ちいさなたいこ (こどものとも絵本)

著者 :
  • 福音館書店
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感想 : 18
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  • Amazon.co.jp ・本 (32ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784834025996

作品紹介・あらすじ

心の優しい百姓夫婦が、楽しそうな祭り囃子が聞こえてきたので行ってみると、畑で大きく育ったかぼちゃからでした。中を見ると小さな人たちが楽しそうに輪になって踊っていました。ある日太鼓が壊れ、お囃子が聞こえなくなってしまったので、おじいさんが小さな太鼓を作って入れてやると、小さい人たちはおじいさんにお礼の団子をくれました。団子を食べた夫婦は、不思議なことに小さくなり、そのかぼちゃの中に入っていきました。

感想・レビュー・書評

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  • かぼちゃの中に、小さな小人の世界があって…とてもかわいらしくて、この世界観が好きです。
    個人的な思い出があります。何年か前に出会った3歳の男の子がいました。その子は かぼちゃが好物でした。あるとき、この絵本を読んであげたら、 いたく気に入ったようで、それから会うたびに「この本読んで~」と、せがまれました。小人が小さなたいこをたたく場面が特に気に入っていて、クスクス笑ってたっけ…。今は、その子は もう、小学生になったけど、このこと覚えてるかな? 読んでくれた人のことは忘れていいけど、この本のことを覚えてて、いつか思い出してくれるとうれしいな。

  • 黄金色のかぼちゃの色が読んだ後も心に残る、松岡享子さんの創作童話。
    始まりがいかにも昔話風で、起承転結も鮮やかなので、創作だということを忘れてしまうほど。
    挿絵は、「うらしまたろう」や「かぐやひめ」などの絵も手がけている日本画家の秋野不矩(あきのふく)さん。
    端正で幻想的な絵を描かれる方で、特にかぼちゃの中の「ちいさな人たち」のためにちいさなたいこを作って贈る場面は「わぁ・・!」と思わず息をのむ。 
    どんぐりや竹を使って小さな小さな太鼓を作り、お箸でそれをつまんで、かぼちゃの中にいれてあげるのだ。
    ミニチュアの世界に憧れたことがなくても、ちょっとどきどきする箇所。
    約8分。5,6歳から。
    絶版になっているそうなので、入手できたら幸運というもの。

    結末の意外さが受け入れられないひともいるかもしれない。
    神隠しにあったんですか?と、あるお母さんから真顔で尋ねられたこともあるほど。

    いえいえ、お話のはじめにあるように、
    『もう としをとって あまりはたらけなくなったので
     とおいところの たんぼを ひとにゆずり
     いまでは うちのまわりの はたけに
     わずかの やさいを つくって くらしていました』 ・・ということですよね?
    おじいさんとおばあさんは、ひっそりと慎ましく分相応に生きていたのですよね。
    そんなおじいさんとおばあさんにとって、大事に育てたかぼちゃの中に、楽しそうにお祭りをしている人たちが住んでいたなんて、夢のように心ときめく出来事だったと思うのです。
    その中に入り込めるなんて、ましてもっと幸せだったと思いますよ。
     ・・・な~んて説明は、したことありません。
    『いつまでも しあわせに くらしました』って書いてありますからね。

    不思議なお話しなのに、読んだ後爽やかなのは、きっとこの結末のせいかも。
    さて、これも覚えて語れるようになろう。

  • タイトルが「ちいさなたいこ」なのに、表紙絵にどーんと大きなかぼちゃがあるのはなぜ??
    そして予想外の結末に、ぽか〜んとなってしまった我ら親子でした。

    〜~~〜~〜~〜~〜~~~~~~~~~~~~~~

    心優しいお百姓の、おじいさんおばあさん夫婦がおりました。
    ふたりはある年、かぼちゃの苗を植えました。
    かぼちゃはすくすくと育ち、大きく立派なかぼちゃになりました。

    さてその頃から、毎晩どこからともなくお囃子の音が聞こえてくるようになりました。
    祭りもない夜に、このお囃子はどこから聞こえてくるのだろう?と2人は不思議に思っていると…

    〜~〜~〜~〜~〜~~~~~~~~~~~~~~~~

    このあとからの展開を読むと、なるほどなるほど、タイトルと表紙絵がしっくりくると思います。
    ちゃんと「ちいさなたいこ」も登場しますのでご安心あれ!
    「ちいさなたいこ」登場のときには、おじいさんおばあさんの優しさが感じられることでしょう。

