話があります。
このボクラノエスエフシリーズもそういった効果が証明されている方向の装丁を採用するという安直な方法もあったはずですが、あえてそれをせずに祖父江慎さんによる別の方向の装丁に挑戦したということで、そのチャレンジ精神は認めていいと思いますよ私は。
ブラウンの作品はショートショートだとか星新一の共通点とかがよく言われています。
しかし今回私が読んだ感じでは、星新一のショートショートとブラウンの短編の違いというものを感じました。
星さんのショートショートでは、枝葉末節を省いて骨組みだけを描いて一直線に結末に向かっていきます。
一方、ブラウンの短編では、枝葉末節というか、作品の舞台設定が詳しく描き込まれているという感じです。会話なんかも細かく描かれていますね。
黒沢明監督が映画を撮影する時に映画に映らない箪笥の中身までこだわったという話がありますが、そんな感じです。
まあ専門家でも何でもない私の個人的感想ですから、聞き流して下さい。
https://sfklubo.net/arena/
http://sfkid.seesaa.net/article/468748366.html -
ワンアイディアのSF短編は、後味悪かったりナンセンス寄りだったりするのより、本作の「不死鳥への手紙」みたいなスケール大きい話が好きです。「ノック」も語り口が変わってて面白かった。
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しかし、地球では、たいていの物が緑のくせに、女だけはそうじゃないんだよ
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なじ■
初フレドリック・ブラウンでしたがあまりに面白くて興奮しました。
本文のフォントが独特で最初は え、何だこれ?と思ったけど
それも気にならなくなる面白さ。
「おそるべき坊や」のラストが洒落てて好きだなあ!
そしてボクラノSFシリーズは毎度挿絵が凄く好き。 -
[ 内容 ]
人類の命運をかけ、たった1人で戦う男。
表題作「闘技場」ほか、宇宙に行ったねずみと孤独な科学者のちょっと切ない物語「星ねずみ」など、短篇の名手ブラウンによる14の「すこし・ふしぎ」。
「さあ、ここで問題です。宇宙に最初に行った動物は? 猿? ブー。はずれ。 ん? 犬? 犬だって? 違う違う。全然違う。え? 犬で間違いないだって? 何言ってんの。君ねえ、物知らないにもほどがあるよ。ねずみだよ。ね・ず・み。本当に聞いたことないかい? あの有名なスターマウスの話。ないの? やんなっちゃうなあ。嘘つくなって? 嘘じゃないよ。ほら、これ、これにちゃんと書いてある」……宇宙に行ったねずみと孤独な科学者のちょっと切ない物語「星ねずみ」ほか、人類の命運をかけ、たった一人で戦う男の話、表題作「闘技場」など、短篇の名手フレドリック・ブラウンによる「すこし・ふしぎ」な14のお話をお届けします。
[ 目次 ]
[ 問題提起 ]
[ 結論 ]
[ コメント ]
[ 読了した日 ] -
本書の装丁、紙の硬さ、ページのレイアウト、完璧だ。表紙のイラストは好みがわかれそうだが。
訳の改訂もまったく違和感がない。
別の惑星には真逆のレビュー、感想を持つ宇宙人がいるかもしれない。 -
「闘技場」は「スター・トレック」(「宇宙大作戦」)のエピソード"Arena"(
「怪獣ゴーンとの対決」)の原作。ちなみにゴーンはとかげのような外見だが、怪獣ではなく知的生命体である。結末は原作と異なっていて、いかにも「スター・トレック」らしい。 -
短篇集。14篇収録。
子どもたちよ、SFを読もうぜ、という作り手の思いが込められた一冊。
解説は椎名誠。
初フレドリック・ブラウンは、小学生の時。家の本棚にあった『復讐の女神』。面白くて繰り返し読んでいたのだが、この作家の他の本も探してみよう、という風に気が回らない間抜けな子どもだったことが悔やまれる。
ブラッドベリもそうだけれど、すれっからしではない時に読んだ方が、絶対うぉぉぉ度は高いと思えるから。
地球に帰ることに焦がれる人間の精神のありようが、悲しくて怖い「みどりの星へ」がいい。
Arena and Other Stories by Fredric Brown -
フレドリック・ブラウンのSF短編集です。
星新一さんが訳しております。
絵以外は非常に満足しました。
絵が個人的に気に食わない。