ねこどけい (こどものとも絵本)

著者 :
  • 福音館書店
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本棚登録 : 446
感想 : 24
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  • Amazon.co.jp ・本 (28ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784834082333

作品紹介・あらすじ

ことちゃんの家には鳩時計があります。猫のねねこは、いつも鳩時計の鳩と遊びたくてたまりません。ある日「くくう」と出てきたところにちょっかいを出して、時計を壊してしまいました。でも、ことちゃんが時計屋さんで直してもらって、おまけにねねこに小さな家をもらいました。ねねこは、鳩時計の鳩と一緒に家を出たり入ったり。かわいい猫時計になりました。思わずくすっと笑ってしまう幸せな日常のひとこまを描きます。

感想・レビュー・書評

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  •  文章を書かれた「岸田衿子」さんは、岸田今日子さんの姉であり、扉絵の、のどかで優しい自然の景色が象徴している、心温まる穏やかな物語は、「山脇百合子」さんの絵ともよく合っております。

     いつでも鳩時計のハトと遊びたいなと思っていた、「ねねこ」の猫ならではの愛くるしい行動も印象に残る中、私が胸を打たれたのは、タイトルの、『ねこどけい』の意味するところでした。

     それは、ねねこと、女の子「ことちゃん」が一緒に食事をしたり、ことちゃんが出掛ける時、お互いに手を振り合っている、ささやかな場面から繋がっているように感じられ、おそらく、こうした場面は、子どもたちに猫に対する親しみやすさを、感じて欲しいのもあるのでしょうが、そんな計算されたような描写だけとは、どうしても私には思えなくて、これらはねねこも同じ家族の対等な一員であることを、絵本という一つの文学ならではの表現方法で表したのだと思い、それは現代でも様々な形で問題となっている、人間の動物に対する、その命の尊さを無視した、都合の良い扱い方を問い掛けているようにも感じられました。

     また、更にこの絵本で問い掛けていることとして考えさせられたことは、生き物だけではなく、鳩時計に対しても、対等な眼差しを向けていることであり、それは鳩時計に異常が見られても、ねねこを責めない、ことちゃんの気持ちであったり、時計屋さんの、鳩時計だけではなく猫のことも考えた、その思いやりの気持ちに、目頭を熱くさせるものを感じられた、そんな生き物とか物とか関係ない、大切にしたいという優しさに満ちた眼差しは、原題の『CUCKOO CLOCK AND CAT CLOCK』にもよく表れていましたし、終盤のお母さんの台詞にも、ねねこへの愛情を感じさせられて、世界で生きているのは人間だけではないことが、よく分かりました。

  • 可愛い。
    イタズラ猫ちゃんが可愛い。

  • たださんのお薦めで図書館予約
    きしだえりこさんとやまわきえりこさんの名コンビ

    鳩時計
    不思議だったよねえ
    はともねこのねねこもことちゃんも同じ目線
    だれも怒らない
    かあさんもとけいやさんも……

    静かな語り口
    すみずみまでやさしさにあふれた絵

    うーん
    いいなあ

    ≪ おやつだよ くくうにゃんにゃん ほらさんかい ≫

    • たださん
      はまだかよこさん、お返事をありがとうございます(^o^)

      『絵本ってすべてを含んだ最高のもの』に、同感の思いです。
      私も、絵本を本格的に知...
      はまだかよこさん、お返事をありがとうございます(^o^)

      『絵本ってすべてを含んだ最高のもの』に、同感の思いです。
      私も、絵本を本格的に知ることで、その伝えたい思いや魅力を知りたいと感じたのは、ここ二年程で、まだまだなのですが、知れば知るほど奥が深いなと感じますし、決して子どもだけの為ではない、大人にとっても得るものがあるというのが、また素晴らしいところだと思っております。

      それから、「絵本の会」。
      正直なところ、とても羨ましくて、私も近くにそうした会があったら、是非参加したいくらいで楽しそうですね!
      それから、出過ぎた事を書くようで恐縮ですが、何を始めるにも遅すぎるということは無いと思いますし、やりたいことがあるというのは、素敵なことですよね。

      よろしかったら、これからも一緒に勉強させて下さい(*'▽'*)
      2023/10/04
    • はまだかよこさん
      まあ、なんてうれしいお返事でしょう!
      絵本最高!
      私が小さい頃(昭和23年生まれです笑)絵本はほとんどありませんでした
      学生の頃から興...
      まあ、なんてうれしいお返事でしょう!
      絵本最高!
      私が小さい頃(昭和23年生まれです笑)絵本はほとんどありませんでした
      学生の頃から興味を持つようになって
      今は本当に素晴らしい絵本が続々と
      「絵本の会」でお若い方に混ぜていただき吸収しようと思います
      体調が問題ですがトホホ

      この場でたださんとお知り合いになれてラッキー!
      これからもよろしくお願いいたします

      コメントありがとうございました
      2023/10/05
    • たださん
      こちらこそ、何度も嬉しいお返事を、ありがとうございます(^o^)
      絵本最高ですよね!

