はじまりは愛着から 人を信じ、自分を信じる子どもに (福音館の単行本)

著者 :
制作 : 山脇 百合子 
  • 福音館書店
4.30
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本棚登録 : 110
レビュー : 15
  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784834083453

作品紹介・あらすじ

著者は児童精神科医として半世紀以上も臨床に携わり、子どもたちの健やかな心の成長を願い、見守り続けてきました。「感動と意欲の源泉を育てる」「『いい子』に育てないすすめ」「子どものウソについて」「自立に必要な依存と反抗」など、乳児期から思春期までそれぞれの発達段階で、子育てをする際に心にとめておきたいことを、子どもとその家族に向き合ってきた著者が、その経験を踏まえて読者に語りかけます。

感想・レビュー・書評

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  • 171130読了。
    子育てのヒントになると同時に、自分の育てられ方について再度認識するきっかけになった。
    昔は、親から厳しくとっちめられても、兄弟や近所の子どもたちがいて、落ち込んだ気持ちがすぐに軽くなる、自己肯定の場が多くあったのかもしれない。
    でも、今は親子の関係が絶対的で閉鎖的。私も、一人っ子の母子家庭だったから、思い返すと、おおらかに育てなかったところもあったかもしれない。
    今回、初めて自覚できたことは
    「行為について叱り、その子を否定しない」
    という教えのところ。
    私は、たぶん今まで叱られてきたことは、全て自分を否定されていると受け取り続けてきたのだと思った。
    なので、叱られると恐怖の記憶しか残らない。そして自己防衛のために自分の怒りが止まらない。
    そんな思いは子どもにしてほしくないので、自分の育児についてよく考えることができた。
    もうひとつ、
    「『そんなことするのはうちの子じゃない』は言わない」
    これも先のことと共通することだけど、本当に伝えたいこと以外の表現は、しつけの時にはない方がいいのかな、と思うようになった。
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    本書は、こんこんと教えを説かれるような構成になっていて、はじめは具体的なエピソードが想像しづらかった。しかしそのうち、「自分だったらこうやって子どもに声をかけよう」とひとつひとつ考えられるようになった。
    思春期の複雑な子どもの様子が描かれていて「わかるわかる!」と大変参考になった。
    私たち現代の子に足りないもの:それは「根拠のない自信」。私自身にはあるので良かったと思う。「根拠のない自信」は、親に愛されているという自己肯定があるからだと書かれていて、しっかりしつけをするだけでなく、心から子を愛してあげたいと思った。

  • 星を6個あげたいぐらいの本!

  • 叱ることと怒ることについて悩んでいたが、やはり冷静に子供の自尊心を傷つけることなく、悪いことだけを怒り、乳幼児は子供の要求をきくことが大事で今後の生活の仕方のヒントが満載だった。文章も非常に読みやすく、とても参考になると思います。忍耐力を持って、子供を信用して待つことは子育てで重要であり、これを行うには、親がまず心身ともに健康であることが重要だと思いました。根性論ではなく、自分自身も良い状態になるようケアして、子供に接することが重要であると思いました。

  • 良い本。
    これからこどもを産み、育てる全ての方に読んでほしい。
    何度でも繰り返し読みたい。

  • 根拠のない自信、その源泉はなにか。長年にわたるこどもの観察やこどもの話を聞いてきたところから、著者はその大切さと根拠のない自信をはぐくむ環境について述べる。

    こどもを無条件に愛すること、根拠のない自信の源泉はここにある。
    先がどうなるかよくわからないにしても、なんとかなる、どうにかなる、なるようになる… 自分がそう思えるのも根拠のない自信か。親のこどもに対する言動には「条件付き」のときもあった気がするが、程度の問題なのかもしれない。

    この著者の名は、自閉症治療教育プログラム「TEACCH」のあたりで見たことがある。以前に、論文か何かの本の一部かでこの人の書いたものを読んだことがあるような気もする(が、思い出せない)。この本を知ったのも、何がきっかけだったか忘れてしまった。

    「母親」についてずいぶん言及されるところがあり、読んでいてちょっと気になっていたが、もとの連載タイトルが「母子の手帖」だったと巻末の記載で知り、それでかと思う(『暮しの手帖』誌での連載)。

    さしえは、私にとっては『いやいやえん』や『もりのへなそうる』の山脇百合子(一番ユウメイなのは『ぐりとぐら』か)。この著者による福音館の著作『子どもへのまなざし』シリーズにもさしえを描いているらしい。

    著者は、父と同年生まれで、亡くなった年も同じだった。

    (2018/12/10了)

  • 根拠のない自信が大切、という言い方には感心した。そうか、そういうものだよな、と。根拠のない自信なんて言ってしまうと、ちょっとイタイ子かと思えなくもない。でも根拠のある自信との対比でその重要性は理解できる。

