- Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
- / ISBN・EAN: 9784834082388
作品紹介・あらすじ
小さな温泉街に住む小学五年生の「ぼく」は、子どもと大人の狭間にいる。ぼくは、猛スピードで「大人」になっていく女子たちがおそろしく、否応なしに変わっていく自分の身体に抗おうとしていた。そんなとき、コズエがやってきた。コズエはとても変で、とてもきれいで、なんだって「撒く」ことが大好きで、そして、彼女には秘密があった。信じること、与えること、受け入れること、そして変わっていくこと……。これは、誰しもに訪れる「奇跡」の物語。
まく子 (福音館の単行本)の感想・レビュー・書評
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ぼくたちはみんな宇宙人。
同じ粒からなる生命体。
粒は変わり続けるもの。
粒をまき、永遠に受け継がれていくもの、それが”魂”。
永遠に残るものは、他のものに粒を与えられないもの。
他のものと、交われないもの。
永遠じゃないから、美しい…。
永遠じゃないものは、優しい…。
とても難しい、無限の世界…。
いろんなメッセージが、込められているのは想像できても、
そのすべてを受けとめることは、出来なかった気がします。
でも、この物語は、それでいいのでは…と思いました。
たぶん受け止め方は、まく子がまいた光の粒の数。
なぜ、命あるものは、みな死んでしまうのだろう…。
永遠ではないのだろう…。
その答えの一粒だけは、拾えたような気がします。
最後はぜひ、暗闇で…。
あなたにも、『まく子』の光の粒が降りそそぐはず…。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
挿絵力強い。
テルテル坊主がリアルに効果ありそう。
死に向かってどんどん変化していくことはみんな平等な生き方なんだと純粋に伝わります。
自分のことも知らない人…宇宙人でさえ愛しく思える、今を大切にしたいと優しい気持ちになります。
砂を撒くのは迷惑なのでホースで水を撒いてみました。撒き散らすのは気持ちいいです。
コズエも慧も温泉街の人みんな大好きです。 -
どんなに荒唐無稽な話でも、まずは信じること。信じて後から嘘だと分かったら傷つくけれど、それでも最初から嘘だと決めつけるのではなく、まずは受け入れること。
西加奈子さんの作品はよく「見た目」が人物描写に出てくる。
今回はとても美少女な小学生が転入してきて、最初は無機質な不思議ちゃんだったけど、集落に馴染むにつれてだんだん人間の女の子らしくなっていって、どんどん太っていって、美少女の面影が消えていく。
それでも、コズエの魅力は変わらなくて、主人公の男の子は、奥歯まで見せて笑うぽっちゃりのコズエちゃんが好きになった。
西加奈子さんの作品を読んでいると、人間の美しさを感じられる。生きてるって素晴らしいし、人は見た目じゃなくて生命の美しさがあるって思える。 -
久々の西加奈子。
独特な登場人物たちの普通のような普通じゃない日常は、最初の頃はワクワクして読んでたけれど、冊数を重ねていくごとに、あれ?これも?また?と食傷気味でしばらく離れてました。
でも彼女の作品は読み始めてすぐに、目の奥に景色が広がるのがいいですね。
ちょっと不思議なコズエとオカアサン。
彼女たちの正体がわかったあとも、村のみんなの妙に納得した感じが面白かった。
いやいやいや、もっと驚こうよー…。
読書力が落ちたなー、なんか小難しい話に疲れたなーってときに、
西さんの作品は何も考えずにサクサクっと読めて、心にすーっと受け入れられるのでいいかも。
子どもがいたら読ませてあげたい一冊。
みんなみんな小さな粒からできているんだよー。 -
西さん3冊目、嫌いだ苦手だ言いながら手に取ってしまうのは何故だろう?
物語はどこかレトロな温泉街で心より体が先に大人になりかける頃のボーイミーツガール物語、そんなありきたりな設定ながら全てにおいて巧さが光る。
慧とコズエの会話の瑞々しさもそうだが「大人になりたくない心」を周回遅れの大人のドノやミライ(昔はいたよね)に投影させるセンスは絶妙。
そしてその妙ちきりんなタイトルが種明かしされる頃にはアホか!と感動が入り混じる西ワールドにどっぶりとハマる。
サラバをギュッと濃縮したようならしさ溢れる一冊は読みごたえあり -
Webで最初の方だけ読んで惹き込まれ、図書館で借りて一気読みした。
「ぼく」は、大人になるのが怖い。でも体や心の変化は止められない。家族みたいな集落に現れた不思議な少女コズエに惹かれ、ホラのような話を聞いたりするうちに、「ぼく」も否応なく変わっていく。ドノやミライや類という、社会の落伍者のような人間への見方も変わる。それが成長というものか。
最後は、ほんとにかぐや姫のようになってびっくりした。
不思議なもやもやする話だったが、なぜか心に響いて、何度も反芻してしまう。
西加奈子さん自身による挿絵も、力強いクレヨンのタッチで、印象深い。好き。 -
小学5年生男子が、大人になっていくクラスの女子への違和感。
女の子がやすやすと超えていくティーンへの壁のまえで足踏みしたり後ずさりする男の子のとまどいが直球で描かれる。そんなこともあったなぁ、と昔を振り返るオトナよりも、ついこの間この壁を超えたばかりのティーンたちにいいかも。
(登録してなかったのでいまさらだけど)
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