カエサルくんと本のおはなし (福音館の科学シリーズ)

  • 福音館書店
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感想 : 18
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  • Amazon.co.jp ・本 (32ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784834081411

作品紹介・あらすじ

「たいせつなことを正確にずっと先まで伝えたい、そういう思いから文字が生まれ、書いた文字をのこすために本というものが作られるようになったのじゃ」

感想・レビュー・書評

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  • うん、これは面白い。
    古代ローマの将軍であり政治家でもあったジュリアス・シーザーは文筆家としても卓絶していたそうだが、一冊も読んでいないことを今激しく反省中。
    この本の中では学校の図書室にいた「しょうた君」の前にそのシーザーが現れる。
    これがフィギュアのようなミニサイズで可愛いのだ。
    そして、今の本の形を考えたのはこのわしが最初だぞと、話が続いていく。

    大切なことを、ずっと先まで正確に伝えたい。
    そこから始まる、2000年にもわたる長い長い本の歴史。
    本が大変な貴重品で、修道院だけのものだった時代も登場する。

    シーザー(この本ではカエサル君と呼んでいる)の話の途中に印刷術を発明したグーテンベルグさんと、冊子の本を完成させたアルドゥスさんも登場。
    そしてこの3人で、電子書籍の話までする。
    「指でスクロールしながらタブレットで読む」と「しょうた君」が言うと、「スクロール」は巻物のことで「タブレット」は木の板に蝋を塗った蝋板のことだとおじさまたち(笑)がおっしゃる。なーるほど!

    「せっかく私どもが考えてきた冊子の形が、今の人たちは気に入らないということですか」
    いえいえ、そういうことではありません。
    冊子の本の良さとネット上に置かれた本の良さは、まるで違うもの。
    新しい本のにおい。ページをめくる音。これはもう捨てがたい魅力だと思うのだが、皆さんはどうだろう。
    もちろんタブレットの便利さも充分理解しているつもり。
    人間の歴史が続く限り、形を変えて新しい本が出てくることだろう。
    ということで生徒諸君。
    先ずは図書室に行ってみよう。分からないことは司書さんに相談してね。

    些細なことだが、シーザーは左利きだったのかな。
    左手にペンを持ってパピルス紙に文字を書いているところが挿絵で出てくる。
    ご存知の方がいらしたら教えてください。

    約10分。中学年から。

    • だいさん
      ……
      >なるほどではないか。
      この発想、すご~っく、おもしろい!!!

      >皆さんはどうだろう。
      本と電子書籍については、一言ありま...
      ……
      >なるほどではないか。
      この発想、すご~っく、おもしろい!!!

      >皆さんはどうだろう。
      本と電子書籍については、一言あります。全く別のものと考えるべき!
      本は読むもの、電子書籍は閲覧するもの、と思います。

      >分からないことは司書さんに相談してね。
      ここが、ポイントかな。
      ビブリオバトルなど、流行っているようなので、本は人をつなげるものなのではないですか、ねェ?
      (おもしろそうだけど、この本は見ないかな)
      2015/08/19
    • nejidonさん
      だいさん、こんにちは♪
      コメントありがとうございます。
      タブレットの説明、面白いですよね。
      形態自体はそんなに新しいものではなかったの...
      だいさん、こんにちは♪
      コメントありがとうございます。
      タブレットの説明、面白いですよね。
      形態自体はそんなに新しいものではなかったのかも(笑)

      ああ、そう言えばだいさんの本棚に電子書籍についての本があったような。
      確かにあれは「閲覧」ですね!
      一読したら、再度読み込みというのがほとんどありません。不思議です。

      司書さんに本の相談をしないのは本当にもったいないです。
      プロですから(当然ですが・笑)、こういうことを調べたいというと、すぐに用意してくれますよ。
      本というのは人を繋げるものだと、私も思っています。
      そういえばブクログもそうですね。

