シンドローム (ボクラノSFシリーズ)

著者 :
  • 福音館書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784834081374

作品紹介・あらすじ

飛来した謎の火球。沈みはじめる町。破滅の気配。次第に溶けあう日常と非日常。それでもぼくは、久保田との距離が気になって仕方がない。未だかつてない青春小説。

感想・レビュー・書評

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  • 学校や町が破滅に向かって目まぐるしく動くが主人公と久保田さんの距離は最後まで全く動かない。誰もが身に覚えがあるやつ。

  • 「飛来した謎の火球。沈みはじめる町。破滅の気配。次第に溶けあう日常と非日常。それでもぼくは、久保田との距離が気になって仕方がない。未だかつてない青春小説]

  • 突然隕石が落ちて--と良くありそうな非日常が訪れる。けど非日常より日常の方が複雑で、ぐるぐるしてる。
    けれどだんだん非日常の方が不穏になってきて--
    不思議だけど惹き込まれる。

    文庫版も出てるけど、単行本の方は挿絵がふんだんに散りばめられていて、お得な感じはする。

  • 迷妄

  • 2020/6/5購入
    2020/6/13読了

  • 自意識の肥大した青年の一人称。自分は精神的な状態でいたい、非精神的な状態にはなるまいとする主人公が、どんどんと非日常な状況へと呑み込まれてゆく。非日常なんだけど、その現実を認めないようとする人々のようすがリアル。正常性バイアス。内容はSFだけども、災害サバイバルもののようにも読める。

  • エイリアンの襲来で穏やかだった日常が崩れるなか、主人公の男の子は後ろの席の女の子との距離感が気になってぐるぐると迷妄に苛まれる。一言一句に至るまで綿密に計算された文章の構築力もさることながら、侵略SFを背景にした青春小説としてそれらを「同質」に描いた手腕が素晴らしく、最初こそ主人公の面倒くさい自意識バリバリの語り口に面食らうものの、侵略によってそれが正気を保つ日常の象徴へとシームレスにすり替わっているのが素晴らしい。唯一迷妄から解放された川辺でお弁当を食べるシーンは非常に胸に突き刺さった。傑作。

  • 『バーナード譲曰く。』から勧められて手に取りました。

    未知との遭遇を男子高校生の目線から描いた作品ですが、目線が未知の何かではなく、気になる女の子ばっかりに向けられてて……いやいや、もうちょい集中しようよ!
    でも実際、ホントにエイリアンが襲ってきても気になるのは、やっぱり好きな女の子のことかも(笑)
    SF✕片思いって、意外と相性いいんですね!

    グルグルウダウダした主人公の迷走哲学と、軽妙なテンポの良い会話シーンの対比が効いてて、それぞれの良さが引き出てると思いました。

  • 70頁くらいで、この主人公、めんどくせぇ奴だな!と思ったところで、バ嬢でもそういう風に紹介されていたのを思い出して、一人笑ってしまう

    そこからは、主人公に感情移入して読むのではなく、主人公を観察して読む視点に脳内切り替え

    自分だって中高生の頃はそういうメンドクサイ、デモデモダッテ思考をしていたりもした。けれど、この主人公はそういう過去の思い出をなぞろうとして感情移入をしようとしても、度を超えてメンドクサイ奴だった

    そして、彼のデモデモダッテは、好きな子を巡ってのライバル(仮想的)とのバトルのみであり、それは彼の世界が崩壊していくなかでも、変わらず彼の思考のほぼすべてであり、変わらないであるが故に、状況が悪化するほど彼の思考の異質さが浮き上がってくる

    しかし、読んでいる方も、うわーもー(恋愛について)もっとスパッと考えろよめんどくせぇなあ!と感じてしまうあたり、主人公の思考に引っ張られていたのだろう。本当はもっと、お前そんなことより今はやるべきことがあるだろう!と感じるべき事態なのだから

    結局最後まで主人公の性質は変わらず。そんな性質も今後成長したら変わっていくのか、この異常事態を経てなお変わらないところをみるとずっと不変なのか

  • 文学

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著者プロフィール

宮城教育大学教職教育総合学域発達教育部門 教授
主著『子ども観のグローバル・ヒストリー』(編著)原書房 2018年
  『子どもの心によりそう保育・教育課程論〔改訂版〕』(編者)福村出版 2018年
  『世界子ども学大事典』(共訳)原書房 2016年

「2021年 『「10の姿」をこえる保育実践のために』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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