さくら (かがくのとも絵本)

著者 :
  • 福音館書店
3.99
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本棚登録 : 866
感想 : 73
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  • Amazon.co.jp ・本 (27ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784834024951

作品紹介・あらすじ

日本人にとって最も馴染みのある桜の一年を、精緻な絵とリズム感のある文で描いた作品。

感想・レビュー・書評

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  • ソメイヨシノの1年が丁寧に描かれていました。
    表紙の淡いピンク色がすごくかわいくて、部屋に飾れたら素敵だなぁと思いました。

    児童館にて。

  • 丁寧に描かれた繊細な桜の花の美しいこと。
    リズムのあるテキストも読みやすく、この季節に最適。
    低学年から大人まで、桜の魅力を再発見する素敵な一冊だ。
    これまで何度もお話会で読んできたのに、レビューを載せるのは初めて。

    「わたしは き。さくらの き。なまえは ソメイヨシノ。」ではじまる。
    一本のソメイヨシノが、ひとり語りで自分の一年間を紹介する。
    花が咲いた時ばかりでなく、花のあとはどうなるのか、夏・秋・冬は?
    見た目は変化しても、命は循環していることを静かに教えてくれる。
    とりわけ秋の紅葉は美しく、葉をすっかり落とした後の小さな芽吹きが本当に愛らしい。
    特に好きなのは、花の蜜を吸いに来るヒヨドリさんとスズメさんが描かれたページ。
    この眼で見てもワクワクする光景だもの。絵で見てもやはり胸が弾む。
    テキストで好きなのは、花の散る様を表したところ。
    「ちいさい かぜ ふけば ちらちら。・・・・
         おおきな かぜ ふけば ふぁーららららら・・」

    花以外の季節を桜はどのように過ごすのか、こうして眼で見るととても新鮮。
    読後、頭も眼も涼やかな風に吹かれたかのように清浄な気分になる。
    約8分。
    5分とか6分くらいで読んでしまうという方は、ページをめくったらすぐに文字を読み始めていないか、気をつけてみてね。
    お子たちは絵を一心に見ているので、1、2、3、と胸の中で数えてから読み出すこと。
    読み終えた時も同様。すぐに次のページをめくらないこと。「三つ数えろ」(笑)。
    急いで読んだりしたら、もったいないもの、こんなに綺麗な本。

  • さくらの科学絵本
    文が詩的で話し言葉なので親しみやすい♪

  • >日本人にとって最も馴染みのある木と言っていい桜。
    でもお花見のとき以外の姿は、あまり知られていないかもしれません。
    桜の一年を、精緻な絵と、リズム感のある文で描いた作品。
    桜の生命の営みと輝きを感じてください。

    絵も文章も素晴らしい!
    ソメイヨシノ自身が桜の1年を語ってくれるのがユニークでとても惹き込まれました。

    花が散ってしまうとあまり注目しなくなってしまう桜ですが、その後の様子もじっくり語られます。

    実は小さくて苦くて美味しくないこと、秋に葉が散っても枝の先に花や葉の赤ちゃんが眠っていること、一つの花芽からたくさんの花が咲くことなどたくさんのことを教えてもらいました。

    裏表紙にはヤマザクラ、オオシマザクラ、シダレザクラ、カンヒザクラ、カンザンが紹介されています。

  • やっぱり桜って、特別な木。
    日本人の魂に何らかの形で刷り込まれているんですかね~。
    もう表紙からウキウキ。この薄ピンクの花びらの儚い色味よ。
    今年は4月は学校がなかったので、この絵本は時期を過ぎてしまったのかな?と思いましたが、桜の木の、開花前から始まって、花が咲き、散り、葉が茂り、実がなり、紅葉し、葉を落とし、そしてまた花が咲くまでの様子を描いた、四季の移り変わりも感じられる見事な絵本でした。
    散る桜もよし、葉桜もよし、夏は毛虫の温床となる様もまた現実であり、あまり話題にはならないけれども意外にも地味に紅葉が美しい様も描かれ、そしてまた新しい春を迎えるために蕾が膨らんでゆくさまに胸を躍らし、最後に見事に咲き誇る姿に、ほんの数分の中に時の流れと人生の悲哀すら感じられる気がして、心を掴まれます。
    科学絵本ではないけれど、科学的な見方の芽生えになりそうですね。(と書いたら、普通に「かがくのとも」でした。失敬)
    また、音読してみると驚くほど心地よく、さすが作家さんだなぁと思い著者を見ると長谷川摂子さん。調べてみると、大好きな『めっきらもっきら どおんどん』の作者なのですね。
    耳によし、目によし、科学的な見地も培われる、ととても贅沢な一冊です。

    読み聞かせ、約5分。

  • これはいい!よみきかせ(5分)

  • 桜といえば、誰しも、「季節は春」と思うことでしょう。いいえ、どの季節にも、いえ、むしろ、春以外の季節に敢えて読みたい絵本です。

    福音館の「かがくのとも絵本」シリーズでは、植物を題材にした絵本のほとんどが、四季を通じてその植物を描いています。

    一般的に旬と言われない時期の描写が特に素晴らしい。春を待ち望む季節。葉が散る様子を描いた秋。四季折々の、生きる力を感じさせます。

    「さくら」。ちょうどいま、花が散ってみんなが見向きもしなくなったこの季節に、敢えて読んであげたい気もします。

  • リアルに美しく描かれた桜の姿に、1歳の娘は釘付けになっています。本物の桜を思い出しやすいからでしょう。
    春だけでなく、夏、秋、冬の姿も観られるところが「かがくのとも絵本」ならでは、なのでしょうか。
    対象年齢は4歳からですが、1歳の娘にとってはデフォルメされた絵は理解しにくいので良かったです。しかし、今のところは春しか興味ありませんが…。

  • さくらが咲くとその美しさに魅せられ、自分が日本人だなぁと思う。春が来るとなんだか心が弾み、自分も動物なんだなぁと思う。
    でも、桜って春だけじゃないんだなぁと実感。素敵な絵本です。

    文が長谷川摂子さんなので、かがくのほんにしては情緒がある

  • 3月の書店でのおはなし会のトップで読みました。
    参加者は、3~4歳くらいの子どもたちが中心。
    きちんと聞いてもらえるか不安でしたが、ちらほらと桜も咲き始めた頃だったので、実際の情景も思い浮かべながら、しっかりと楽しんでもらえたようです。

    「わたしは き。 さくらの き。 なまえは ソメイヨシノ。」と語りかけるようにはじまり、桜が咲いて、散り、葉を茂らせ、秋冬を越え、また蕾をつけ、満開に・・・。
    花の咲く季節しか注目されない桜の一年が、詩情豊かに描かれている科学絵本です。

    大勢でのおはなし会には、小学校低学年以上がおすすめ。
    ご家庭での読み聞かせなら、3~4歳くらいからでも楽しめます。

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著者プロフィール

長谷川摂子(はせがわ せつこ)1944~2011島根県生まれ。東京大学大学院哲学科を中退後、公立保育園で保育士として6年間勤務した。その後、「赤門こども文庫」「おはなしくらぶ」主宰。絵本に『めっきらもっきら どおんどん』『きょだいな きょだいな』『おっきょちゃんとかっぱ』『はちかづきひめ』『みず』『さくら』『きつねにょうぼう』『かさ さしてあげるね』『おじょらぽん』、童話に『人形の旅立ち』、著書に『子どもたちと絵本』『絵本が目をさますとき』(以上、福音館書店)などがある。

「2016年 『ぐやん よやん』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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