さいごのゆうれい (福音館創作童話シリーズ)

著者 :
  • 福音館書店
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本棚登録 : 147
感想 : 17
  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784834086065

作品紹介・あらすじ

世界中が「かなしみ」や「こうかい」を忘れて、だれもが幸せだった〈大幸福じだい〉と呼ばれた時代があった。そんな時代の夏休み、小五だったぼくは、田舎のおばあちゃんちに預けられた。空港のあるその町で、いわゆる「お盆」の、その最初の日に、ぼくは、ひとりのちいさなゆうれいに出会った。その子はいう。自分が、ゆうれいのさいごのひとりかもしれないと。ゆうれいを救い、世界を取り戻すために、ゆうれいと過ごした四日間。

感想・レビュー・書評

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  • 〈大幸福じだい〉悲しみや後悔がない時代。
    いいじゃない?
    これは、そんな時代が終わり悲しみが戻ってくるまでの物語。

    小5夏お盆、ハジメはおばあちゃんの田舎で最後のゆうれいネムに出会う。
    ゆうれいがいなくなったのは、悲しみを手放したことで、亡くなった大切な人を思い出さなくなったからだという。
    ネムに導かれながら、ハジメと托鉢坊のゲンゾウ、動物保護活動家のミャオ・ター、それぞれが大切な人たちを思い出す。過去の大きな悲しみと共に。そして、ハジメも。

    後悔を伴う悲しみは苦しい。思い出したくない。悲しみは人を壊すこともある。
    そんな辛さを味わっても〈忘れない〉そのことを選択したみんなの気持ちに胸が締め付けられた。

    登場人物や物語展開はユーモアさえ感じられるのに、訴えてくるものが深い。けれどその言葉はどこまでも優しく、美しい。

    西村ツチカさんの挿し絵がまた良い。
    単純に描かれているネムの存在感が曖昧でゆうれいらしく(って見たことないけど)、表情や仕草がなんとも愛らしかった。

  • 斉藤倫さんでこのタイトル、というだけでもう泣かないわけないよね…。
    忘れられない一夏のこと。
    悲しみがなかった頃の、未来の話。
    未来、なのだけど今の現実と繋がってひやりともする。
    けれど、物語を包む(まさにロールキャベツのキャベツのように!)眼差しは温かくて、胸に滲みた。
    挿画もぴったり。

  • カ、カバーの女の子が光っとる(゚A゚;)!?凄い!とまず思う(^^)内容は難しい(--;)これ本当に児童書か?と思うくらいに(._.)「かなしみ」が薬で無くなってしまった世界、ゆうれいも絶滅寸前だという…(゜゜;)そんな世界があれば良いな~とも思うけれど、やっぱり「かなしみ」は必要(T-T)死後にお盆航空を利用したい(^^)

  • 「かなしみ」や「こうかい」は忘れた方が幸せなのか。なんだかのっぺらぼうにみえる。引き受けるから、ずっと抱え続けるから未来があるようにも思う。でもトワイライトみたいにもし知らない間に薄められて消されたら。しかもそれが大切なものだとしたら。ぞっとする。でもこれはない話じゃないように思う。最初の展開はゆったりのんびりしてるのに最後にドラマティックな展開が待っているのは斉藤倫さんの物語の特徴かもしれない。いい意味での裏切りと驚き。

  • 本屋でたくさん並んであって、児童書だし全然知らない人の本だったけど、さいごのゆうれいっていうタイトルと優しい絵に惹かれて衝動買いした。
    かなしみやこうかいがない、大幸福じだい。かなしみが戻ってくるまでの話。
    こういう本は、子どもにも必要だけど、わたしみたいな大人にも、やっぱり必要だなと思った。

  • 高学年向き
    斉藤倫さんの物語って全体的に詩っぽい

    かなしみのない状態って想像したことなかったな〜。

  • 最後の幽霊、悲しみのない世界というテーマや出てくるキャラクターはおもしろい。
    なぜ悲しみがなくなったのかもっと早く教えてほしい。悲しみがない世界というのも漠然としていてリアリティがない。

  • 肝心なことがわからないまま、ぼんやりとラストを迎えるけれど、最後の最後にようやく謎が解ける。
    ハジメのかなしみ。
    ハジメのこうかい。
    優しくて切ない物語。

  • いちばんのかなしみは忘れることかもしれない。
    失ったものが大きすぎるほどに。
    目ではなく、手でせかいをみる。
    そこに“ある”ものをしっかりと感じるために。

  • 大切な人をなくすのは悲しいし苦しい
    でも、悲しくなくなるために忘れてしまうのはいやだな

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著者プロフィール

作 斉藤倫(さいとうりん)
1969年生まれ。詩人。『どろぼうのどろぼん』で、第48回日本児童文学者協会新人賞、第64回小学館児童出版文化賞を受賞。おもな作品に『波うちぎわのシアン』『ぼくがゆびをぱちんとならして、きみがおとなになるまえの詩集』『レディオワン』など。うきまるとの共作絵本として、『はるとあき』『まちがいまちにようこそ』『レミーさんのひきだし』がある。

「2021年 『あしたもオカピ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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