      2015/08/20
  • しょうたは図書室で小型ユリウス・カエサルの“カエサルくん”に出会います。
    カエサルくんは今の本の形「冊子」になるまでの歴史を語り始めるのです。
    冊子体を考案したのは、戦況報告を本国ローマへ送る際にパピルス紙を蛇腹折りにしたカエサル本人でした。
    しかしすぐには流行らず、パピルスの潤沢なアレクサンドリア図書館とは違うペルガモン大図書館での羊皮紙利用、グーテンベルクの印刷術、アルドゥスの小型印刷本、それらの出現を待たなければなりませんでした。
    2000年以上になる図書の変革の歴史が、簡潔に楽しく纏められた絵本の一冊。

  • 男の子は図書館で本を探していると本の隙間から小さな人が現れた。
    それがカエサルだった。
    カエサルは男の子に本の歴史を説明する。
    途中でグーテンベルクとアルドゥスも登場。
    最後には新しい本の形としてタブレット端末も登場。

    カエサルはそれまで巻物だったのをパピルスでは時間が経つと固くなって巻けなくなってしまうのを改良し、ページ形式の本の最初を作った。
    グーテンベルクはそれまで写本していた本を印刷技術を発明し、たくさん作れるようにした。
    本は主に装飾性の高い大判の聖書のみ。
    アルドゥスは更に改良し、それまで高価だった大判の本を小型版を作り、更に普及させることになった。

    アルドゥスのことは知らなかった。
    ためになる。

  • 本 息子8歳7ヶ月
    息子が喜びそうな本を図書館から借りてきて読み聞かせ…最近は息子が一人で読みます。作品によってはボリュームたっぷりでも読む。母はサミシイ。

    〈親〉
    絵が好き ◯
    内容が好き ◯

    〈子〉
    読んだ◯
    何度も読む(お気に入り)
    その他

    「本」の歴史。
    文字や印刷技術の発明は習ったけれど、「本」そのものの成り立ちについては初めて知りました。
    カエサルがそんな発明をしていたなんて!


  • 「たいせつなことを正確にずっと先まで伝えたい、そういう思いから文字が生まれ、書いた文字をのこすために本というものが作られるようになったのじゃ」

    「あなたは、本を読むとき、どんな気持ちでページをめくっていますか?ページのある本が生まれた歴史を、その鍵を握るカエサルくん、発展させたグーテンベルクさん、完成形にしたアルドゥスさんが、美しい絵とともに語ります。本は時代とともに形を変えてきました。本が生まれた一番の理由は、大切なことを正確に将来に伝えるためでした。その本が、これからどう変わっていくべきなのか、皆さんも一緒に考えてみてください。」

  • いけがみ しゅんいち (著), せきぐち よしみ (イラスト)

  • 今の本という形がでくるまでを
    カエサルくんが教えてくれる
    ためになる絵本

  • カエサルくんが教えてくれるヨーロッパの本の歴史。

    パピルス→羊皮紙(1冊、ヒツジ15頭)→紙(中国より)

    カエサルくんが発明したもの
    ・紙を束ねて作る冊子
    ・パピルスの折り本

    グーテンベルクが発明したもの
    ・印刷術(でっかい儀式用の本)

    アルドゥスが発明したもの
    ・小型の印刷本

    現在のタブレットやスクロールという言葉に本の歴史のカケラが残っている。

    流れがわかりやすい。
    ギガスクールの世でも紹介しやすい。
    形を変え、本は未来へ繋がっていく。

  • 読了年齢:4歳
    まだ内容が難しかった。
    カエサルが冊子本を作った。
    羊皮紙から紙へ、グーデンベルクの印刷術など本の歴史的な事が知れる本。
    対象年齢の子ならきっと楽しく勉強できると思う。

  • またお前か!と驚く、カエサルくんシリーズ化。
    しかし内容は濃いぞ!!
    カエサルだけでなくグーテンベルグ(活版印刷)、アルドゥス(冊子化)の二人も登場。本についてすごく色々と学べます。

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