    それにしても、このお話の終わり方は、なんとも不思議でした。
    小3娘に読み聞かせをしたのですが、最後まで読みきったあと、二人してぼか〜んとなってしまいました。
    おじいさんおばあさんが幸せならそれでいいじゃないか!と思う反面、おじいさんおばあさんが暮らす「場所」が、「いつまでもたのしく」暮らせるように、維持されるものなのだろうか…
    などと、余計なお世話の方向に想像を膨らませてしまったのは、オトナの悪いクセかもしれません(苦笑)

  • 久々に昔ばなしの絵本を読みました。
    カボチャの中の小人たちの壊れたたいこを作ってあげる老夫婦。そして最後は小人たちからもらったお団子を食べて自分達も小さくなりカボチャの中でみんなとずっと暮らしましたとさ!
    何でたいこを作るか、など書いてあり、なんかやってみたくなりました。

  • こども用に借りてみたものの、思っていた感じと違う話だった。ので母のみ読む。

  • 松岡享子さんの昔話。

    心優しい老夫婦が作った大きなかぼちゃの中では、小さな人たちが毎夜太鼓をたたいて、楽しく踊っています。
    ところが、ある晩、時刻になってもお囃子が聞こえてきません………

    続きはどうなるのかと、興味を持ってページをめくりました。
    エンディングは、これは素直にハッピーエンドと受け取った方がよいのかしら??

  •  むかし、あるところに心優しいおじいさんとおばあさんが住んでいました。おじいさんとおばあさんの家の周りには畑があり、少しばかりの野菜を作って暮らしていました。
     ある日の晩、外の方からぴぃひゃら どんどん ぴぃひゃららと、楽しそうな祭りばやしが聞こえて来ました。村祭りにはまだ日があるのに、おかしいな。外に出て音の元をたどると、そこには大きな大きな立派なかぼちゃがあったのです。

  • 読み聞かせに入った教室で読んだと教えてもらい
    そのオチに驚愕して、興味を持って読んだ本。

    子どもの時に知っていたら「よかったね」て云えたのかもしれないけど
    今読むと、「めでたしめでたし」……そうなのかな?て思ってしまう。
    本人さえ納得してればいいんでしょうが、やっぱりこれ、怖い話だと思う。

    こちらとあちら。
    心優しいおじいさんとおばあさんへのご褒美は……。
    かぼちゃを通してあちらと繋がり、
    結果的にあちらに行ったきりになって帰ってこない。
    ずっと幸せに暮らしましたの小さい人たちが住む世界が
    桃源郷のようなあちらの世界のような気がしてならなかった。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「結果的にあちらに行ったきり」
      類似の昔話が色々ありますね、逆に「浦島」は戻ってきたけど、、、解釈が分かれるところですね。。。
      まぁ秋野不矩...
      「結果的にあちらに行ったきり」
      類似の昔話が色々ありますね、逆に「浦島」は戻ってきたけど、、、解釈が分かれるところですね。。。
      まぁ秋野不矩の絵を楽しむのが一番かも。。。
      2012/09/26
    • 黒百合お七さん
      >nyancomaruさん

      民俗学的に考察すると、題材としてとても面白いかもしれませんね。
      帰ってくるものと帰ってこないものと。
      どこでそ...
      >nyancomaruさん

      民俗学的に考察すると、題材としてとても面白いかもしれませんね。
      帰ってくるものと帰ってこないものと。
      どこでその差が出るのか、ちょっと調べてみたいです~
      2012/10/04
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「民俗学的に考察すると」
      昔話の研究には、パターンを分類したりする研究があるので、調べれば何か出てくるかも知れませんね。
      「物語要素事典」
      ...
      「民俗学的に考察すると」
      昔話の研究には、パターンを分類したりする研究があるので、調べれば何か出てくるかも知れませんね。
      「物語要素事典」
      http://www.aichi-gakuin.ac.jp/~kamiyama/
      2012/10/09
  • 読み聞かせ 9分

  • 5歳からおすすめ。
    よくよく考えると、ちょっと怖い結末かもしれない。

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著者プロフィール

兵庫県神戸市生まれ。大学卒業後、渡米。ウェスタンミシガン大学大学院で児童図書館学を学んだ後、ボルチモアの公共図書館に勤める。帰国後、子どもの本の普及に努め翻訳、創作など多方面で活躍。

「2015年 『新・小学校国語の教科書に出てくる読み物セット 全11巻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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