    根拠のある自信とは、自分は勉強ができるとか、スポーツができるとか、自信の理由が明確なものである。しかしそれだけなら、自分より勉強やスポーツができる相手と出会った時、その自信はよって立つものを失う。反対に自分より勉強やスポーツが出来ない相手と出会った時、逆に自分の方が価値があると思ってしまう。

    根拠のある自信は、それがなくても自分には価値があるという「根拠のない自信」があってこそ、安定した人格の要素として生きる力になるのだ。そういわれると、根拠のない自信の大切さが、腑に落ちる。

    子育てにおいて、第一に必要なのは全面的に受け入れられることだという。そのあたりの著者の姿勢にぶれはない。

    児童精神科医の経験を交えてのことばは、とてもわかりやすく読みやすく、そして何より優しい気がした。

    佐々木正美氏の本は何冊か読んでいるし、講演も何度も聞いた。亡くなったのは惜しまれるが、年齢から考えると立派な業績を残されたと敬意をもって冥福を祈るべきだろう。

  • 子どもは本来安心できる人にしかおしゃべりできないもの。子供の言うことを何でも頷いて聞くよう心がける。親にとって不都合なことをいっても、それを頭ごなしに否定するような態度をけして取らないように。できるだけ穏やかな表情や言葉遣いで、お母さんはそうは思わない、そういうことは好きではない、と丁寧に伝える。思ったことを素直に話しても叱られたり頭ごなしに否定されないという安心感を持てば自分を信じ人の和に入っていける。
    思考力が豊かということはその人が駆使できる言葉が豊富にあるということ。
    母親がどのような言葉を話しながら日々生活しているかということが子供の言葉遣いに大きな影響を与える。品のない言葉を覚えてきて家庭で試すことがある。そういうのは軽く諌める程度にして聞き流す。そんな言葉遣いはお母さんは嫌いですよという程度にして、あまりとりあう必要はない。テレビとかでお母さんはあんなお話の仕方が好きに と一言添えるなど。
    ゲーム与えてもいい。のめり込みすぎるのは会話不足。会話があればもっと控えるようにといった親の要求が伝えやすくなる。
    ものだけでなく心を満たさせてあげる。無理のないやり方でおすすめなのは、食事(夕食)への配慮がささやかな内容やペースで積み重ねられるとすばてのことが好転していく。子供の好きなメニューをたまに出す。
    ウソは相手や自分が傷つく、不愉快な想いをするのがイヤだからついてしまうものでウソの根源はむしろ美しい心や気持ちからはじまるもの。精一杯うそをついている。うそをついても強く叱らず、ママにはあなたの嘘がわかってるということをできるだけ穏やかに伝える。嘘を叱らなかったといってますます嘘をつくようになるわけではない。
    悪いことをしたときに気持ちよく、ごめんなさいと言える子供に育てることが嘘をつかない子に育てることにつながる。厳しく叱ることがよいしつけにつながるものではない。母親の愛情が穏やかにしっかり伝わるような対応のほうが、こどもの心のうちに叱られるようなことはしないどこうという気持ちが豊かに育つ。自分の気持ちを理解し大切に育ててくれる母親のいうことならきこう、となる。子供が親に何を望んでるか感じ取ろうとすること。また親が自分の気持ちをわかってくれているという手応えや実感をこどもがもつこと。
     非行に走った少年たちの保護者は、子供の自尊心を守るために、自分たちの世間体などを犠牲にするようなことはしなかった(してくれなかった)。と子供たちはいう。
    少年院などの矯正施設をでたあと再犯しないと確信できる場合がある→彼らの心のうちに親を許せる気持ちが芽生えているとき
     こどもを叱らない→強い感情で声を荒立てるのではなく、丁寧に言い聞かせるように、だめなことはだめという。けど大人も感情が高ぶっているので自制するのが実践は難しい。だが子供を育てる場合、その自尊心を傷つけるのは最大限の努力をもって避けなくてはならない。それを自分で認識しておけば、普段から叱るときに必要な配慮や手加減ができる。
     親が承知しておかなければならないのは、正しいことだからと言っていくら叱ってもよいかというとそうではない。いいすぎや叱りすぎは、自尊心を傷つける副作用をもたらす。こどもは、信頼して尊敬できる人からしか学べない。
    しつけ=自律性。できるだけ穏やかに必要に応じて必要なだけそのときどきに繰り返して教え伝える。大事なのは、教えられた子供が納得し、きちんと自主的に実行するのを待っていてやること。そうなるまで手を貸して助けてやること。できるのを 楽しみにしながら、待ってやる。
    成長や発達、あるいはしつけが身につくのを普段からじっと待っていると、それが子供にみにつく。待ってあげる姿勢は、子どもを充分に信頼しているという気持ちを伝えることになり、愛を子どもにもっともわかりやすく伝えることにもなる。
    子育てに成功している家族は家族間の人間関係だけではなく近隣など家庭外の人々との人間関係もまた豊か。ささいなことで過度に怒らないようにするには、夫婦、地域、親類、友人、知己との交わりを深めながら生きるのを心がけるのが大切。
     悪いことを叱り、悪い子だと叱らない。自尊心が傷つくとこどもは自己否定的、相手を否定し軽んじたふるまいが多くなり、よい友達が得られない。
    もし叱り飛ばしたあとに、しまったと思うことがあれば、時間をあまりあけずに、さっきはごめんねと謝ればいい。こちらが素直に謝れば子供も許してくれて、許す気持ちが生まれれば心の傷も残さない。
    腹を立てて叱ったときはクールダウン後に、どうして怒ってしまったのか、反省するのは大事なこと。
    親が子供の話をよくきくこと。楽しい話題を豊かな気持ちでたくさん聞くのはもちろんのこと。悲しい思いを抱いて話そうとすることを母親がゆっくりと時間をかけて耳を傾けることのほうが重要。微笑みながら話の腰を折ることなくじっくりきいて一緒に悲しむ。母親ができること。
    妬みや嫉み、攻撃などの複雑でマイナスな感情は大人になる段階で学んでいく。まず子供には、喜びや悲しみといった健全な感情から育んでやる。

