クリスマスがちかづくと (福音館創作童話シリーズ)

著者 :
  • 福音館書店
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本棚登録 : 204
感想 : 20
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  • Amazon.co.jp ・本 (56ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784834083637

作品紹介・あらすじ

セロはクリスマスが大嫌い。クリスマスはいつも、おとうさんもおかあさんも家にいないから。おかあさんはデパートの仕事がいそがしいし、おとうさんもどこかに出かけたまま帰ってこない。10歳になったセロは、おかあさんに思い切ってきいてみました。「どうして、おとうさんはクリスマスがちかづくと、家に帰ってこなくなるの?」おとうさんの驚くような秘密を知って、セロの小さな閉じた世界は開かれ、大きく広がっていきます。

感想・レビュー・書評

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  • 時期はずれもいいところなのですが、最近気になっている、斉藤倫さんの作品だったので、図書館で借りました。

    絵本ですが、割と文字が多めの物語となってます。

    クリスマスに何を求めているのかは、人それぞれ違うという視点から、相手の立場や気持ちを慮り、自分も幸せな気持ちになるという、理想的な物語は、最初、自分だけの幸せで満足していた「セロ」の意識が変わっていく様子も描いており、説得力を感じました。

    また、くりはらたかしさんの絵には、海外の方が描かれたような雰囲気があり、そのレトロで渋めの色合いと独特な構図には、惹きつけられるものがありました。

    特に、くぬぎの下でセロとジュナが出会うシーンや、ガレージの真っ暗闇の奥に見える意外なものの絵柄などには、コンパクトな絵本においても、すごく迫力あるものを感じられました。

  • クリスマスが近づくと、世界じゅうがワクワク、ソワソワ楽しみにするものです。でも、中には、いろんな事情で、クリスマスに悲しみを感じる人もいる。サンタクロース、プレゼント、家族と過ごす温かな時間、そうあるべきだとされることが、心を痛める原因になる。そんなことを考えてしまう本です。
    大切な人が、幸せを感じてくれることを望む、クリスマスがそういう日でありますように。

  • 少年セロのお父さんの仕事はなんと、サンタクロース!
    だから11月頃から忙しくしていて、クリスマスの夜は必ずいないため、セロは寂しくて…
    斉藤凛さんの話は、ユニークで暖かみがあって好き。

  • 「ほしが地上におりたようなかざりつけや、ふゆのしろい息のように、ゆげのたつごちそう。クリスマスがちかづくと、だれしも、むねがおどります。」
    なんと素敵な冒頭!

    クリスマスのお話だけど、落ち着いた色合い。
    お話も落ち着いていて、もうちょっとキラキラがほしいと思ってしまうけど、まぁそういうことじゃないんだろうな。
    子どもたちのために立派な仕事をしていて、でも、自分の子どもにさびしい思いをさせる……。サンタをあっさりやめてしまおうとするお父さん、すごい。

    いいなと思った、サンタクロースのことを語ったジュナのセリフ。
    「かぞくでもないのに、どこかで、だれか、見まもってくれるひとがいる。そうおもえるから」

  • 読み聞かせに選びました。一人の男の子の心の成長の話。やさしい気持ちになれました。
    文字量の多い絵本?童話?でしたが最後まで楽しんで聞いてくれました。

  • 子どもと親とサンタクロースの関係には、個人的に色々と屈折した思いがあり、現在娘のサンタクロースをしていて、それを楽しんでもいるのだけど、何のための嘘なんだろう、この嘘は子どもにとって本当に良いものなんだろうかという疑問もまたある。
    喉元に硬いものがつかえているように。
    が、今作を読んでそれが柔らかくなったように思う。
    完全にはなくならないけれど、ずっと息がしやすくなった。
    ありがとう、良い作品でした。
    絵もとても素敵。
    (サンタクロースはいることが前提のお話なので、大人だけでなく、信じている子どもにも安心して渡せます!)

  • クリスマス前にあちらこちらで目にした絵本。
    ようやく読めた。

    ほしが地上におりたようなかざりつけや、ふゆのしろい息のように、ゆげのたつごちそう。クリスマスがちかづくと、だれしも、むねがおどります。
    ところが、セロはちがいました。

    詩のように選ばれた言葉が印象的。
    ふんわりとした絵もとても良い。
    セロ少年の家族の秘密も、ギョッとするし。
    ただ、そうかやっぱりそうくるか、な展開なのが少し残念。

  • 全部に素敵な挿絵があって、絵本に比べると少し長めのお話だけど読みやすい。
    文章も詩的で、情景がうかんできて、気持ちが動く本。
    誰かが誰かのことを思う気持ち、て大事だよなあと思った。

  • セロはクリスマスが嫌い。
    毎年、お父さんが留守でお母さんはデパートの仕事だから。
    お母さんに聞いたお父さんの秘密の仕事。
    ガレージで出会ったお父さんに泣きついてしまったこと。
    サンタさんがいてほしいなあと思っている友だち。

    〇新しいクリスマスの本だなあと思った。
     誰かのために少しだけがんばる。大人がホロリとくるかも。

  • 10歳のセロの家では、毎年クリスマスになると両親ともに忙しくて一人ぼっちで過ごす。ある日お母さんにグチを言うと、お父さんはサンタクロースなのだと打ち明けてくれる。

    なんともファンタジックなお話だ。子どもの反応を見てみたい。

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著者プロフィール

斉藤倫 詩人。『どろぼうのどろぼん』(福音館書店)で、第48回児童文学者協会新人賞、第64回小学館児童出版文化賞を受賞。おもな作品に『せなか町から、ずっと』『クリスマスがちかづくと』『ぼくがゆびをぱちんとならして、きみがおとなになるまえの詩集』『さいごのゆうれい』(以上福音館書店)、『レディオワン』(光村図書)、『あしたもオカピ』(偕成社)、『新月の子どもたち』(ブロンズ新社)』絵本『とうだい』(絵 小池アミイゴ/福音館書店)、うきまるとの共作で『はるとあき』(絵 吉田尚令/小学館)、『のせのせ せーの!』(絵 くのまり/ブロンズ新社)などがある。

「2022年 『私立探検家学園2』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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