- Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
- / ISBN・EAN: 9784834081268
作品紹介・あらすじ
茶碗屋の娘お鈴は、器量も気立てもよく、町中の人気者。その評判を聞きつけた悪逆非道のお城の殿様が、呉服屋に嫁ぐことの決まったお鈴を、城へよこせと無理難題。このピンチに、殿様の魔の手からお鈴を守らんと、町中の人々が立ち上がった! ひょんなことから、命を助けたキツネのおツネちゃんの力を借りて、繰り広げられる大作戦、なのだが、敵も味方もみなちょっとどこか抜けているから、ことは計画通りにすすまない。忍者空飛び、上田は分身、化け物も出るわで、手に汗握る爆笑必至の大騒動の結末やいかに。「好きやなあいう気持ちは、なんかおもろいことになって楽しいなあ」
感想・レビュー・書評
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読売新聞の「ライブラリー」欄での紹介を読んで面白そうと思い、借りてみた。舞台は江戸時代の城下町。マドンナのお鈴ちゃんが悪評高い殿様に召し上げられそうになった!お鈴ちゃんに憧れる若い衆は、命を助けたキツネを代役にしてお鈴ちゃんに化けてもらうという作戦を立てるのだが…。
キツネが化けて、という設定に目新しさは感じないものの、テンポがよく、読んでいてぷぷっと噴いてしまう。著者の田中氏が放送作家出身ということもあるからか、とことん荒唐無稽なのに破綻せず、笑いのツボを心得た展開となっていて、飽きない。お鈴に化ける練習中のキツネが、正体を隠しきれずに「むはははは」と笑うたび、読んでいる方も笑ってしまう。けひょーだの、がぼーだの、色んな人の叫びやら何やらがいちいちおかしくて、これは音読したら楽しいだろうなぁ。
ベタな展開を予測していると不意打ちくらいます。まさかこんな大騒動になるとは…!活字でも十分面白いけど、アニメや劇でも見てみたいような。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
やだこれ面白いわよ。
ページ数の少なさと、テンポの良さと、くだらない感じと、そしてキツネ!いやこれはケモナーの気持ちもよく分かるわ。ネコと目じゃねーっていうか。ソウカナ、とかカタカナでカタコトっていうのも、さらには訛ってるっていうのも萌え要素ではないか。
というわけでキツネかわゆいわーって楽しむ本。後、殿さまの後始末がふんわりしてるのも良かったよ。この手の余韻は好きよ。 -
町のアイドルお鈴ちゃんを、
悪どいお殿様から守るために立ち上がる清吉。
全編関西弁、落語のようなテンポのよさで話が進んでいく。きつねのツネちゃんがとにかく可愛いのと、登場人物たちがみんな真剣にアホで、最高。
ドタバタ救出劇のなかに、真剣な作戦と、まさに狐につままれたようなファンタジー部分とが混ざりあって、ほかにはない雰囲気の物語になっています。
続編希望!!
児童書はこうでなくては、と思える、笑えて泣ける物語でした。4年生くらいから。 -
子供向け。ストーリーには何のひねりもないけど、賑やかしい雰囲気とテンポは子供が読んで楽しいのかも。一応、息子に読ませてみようと思う。
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全編大阪弁でテンポよく、落語のような漫才のような、新喜劇のような会話にぐいぐい引き込まれる、おもしろうてちょつと不思議なおはなし。
上方落語好きなら思わずニヤリとしてしまう清吉と喜六やほかの気のいい町の人々が、殿様の横暴に立ち向かうんですが、その顛末の荒唐無稽なこと!狐のおツネちゃんが、またかわいい!!「むははははっ」と大口を開けて笑うさまは、ちょっと怖いんじゃないかと思うが、なぜかほっこりしてしまう。とにかくおツネちゃんは「かわいー」ので、どんなふうに「かわいー」かは、ぜひ読んで確認してください。
とにかく、声を上げて笑うこと数度、子供だけに読ませるのはもったいない。
続編は書かれないんでしょうか? -
話のテンポが良くて楽しい。また、挿し絵がすごくいい。見返しの狐がかわいいし、その上の銀で描かれた狐がまたいい。
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町のアイドルをお殿様から守るための思いつきも面白く、お城に入ってからは、ハラハラドキドキと展開で楽しめました。ツネちゃんが本当に可愛い!むははははという笑いと、なんか楽しいなぁというセリフで、心が温かくなりました。読後感もよく、挿絵もよく合っています。
中学年くらいから。男の子にもオススメです。 -
こんなお話は読んだことがない。笑いが止まらなくなったり、胸が傷んで涙ぐんでしまったりと大いに振り回されて面白かった。
不思議な語り口に引き込まれ、担がれた気がする中盤。我に返って仕切り直し、後半に臨むも、いつの間にか異界へぽんと出た気分になる。大波小波に乗せられて、最後まで気が抜けなかった。
児童向けとはいえ(だからこそ?) 作家は容赦ないのですね。 -
江戸時代の城下町が舞台のドタバタエンターテインメント。
みんなのマドンナお鈴ちゃんを守るために、狐のおツネの力を借りて、バカ殿に大作戦を決行する。
テンポ良く楽しく読みました。おツネがとても愛らしく、ツボでした。