      学生の頃から興味を持たれていたと拝見し、私の場合が、...
      こちらこそ、何度も嬉しいお返事を、ありがとうございます(^o^)
      絵本最高ですよね!

      学生の頃から興味を持たれていたと拝見し、私の場合が、つい最近のことなので(昭和48年生まれなのに笑)、その歴史の長さ、尊敬いたします。
      きっと「絵本の会」の他の方々も、興味を示されるのではないかと思ってまして、絵本には、古典と呼ばれるものでも、いつの時代にも響く、普遍性を持ったものもありますし、今は、その時代性にあった新感覚なものもあったりと、どちらもそれぞれに楽しみ方があるのが良いですよね♪

      よろしかったら、「絵本の会」の話、気になるので、またの機会に聞かせて頂けると嬉しいです(^_^)

      こちらこそ、これからもよろしくお願いいたします(*'▽'*)
      お体、大事にされて楽しんできて下さいね!
      2023/10/05
  • 〝<ことちゃん>の家の鳩時計の窓から、玩具の鳩が頭を出して「ククゥ ククゥ・・・」と鳴きます。猫の<ねねこ>は、時々顔をす鳩時計の鳩が気になってなりません。そしてある日、「ククゥ」と出てきたところを捕まえようとして、時計を壊してしまいました。ことちゃんが時計屋さんに修理をお願いしますと、丸い窓のついた木の箱をプレセントしてもらいました...ねねこは、鳩時計の鳩と一緒に、箱から出たり入ったりの可愛い猫時計になりました。「よかったね。ねねこ」・・・〟微笑ましい幸せな日常のひとこまを描かれた絵本です。

  • 3歳11ヶ月、図書館本

    今回借りた15冊の中で一番のお気に入りの絵本。
    繰り返し何度も読んだ。

    文字量は少なく、絵もストーリーもシンプル。
    その中にもわくわくさせるものがあるみたい。

  • 息子7歳1ヵ月
    息子が喜びそうな本を図書館から借りてきて読み聞かせ…最近は息子が一人で読むようになってきて、母はサミシイ。

    〈親〉
    絵が好き ◯
    内容が好き ◯

    〈子〉
    何度も読む(お気に入り) ◯
    ちょうど良いボリューム ◯
    その他

    息子が大きなダンボール箱から顔を出して「ニャーニャー」言っているなあ、と思っていたら、この絵本の再現だったんだ。

    明るい白の背景に、あたたかな絵柄。
    大好きです。

  • ぐりとぐらのやまわきゆりこさんの絵本。
    ねこが好きなので借りてみた。
    鳩時計の木でできた鳩と
    仲良くなりたいねこが可愛い。
    鳩時計に登って壊してしまっても、
    ことちゃんに怒られなくて良かった。

  • みんなやさしい。欲しいねこどけい。

  • ことちゃんちの ねこの ねねこは はとどけいが だいすき。はとと あそびたくて とけいを こわしてしまいます。 とけいやさんは はとどけいを しゅうりするときに、 ねねこのために とくべつな プレゼントを つくってくれました!
    ねねこは すご~く よろこびましたよ!

  • 図書館本。次女に借りてきた本を長女がもれなく読むシリーズ。鳩時計に反応するネコのお話。時計職人がネコに粋なプレゼントを作ります。

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著者プロフィール

1929年、劇作家・岸田国士の長女として東京府豊多摩郡に生まれる。立教女学院小学校、立教女学院女学校を経て、東京芸術大学油絵科に入学。1955年、谷川俊太郎の勧めで第一詩集『忘れた秋』を発表し、詩人としてデビューした。童話作家としても活躍し、1966年には画家の中谷千代子とコンビを組んだ『かばくん』でドイツ児童図書賞を受賞した。1973年、『かえってきたきつね』で産経児童出版文化賞大賞を受賞。

「2019年 『岸田衿子の詩による無伴奏男声合唱曲 うたをうたうのはわすれても』 で使われていた紹介文から引用しています。」

岸田衿子の作品

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