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Amazon.co.jp ・本 (256ページ) / ISBN・EAN: 9784834082388
作品紹介・あらすじ
小さな温泉街に住む小学五年生の「ぼく」は、子どもと大人の狭間にいる。ぼくは、猛スピードで「大人」になっていく女子たちがおそろしく、否応なしに変わっていく自分の身体に抗おうとしていた。そんなとき、コズエがやってきた。コズエはとても変で、とてもきれいで、なんだって「撒く」ことが大好きで、そして、彼女には秘密があった。信じること、与えること、受け入れること、そして変わっていくこと……。これは、誰しもに訪れる「奇跡」の物語。
感想・レビュー・書評
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とても不思議なお話でした。
不思議ちゃんのお話?と思って読んでいたら、SF?となって、最後は哲学でした。
鄙びた温泉街に住む小学5年生の慧は、大人になってゆく女子が怖い。そして、どんどん変化していく自分の体がもっと怖い。周りにはカッコ悪い大人しかいない(父親が一番カッコ悪い)。大人になんかなりたくない!ずっとこのままでいたい!
そこへ自分は宇宙人だと言う転入生コズエがやってきた。
みんなが知り合い、噂はすぐに広まる、秘密なんか持てない‥‥そんな小さな集落だけど、“変わってる“人のことも遠巻きにするわけでもなく、普通に受け入れている。
でも、思春期の慧からすると、そんな“変わってる“人や父親のようなカッコ悪い大人になるなんて受け入れ難いこと。
けれど不思議なコズエの影響で慧は変わっていく。いや、集落中の子どもが変わっていく。それどころか大人たちも巻き込んでいく。
大人になること、変化していくこと、永遠ではないこと、つまり死へと向かっていくことは怖いことではない。
「ぼくの命という小さな永遠は絶え、でもいずれみんなの大きな永遠に受け継がれてゆく‥‥それが魂」
とても不思議なお話だったけど、コズエの影響で集落が一つになる、とても温かいラストでした。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
西さんの物語は、いつもストレートでちょっとギョッとする場面がある。
そこ、オブラートに包みません?と聞きたくなるのだが、慣れてくるとその直球が
「なんで包む必要があるん?」
と読み手にグイグイ迫ってきて
「確かにそうだよね。なんでそんな風に思っちゃったんだろ?」
と心の膜を引っぺがしてくれるのだ。
「まく子」とは?と読み始めたこの物語…。
鄙びた温泉町に住む、狭い世界に生きる子どもの成長物語(ちょっと「島はぼくらと」を思い出す)かと思いきや、SF⁉︎
主人公の慧の心情は、この年頃の微妙に成長期がズレるからこそ生じる心の動き、戸惑い、誰にも言えない気持ちを、大人になってしまった読者にありありと思い出させる。
コズエと慧の交流は、子どもの拙い言葉なのに本質を突いている。
最後の転校生のオチもさすが!と思った。
今年度は教科書改訂があり、光村の国語中1では、瀬尾まいこさんの小説から、西加奈子さんの小説へと変わったので、中1が読めそうな関連図書としてこちらを読んでみた。
2021.6.5 -
主人公は小学五年生の男の子、慧。
慧の住む町は小さな温泉街。
そこに転校生がやってくる。
コズエとオカアサン。
そして2人は地球とは違う星からやって来たと言う。
SFっぽいが、フワフワした物語ではなく、ものすごく人間臭い。
子供から大人へと変化していく微妙な年頃の慧を中心に、人間の成長や生きること、死ぬこと。色んな人間が存在し、見た目も色々。
そんな事を考えさせられる。
「私たちを作っている粒は、日々変わっている。同じ私たちは二度といないんだ」
そう、あのときの私はあの瞬間にしかいない。今の私は今しかいないのですね。 -
ぼくたちはみんな宇宙人。
同じ粒からなる生命体。
粒は変わり続けるもの。
粒をまき、永遠に受け継がれていくもの、それが”魂”。
永遠に残るものは、他のものに粒を与えられないもの。
他のものと、交われないもの。
永遠じゃないから、美しい…。
永遠じゃないものは、優しい…。
とても難しい、無限の世界…。
いろんなメッセージが、込められているのは想像できても、
そのすべてを受けとめることは、出来なかった気がします。
でも、この物語は、それでいいのでは…と思いました。
たぶん受け止め方は、まく子がまいた光の粒の数。
なぜ、命あるものは、みな死んでしまうのだろう…。
永遠ではないのだろう…。
その答えの一粒だけは、拾えたような気がします。
最後はぜひ、暗闇で…。
あなたにも、『まく子』の光の粒が降りそそぐはず…。 -
相変わらずへんな女の子が登場する西加奈子さんの小説!
