エイラ 地上の旅人(5) マンモスハンター 上

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  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784834251098

感想・レビュー・書評

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  • エイラシリーズの第三部の再開である。ジョンダラーという初めての同種族に出会ったエイラは、今度は初めての同種族の一族に出会う。エイラの目を通して、我々はクロマニヨン人の日常生活を垣間見るだろう。

    亜北極の草原地帯で「マンモスを狩る者」の異名をとるマムトイ族は、空気を送り込むことの出来る炉を作っていた。それで骨をも燃料に使っていた。

    或いは、熱を加えることで縦横に加工して出来た芸術的な穂先。時々にある宴で披露される即興的な歌や、伝説を歌い継ぐ歌詞。或いは花嫁料という制度。毛皮を上手く使ってシチューを作る。香辛料を腸に詰めて肉を料理するなど、既にさまざまな料理のバリエーションが考えられていたのである。

    物語はゆっくりとしか進まない。エイラの目にするものは、全て我々にも驚き以外の何物でもないし、エイラとジョンダラーと黒い肌のラネクとの三角関係は、著者の趣味なのかもしれないが、微に渡り細に渡り描かれているからである。
    2013年10月23日読了

  • 続きがきになる

  • 人ではなく、人々との出会い。
    話す、笑う、歌う、踊るなどなどみんなでしたら楽しい。
    そして人とかかわるうえでの面倒みたいなのもありました。、

  • 第2部の最後で「野生馬の谷」から遠出をした際に出会った人々との交流が描かれる第3部。
    レポの最後に1部,2部のあらすじを書いておいたので、お好みでお読みください。あらすじはネタバレになっているのでご注意を!!

    ネアンデルタール人の氏族に育てられているときですら同族で無いことで差別をされ、そのたびに乗り越えていったエイラは、ジョンダラー以外の新しく出会った同族に受け入れられるかを不安に思う。
    しかし、陽気でマンモスハンターの異名を持つライオン簇(ムラ)の人々はもちろん、ジョンダラーも、馬をてなづけて、しかもその上に乗る者など見たことがなく、魔法のような技を持った女として彼らはエイラを簇に招待する。

    エイラの強みは、美しい容貌、引き締まった肉体、投石や投槍のわざ、氏族の継承される「脳」をもたなかったために苦労して身につけた記憶力、そして何よりも、等しく生きものを癒やす薬師としての技だ。
    エイラ自身は、自分が美しいなどとはみじんも思っていない。受け入れられるかをただただ恐ろしく思う。
    だが、エイラ自身には、皆を惹きつけてやまないものがあった。
    そうした中で、ジョンダラーは、遙か南方の一族との混血であり、浅黒い肌を持った、エイラに関心を向ける男ラネクに、嫉妬の炎を燃やすことになる。

    簇には、エイラの産んだ子と同じ、「平頭との霊の混じった子」ライダクがいた。その子に対し、エイラはひとかたならぬ思いを抱くと共に、そうした子もまた受け入れられ、育てられていることを知る。ライダクは、簇長の妻、ネジーが助け、そして死んでいった「平頭」の産んだ子である。
    そんな環境の中で、エイラは自分の育ちの話をするが、1人、どうしても受け入れようとしない男がいた。

    第3部は、この二つが軸になって語られていくようである。上・中・下と巻数も増え、一つひとつを丁寧に語っていくつもりだろう、今回は大きく進展したこともあるが、解決には至らない。

    自分を思うと、転勤するときは、いつも不安だった。「次のところにイヤな人がいたらどうしよう!!」なんて、めげてばっかりである。
    まして、エイラはほとんど自分と同じ人間に会ったことが無いのだから、想像以上だろう。
    そして、エイラにとって、一生が、愛する人との記憶を差別から守る戦いになっていくことは目に見えているようにも思える。
    自らを卑下すること無く、胸を張って誇り、あるがままを受け入れられる。そんな場所を見つけることができたら、一生手放してはいけない。
    エイラの奮闘が、正しく報われるよう、祈ってやまない。





    幼いエイラは、大地震によって家族を失い、ケーブライオンに殺されかけて瀕死の重傷を負ったところを「平頭」とクロマニヨン人に蔑んで呼ばれるネアンデルタール人の薬師イーザによって命を助けられ、育てられた。しかし、イーザが老齢のため死ぬ。もう一人の守護者であったクレブもまた、地震によって死に、公正公平な族長ブルンも息子に代を譲る。新しく族長となった、エイラを憎んでいるブラウドによって死の呪いを掛けられ、最愛の息子を氏族の元に置いて、同族を探す旅に出た。(第1部)

    野生馬の谷にたどり着き、冬を過ごすためにちょうどよい洞穴を見つけ、様々なものを蓄え、試しつつ暮らし始める。
    支えるものとて無いエイラは、一人で馬を狩る。そのときに、偶然置き去りにされた子馬を友として育て始める。それは、ケーブライオンの子にもおよび、人に会えない寂しさを紛らわせつつも、充実した日々を送ってもいた。
    ある日、ゼランドニー族のジョンダラーが、弟ソノーランと共に野生馬の谷に訪れるが、最愛の妻を失った悲しみを抱えたソノーランは、無謀な行動をし、エイラの育てたケーブライオンの「ベビー」に殺されてしまう。ジョンダラーも瀕死であったところをエイラが通りかかり、ネアンデルタール人のイーザから受け継いだ薬師の技を使い、献身的な介護を行う。
    順調に回復したジョンダラーは、初めて見る美しい女性に恋をし、2人は心を通わせていく。音声言語をほとんど持たない氏族に育てられたエイラに言葉を教える。
    しかし、エイラが、クロマニヨン人たち同族が蔑む「平頭」に育てられ、その間に子どもを産み落としたことを知ると、ジョンダラーは後ずさる。
    エイラは、自分が愛し、愛された人たちを侮辱されたことに怒り、2人の間に亀裂が入る。
    最後には和解して、愛を交わし合う……。(第2部)

    某サイトより転載

  • 異人にはしばりがない。個人の役割がきっかり定められておらず男女の振舞いも氏族ほど厳格でない。それよりも、各人の個性や一番良い結果を出せる方法が重視される。

    亜北極の草原で生きるには潤沢な資源「骨」を燃料として利用すること。

  •  まさかのジョンダラーのダメッ子っぷり。
     完璧なヒーローだと読者に嫌われるからという作戦なのか、と疑ったくらいの豹変だった。

     ハーレクインロマンス風味はまだあるのだけれど、新しい場所での物語がどういう方向に進むのか。
     エイラが美しくすごいという存在になってしまい、この先どうなるのか、いろんな意味で気になる。そんな苦労しなくても、とも思うんだけど、全6部のヒロイン……なんだよね? きっと。

  • H23.7.25

  • 「野生馬の谷」の続編。

    前作よりはよかった。今作は、恋の三角関係を軸とした内容。

  • ジョンダラーと共にマムトイ族の村についたエイラ。一族の人たちに受け入れられてきて、マムトイ族にならないかと誘われてエイラはそれを受けることにするが、村人のひとりフレベクは反対する。ここでこの巻はおわり。だいたいエイラの行くところにはエイラに対して反感を持つ人がいるのね...。

  • 読みます。おもしろそうですね。
    けど、予想以上に厚いので時間をください。

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