- Amazon.co.jp ・本 (456ページ)
- / ISBN・EAN: 9784834251159
作品紹介・あらすじ
見知らぬ異郷で、生まれてくるわが子と…。最後の幸せにエイラはすべてをかける!世界3,500万のエイラファンが待ち望んだ、感動の第五部!本邦初訳。
感想・レビュー・書評
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長い旅が終わりを迎えてついにゼランドニー族の洞へ。
ジョンダラーがマムトイ族のところにいた時に危惧していたような事は起こらず。
母親にも昔の女にも素晴らしいって思われる相手を連れて来れて良かったねジョンダラーって思いました。
嫌がらせ…女の恨み怖い…詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
第5部「故郷の岩屋」はじめから数えて11さつめ。
遠い遠い旅路だった。第4部の最後で見えたゼランドニー族の洞穴に到着したのは、マムトイ族の集いの場所から旅立って一年、ジョンダラーにとっては5年の時を経ていた。
ゼランドニー族の住まいは、第4部「平原の旅・上」にも書いたとおり、フランスの南部にある。古代史に詳しい方ならご存じだろう、フランスには多くの壁画が残されている。
洞穴の中の馬などの動物たち。その場所として描かれているのが今回の舞台だ。
不安を抱きながらもエイラは到着し、ジョンダラーの家族に暖かく受け入れられる。辛くとも、かけがえのない人に出会い、強靱な精神と肉体、知識と技を磨き上げた幼少期、それを基礎として工夫を加えた青年期、そして、出会いと別れをくり返し、人とのふれあいと自らの役割を自覚しつつある成年期、と、たゆまぬ努力と共に成長してきたエイラ。
エイラのトーテム(守護精霊。氏族(ネアンデルタール人)がいう呼び方)はケーブライオンであり、強いトーテムを持つことは、すなわち乗り越えるべき試練の多さを示し、乗り越えた後、それだけのものを手にすることができる。それは、エイラの生き方そのものであった。
それと同質で、これまでのエイラの試練は、自然の驚異に抗するものであったり、人の仕業だとしても、あきらかに対立があり、姑息な手段でのものはなかった。
しかし、今回は、これまでのいっそ清々しいほどの悪役としてではなく、「イジワル」と形容すべき、何ともこの壮大なスケールの物語にふさわしくないような嫌がらせをされる。
壁画が示すとおり、ここには豊かな生活がある。つまり、人が多い。
別の部族でも部族集会にあたるような、ほとんどすべての同族が集まるような集会の日にはさすがに多くの人が集まるが、このゼランドニー族の洞穴には、常時200人以上の人が暮らしている。
当時としては驚異的な人数で、さすがにこの数ともなれば、多少のいじけた精神のイヤなやつはいるものである。そうした多様さをもこの地では登場させ、これまでのどの話よりも、人間関係について語られていくことになるのではないかと、そんな気がしてくる。
ともかく、これまで、意地悪の比ではない、数々の困難に立ち向かってきたエイラは、それを躱すだけではなく、しっぺ返しまでやってのけている。自分の誇りに賭けて。
ジョンダラーの子を身ごもった身体で、多くの不安はあるだろうが、不本意な屈服をしないだけの自信もまた、エイラには備わっていた。
今回は、重要な出会いがある。ジョンダラーの初恋の人、ゾレナだ。ゼランドニー族のゼランドニー、彼らの中の呪術的・精神的よりどころの中心の地位にある彼女は、はじめはエイラに驚嘆する姿を見せつつも、唯一エイラに対抗する存在と言えるのだろう。
癒やしの技と女神の御技について、唯一話ができる人物でもある。この出会いがどう展開していくか楽しみである。
某サイトより転載 -
石を並べ、積んでいく・・・石の家?!
室内は衝立(木枠と皮)で仕切られ、衝立の内側には動物やしるし等の図案が描かれる
氏族の女性が襲われることよりも、同族(異人)の女性が襲われる方により、憤慨する・・・襲ったのが氏族の男で襲われたのが異人の女だったら、、、、黒人と白人の話のようだ
氏族の笑い=うれしさではない、不安や恐怖、威嚇を表す表情
笑い;気持ちの良い素敵なものもあれば、人を小ばかにする冷笑もある
石灰岩を焼いて生石灰にする・・・消臭効果
多くの人間がひとつところで暮らす場合には、食べ物の貯蔵であれ排泄物の処理であれ、住民全員の努力と協力が必要な仕事もでてくるのだ
動物なら殺しても構わない・・・自分たちの祖先が人間を殺して住まいを横取りした、とは信じたくない・・・・氏族=動物と思い込むことで折り合いをつけた
太古の氏族は芸術を作らなかった・・・氏族は装飾の初期段階(死者に色をつける、特別な目的のため体を傷つけたり色をつけたりする)・・・芸術を作る行為は抽象化能力のあかし・・・音→言葉→言語→文字
霊を召還するために、氏族とゼランドニー族は同じ方法(うなり板)を使った -
H23.9.3
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もっとトラブルありの盛り上がりを期待していたのだが、いたって平凡な生活に馴染んでいく様が描かれている。
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出版社が違うため、「大地の子エイラ」という名前で第1部を読んだのが中学3年生。
35歳の今、第5部を読み終わりました。
なんて面白い話しなんだろう。
一部官能小説のような部分もあるけど、エイラとジョンダラーの愛が伝わるからところどころ感動して、胸がいっぱいになりました。
また一部から読み直そうかなあ。
早く第6部が読みたいな。 -
ゼランドニー族の洞に到着したエイラ達。この巻では、ゼランドニーの洞についての描写と人との会話が多いので読みやすかったです。ゼランドニー族の洞のモデルは、ラスコー洞窟だそうです。実際の遺跡を著者は研究してなるべく矛盾がないように書いたそうです。ラスコー遺跡にいってみたくなりました。
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ただいま11冊目。日々精読中。
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シリーズ最終作。
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読み始めると、眠れないよ。