この西加奈子ワールドの不思議な魅力はなんなのだろう。
宇宙の中の一部である生命の力強さとはかなさ。
命の生臭さ。
いつも登場するへんな女の子が教えてくれる。
今回は挿絵も装丁もまた素晴らしくて…
電気を消してから、是非本を眺めてほしい。 -
すごくよかった。まく子の美しい目。手を伸ばすところがすごく泣きそうになる。
夜に本が光ってびっくり。 -
西加奈子作品の中ではSFみが強い本作。でも読み進めたらどんどん哲学的な要素が強まっていって、西さんの優しさが全面に表現された作品でした。
主人公で語り手の慧が、転校生の不思議ちゃんコズエとの関わりを通じて自分の気持ちや身体の変化に向き合えるようになり、自分に対して正直になっていく成長物語。徐々に大人の身体になっていく自分を見て現実を受け止められず「大人になりたくない」と思っていた慧は、コズエとの会話を通じて永遠ではないからこその大切さや美しさに気付くことができる。
たくさんの細胞でできている私たちの身体は自分が気が付かないところで刻一刻と変化していて、今ここに自分がいること、今のあなたと出会えたこと全てが奇跡である。 -
説明
内容紹介
小さな温泉街に住む小学五年生の「ぼく」は、子どもと大人の狭間にいる。ぼくは、猛スピードで「大人」になっていく女子たちがおそろしく、否応なしに変わっていく自分の身体に抗おうとしていた。そんなとき、コズエがやってきた。コズエはとても変で、とてもきれいで、なんだって「撒く」ことが大好きで、そして、彼女には秘密があった。信じること、与えること、受け入れること、そして変わっていくこと……。これは、誰しもに訪れる「奇跡」の物語。
読み終えての第一印象はなんかぽわ〜んとした不思議な感じがしました。子供の頃の気持ちって覚えてるような でも忘れてしまったような...通って来た道なのでわかるはずなんだろうけど 今はあの頃の自分はいないなぁと思いました。成長するってそういう事だと思うのだけど...
ダ・ヴィンチのインタビューを読んで 西加奈子さんってとても自然な方なのかなぁという印象でした。
〝大事なことは信じること 真に受けること〟
私にとって1番の課題かなぁ...歳を取るにつれて あまり他人を信じることが出来なくなってきている。
私の考え方が凝り固まってきているのだろうけど 無条件に信じるってことが もう身内ぐらいにしか出来ない。
子供のままの気持ちで大人になれれば 世の中ここまで醜い争いなんかはもっと少ないような気もしています。
この本を上の子を育てる前に読めてたら もうちょっと男の子の子育ては違っていたのかなぁと思った。
2人の異性の子育てもほぼほぼ終わりに近づき感じたことは 男の子を育てるのは難しかったということ。
初めての子ということもあっただろうけど 男の子の気持ちがホントわからなくてとても悩みました。
人は顔も体型も考え方もそれぞれ違っていて それでいいんだとそれは素晴らしいことなんだと 猜疑心なく思えたら世の中みな幸せになれるんだろうなぁ...
人との繋がりは難しいことが多いなぁ... -
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挿絵力強い。
テルテル坊主がリアルに効果ありそう。
死に向かってどんどん変化していくことはみんな平等な生き方なんだと純粋に伝わります。
自分のことも知らない人…宇宙人でさえ愛しく思える、今を大切にしたいと優しい気持ちになります。
砂を撒くのは迷惑なのでホースで水を撒いてみました。撒き散らすのは気持ちいいです。
コズエも慧も温泉街の人みんな大好きです。 -
思春期前の男の子目線は熱い!!
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小学高学年を迎えて変わってゆく体と子どものままでいたい気持ちに揺れる慧。
浮気をした父と母を守ろうとする慧の優しさが身に染みる。
宇宙人だというコズエとのやりとり。ドノや類、ミライとの関係のポジティブな変化に救われた。
今はずっと続かない。死に向かって進んでゆく。
その中で何を大切に生きるか、考えさせられた。 -
小さな温泉街に住むぼくのところに、不思議な少女コズエがやってきた。少年から大人に変わろうとしている男の子。
ピュアな気持ちを持つ子供にしかわからないメルヘンの世界がそこにはあるのだろうか。 -
細胞
色々突拍子もないことが起こったけど、
ワクワク読みました。
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不思議な少女コズエと、大人になりたくないボクの小五の夏の物語。
宇宙人だというコズエの言葉は本当なのか、着地点はどこなのかとハテナを抱きつつ読み進めたら、納得の、でも想定外の結末。心に温かいものが残り、まさかの陰陽五行思想の説明にもなっていた、というお得な小説でした。
「いつか死ぬことを運命づけられた、そして自分の体の粒を何かに与えることが出来る、優しい生命体」(p253)として、何をどうまいていこうか。「まく子」が教えてくれたことに、言葉にして届けてくれた西加奈子さんに、感謝。 -
2019.6月。
子どもと大人の間にいる人たちの物語。設定に驚いたけど濃厚だった。戸惑いや恐怖、反抗が私にも確かにあった。それでも受け入れて何とかやってきた。どんな人でも受け入れはできなくても認めること。信じること。 -
本当にへんてこな本ばかり書く人です。勢いと独創性でぐいぐい書き進めている姿が目に浮かぶようです。サルが出てくるのかと思ったら出てこなかったことに一番びっくりしました。
このへんてこさをたまに味わいたくて折に触れて読んでいますが、この本も期待を裏切らない本です。
なんでまく子なのかと思いましたが、なんでも撒く子だからなんですね。これくらいはネタバレにはならないでしょう。
撒くのって楽しかったなあとふと読みながら思い出しました。昔は砂とか種とか、枯れ葉とか水とか撒くときゃあきゃあ言って喜んだ記憶があります。 -
息子ももう少しで同じような気持ちになるんやろなあ
って思ったから息子の日記読んでる気持ちになった!
著者プロフィール
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