小公女 (福音館古典童話シリーズ 41)

制作 : エセル・フランクリン・ベッツ  高楼方子 
  • 福音館書店
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本棚登録 : 106
レビュー : 22
  • Amazon.co.jp ・本 (408ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784834026757

作品紹介・あらすじ

どんなときにも想像力をいっぱいに働かせ、気高く果敢に生きるセーラがたぐり寄せる友情と奇跡の物語『小公女』。100年間読み継がれた、19世紀ロンドンの寄宿学園を舞台とする古典の名作が、味わい深く読みやすく、かつ精確さをとことん追求した訳文によって、生き生きとあざやかに甦る。児童文学作家・高楼方子による渾身の翻訳。

感想・レビュー・書評

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  • 子どもの頃、よくこの種の少女小説を買ってもらっては読んでいました。
    けれどどちらかというと『秘密の花園』の方が好きで…
    小公女はなんとなく道徳的な感じが強かったからかな?
    ただこの新訳を読んでセーラ像が大きく変わりました。セーラがお話を生き生きと語るさまや、そうすることの切実さが丁寧に描かれていないと、この物語は薄っぺらく思えてしまうのだと思います。
    昔読んだ抄訳版はそのあたりに難があったのかもしれません。

    こちらは、高楼先生のわかりやすい訳と素敵な挿絵で、長さも感じずに一気に読めました。
    先生の講演会にも行きましたが、翻訳には大変なご苦労があったようで…
    でもこの新訳が出ていなかったらもう一度読んでみようという気にはならなかったと思います。
    普段なかなか読書の時間がとれない中学生の娘もすごく気に入ったそうで、これもこの読みやすい新訳のおかげだと思っています。

  • 高楼方子は「緑の模様画」を書いたとき、登場人物たちの絆となる本に「小公女」を選んだ。
    そのとき訳書をあれこれ参照してみて、ちゃんとした完訳がほしいと思ったそうだ。そして編集者から勧められて自ら訳し直すことを決めた。
    ぴたりとはまる日本語を見つけるための試行錯誤は4年に及んだそうだ。
    とりわけ考えこんだところは……という話を講演会で聞いた。
    完成した訳文には、そんな苦労の跡は見えない。

  • 高楼方子さん訳は、読みやすかったです。
    セーラの思い描く世界が、色鮮やかに広がって。
    頑固なまでのまっすぐさ。
    芯の強さ。
    ドキドキして、ページをめくる手がもどかしく感じました。
    子どもたちにも、ぜひ読んでもらいたいな。
    でも。どんな言葉を添えて、この本を手渡せばいいんだろ…

  • 日本語訳の完訳は、これしかないそうな。
    訳者さんが好きな作家さんだったこともあって読む。
    どうも、あのアニメのイメージで、主人公セーラはおとなしくて従順で「いいこ」で、それなのに一転不幸に陥りそれを健気に耐え忍んでいると幸運が舞い込んでくる。
    ・・・と思っていたんですが、よくよく読むと、セーラというのは実は勝気で自分の思っていることは結構はっきりいうし、不条理だと思うことには大人相手にだって思い切りにらむし・・・ミンチン先生の「けっ」とセーラを憎たらしく思う気持ちがなんかわかった(笑)
    そして、またもやアニメの影響で、ラストでは女学院にお金持ちとなって返り咲く、その、意識しなくても漂う「さすがでしょー」的な感じ、あれが小説では一切ない。ものすごくあっさりとした幕切れで、それゆえに「かっこいい」感じがある。

    「小公子」のほうがずーっと好きだったんですが・・・貧しくても幸せな生活からお金持ちになったけれど母親と引き離されて少し不幸。あまやかされようともそれに耐え抜いて健やかに成長して、周囲を明るく変化させてゆく、という、ほうが。
    だけど、「小公女」の、つらくて折れそうになっても、心を、信念をかんたんには曲げず、想像力でのりきっていくという女の子というのもいいなぁと思いました。

  • 子どもの頃、くり返し読んだ大好きなお話。私の血となり、肉となった一冊。一言で言うとどんな逆境にもめげずに~と言うことなんでしょうが、女の子はしたたかに生きていいのよ、と19世紀のバーネット夫人も言ってました、ということです。たかどのほうこさん訳ということで、どう変わってるのか話題になってはいますがエピソードは勿論、デティールもさほど変わっていないようでした。今度西村書店のと読み比べてみるつもり。

  • ・どんな逆境でも、自分でいつづけたセーラがとても魅力的です。最後の大逆転も、すごく面白いです。この本を読むとみんなセーラワールドへ引き込まれます。

  • 小公女って読んだことなかったなと思って借りて読んだんだけど、これミンチン先生の気持ちも分かるわ〜。熱い手のひら返しするの分かる。賢くて美しくて高貴な少女を惨めな境遇に叩き込めるのは自分だけ、っていう支配欲は分かる。実際にあそこまで貶めるってのはやらないけどさ。
    小学生の時に読んでたらセーラの清々しいまでの毅然とした態度に共感できたと思うけど、中学生の時に読んでたら「こういう立派な人間とは一緒にいられないな~無理」ってなってたと思う だって実際に作中でもセーラと仲良しなのって「あまり賢くない同級生」「恵まれない下働き」「年下の子」じゃん?
    この学校が「精神的に豊かでない子ばかり」みたいに明文化されてるから、セーラの精神性に同じ目線でついていける生徒がいない、ってのは理解する。世界が広がったら隣の家の長女みたいに仲良くなれる子は増えていくと思うけども。一定のラインの「下」にいる人間にとってはまさしく王女様のままだよね~っていう。

    だからといってこの本が嫌いというのではなく、読む年齢によって捉え方も違う、だから読書は奥が深いなと思った、という経験でした。

  • 『11月の扉』など大好きな児童文学作家の高楼方子さんの訳で読んだ『小公女』はラストに近づくにつれ涙がホロリ。とても読みやすくグイグイ物語の中に引っ張っていってくれました。セーラの空想する場面は子どもの頃もワクワクしましたが、大人になった今はワクワクするのはもちろんのことなんだけど、その反面食事をさせてもらえなかったり、冷たい雨や雪の中をズクズクに濡れた靴と服でお使いにだされ、凍える屋根裏部屋で震えながら、空想する暖かく楽しい世界には切なさを覚えました。そして、ベッキーがね。すごくいい子。ベッキーの純粋なセーラへの憧れ、自分も懸命に空想の世界に浸ろうとする姿は、本当に抱きしめてあげたかったです。ふたりの壁越しのノックでの合図には、辛い中でも何だか秘密の楽しさがあって好きな場面でした。それにしてもセーラの意志の強さ、頑固さ、気の強さというものが、今回は新たな発見でした。そして、ミンチン先生のこれでもか!ってくらいの虐待の描き方はハンパなかったです。

  • 翻訳者が違うとまた人物の雰囲気が変わる(ベッキーとか)が、セーラの耐え忍びつつ自分を曲げない強さは変わらなかった。

  • 小学生時代の愛読書の一つ。大好きで何度も何度も読みました。訳者さんが違うとまた雰囲気が少し変わりますね。それとも時代(訳す時代)が違うということなのかな。
    大人になって読んでもやっぱり面白いし、心動かされます。思わず涙した場面も。
    想像力を持って強く生きようとするセーラに当時何度も励まされたことを思い出し、良い本は心の成長に欠かせないと実感しました。

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