    自分の子供がいじめられたら。いじめは自尊心と自己肯定感を阻害するだけでなくめちゃくちゃに壊してしまう。いじめがなくなるまでその場へは行かないことくらいは当然。その間に勉強が遅れるなどという心配よりいじめられることで失うもののほうが遥かに大きい。
    いじめられてることがわかったら、親はその子の自尊心を守ることに最善をつくす。あなたは我が家の大切な宝なんだと、誇張しすぎるくらいしっかり伝える。間違ってもおまえにすこしはいじめられる責任があるとか、要領の悪いふるまいをするからいじめられるんだという対応をしない。
    いじめっこの家族は家庭内の人間関係が悪い。直接対峙せず学校などの仲介をはさむ。
    児童相談所、保護社会、学童保育に相談。学校休んでも放課後の児童館に通うのも、思いの外よい解決につながる。
    自分の力ではどうにもならないと感じたとき、そのことをできるだけ安心して親に訴えたり援助を求めることできるように平素から習慣づける。こどももどんなに幼くてもプライドがあるから、自分の弱みや引け目を自ら表現しようとは思いません。だからこそ親の日頃の態度がとても大切。
    家庭とは自分が特別であるところ。ありのままの自分が愛されるところ。食事やおやつ、サイズや色合いを考えられた衣服や履物が買い与えられる

  • 佐々木正美さんの本は、いつもいい。
    励まされる。

    私たち母親は、いつも「いい母親でありたい」と思っているのではないかと思う。でも、いい母親って何? と迷い悩むことも多いのではないだろうか。

    とにかく子どもを愛すること(無条件に)。
    生きているだけで「いい子」である。
    ことを忘れずに。

    ともすれば、勉強ができる子であってほしい、スポーツもできるといいな、なんて親の欲望は尽きないが、控えめにしようと反省。

  • 参考になった。子育て頑張ろう!

  • 親にとっての「いい子」を求めない。子供の自尊心を傷付けず、辛抱強く成長を楽しみに待ちながら、子どもの全てを受け入れる。母親を中心に、関わる人全てとの信頼関係を築き、人を好きになることの幸福を感じ取れる人間に育てる。
    根拠のない自信がその子の生きる力になる。逆に根拠のある自信しかない子は、自分より高評価の人に出会うと劣等感を感じ、そうでない人に出会うと優越感を感じて攻撃しかねない。劣等感と優越感を行き来する人生は疲れるだけ。
    今後の子育ての指針にしたいとともに、幼い頃の自分を浄化するための本だった。定期的に読み返したい。

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著者プロフィール

佐々木 正美(ささき まさみ)
1935年8月25日 - 2017年6月28日
群馬県前橋市生まれの児童精神科医で、専門は児童青年精神医学。川崎医療福祉大学特任教授、ノースカロライナ大学医学部精神科非常勤教授。
新潟大学医学部を卒業後、ブリティッシュ・コロンビア大学、小児療育相談センターなどを歴任。自閉症治療教育プログラム「TEACCH」を米国から日本に紹介し、研究を続けてきた。
代表作に『子どもへのまなざし』シリーズがある。主な受賞歴として、糸賀一雄記念賞、保健文化賞、朝日社会福祉賞、エリック・ショプラー生涯業績賞などを受賞。

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