なくしたものたちの国

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レビュー : 114
  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784834251661

感想・レビュー・書評

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  • こどものころ持っていてなくしたものの多さをおもう。でも持ち続けては生きてはいけないともおもう。

  • なくしてしまった物(者)たちは、一体どこに行ってしまったんだろう? というのがテーマの小説。
    このお話の「なくしたもの」の範囲は非常に広い。
    あれ?あれはそういえばどこに行ったのかな?という物であったり、亡くしてしまった人であったり。
    幼い頃大切にしていたはずの「物」は、その物自体がなくなっても記憶の中にちゃんと残る。
    亡くなった人はどうなんだろう?

    今、私がここにいるのも、夫と出会って結婚したのも、子供たちがうちの家庭に誕生したのも、いつからか大きなつながりがあったからに違いない。
    すべてのものがつながってここに存在するに違いない。
    そう思える作品だった。

    何かをなくした(誰かを亡くした)人に読んでほしい素敵な一冊だった。

  • おとなへの絵本。
    贈りたくなる本。

    なくしたものたちは、なくしたものたちで集まっているなら。
    なくしていっても、そうなっているなら。

    こわくないなぁ。

  • 【No.33】「きっとなつかしくなるね。ここに通ったこと。今日のこと。たのしかったことも、かなしかったことも、みんな、なつかしくなるね」「なくなったのに気づかないものってたくさんある。昔の写真を見るとすごくよくわかるよ。ぬいぐるみとか、帽子とか。ああ、これ好きだった、とか、これ持っていた、とかいうものがたくさん写ってる。でも、そういうの、今は何ひとつないんだよ」「なくしたものたちの国っていうのがあるんじゃないかな。あれ、見あたらないってものはみんな、消えるんじゃなくて、そこに移動してるんだ」「なんていうか、感情みたいなものは残っていないんだ、だからなつかしいというのとは違う。でも会えば、自分のこの、やけにくっきりした記憶がほんとうかどうか、わかるとは思っていた」「あのとき言えなかったから、今、言うわ。大丈夫よ。違う場所にいくことは、こわいことでもかなしいことでもないの。だから大丈夫」「あの人を奪いたいくらい好きとか、あのひとと暮らせないなら死んじゃうとか、そんなふうにも思ってないんだよ。だけどね、なんだろう、顔が見たい。見るだけでいい。話ができればもっとうれしいけど、できなくてもいい、見ることができれば」「自分が好きだと思うのとおなじだけを、相手がかえしてくれなくて、あるいはかえしてくれているようには思えなくて、それで、どんどんどんどん、好きが吸い取られていって、気づいたらとんでもないくらいの好きになっているんじゃないかな」「そうか、みんな、なくなってなんかいなかったんだ。ここに、このわたしだけの部屋に、移動しただけだったんだ。ここでわたしを待っててくれていたんだ。ああ、このことを知っていたら、わたしはあのとき、あんなに泣かなかっただろうに。いつか、教えてあげることができればいい。ひとりぼっちでうつむいて、静かになみだをこぼしているわたしに、いつか」

  • 私も、長くはない人生の中で沢山の物をなくしてしまった。でも、なくしたものにいつかまた会えるといい。ものだけじゃなく、なくしてしまったり忘れてしまった一瞬の気持ちにも。その気持ちは、その一瞬では辛く苦しいものでも、いつか再会した時には「よく頑張った」と言ってあげられるだろうから。いつかその気持ちと再会した時にそう言ってあげられるような人生を送りたい。

  • 「なくしたものたちの国っていうのがあるんじゃないかな [...]あれ、見あたらないってものはみんな、消えるんじゃなくて、そこに移動してるんだ。そこにいけば [...] きっとあるし、きっといる」(55 ページ)

    人は一生の中で、さまざまな人や物や出来事と
    出会い、忘れていく。

    忘れないようにしようと、忘れませんように、
    と強く願ってしまうこともあるけれど、

    忘れていたって、どしたって出会ってしまい、
    出会えばまた、どうしたって愛してしまう。

    なくしたものたちの国があるのだから、
    また出会えるし、安心できる。

  • この本を読んでいて小さいころ家にあったうさぎの二体のぬいぐるみを思い出した。色違いの服を着ていたその双子のうさぎたちはいつのまにどこへ行ってしまったんだろう。私のそれもなくしたものたちの国にあるといいな。

  • 2018年3月18日紹介されました!

  • きらいなのではないけど敬遠しがちな角田光代。松尾たいこの絵見たさに借りてきた。好きなのは2話目の猫のミケの話。他のはちょっとこわい。

  • 大切な人を亡くした後、手に取った本です。
    今の私が、読むべくして読んだ物語かもしれないなーと、大袈裟だけど、そう思った。

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著者プロフィール

角田光代(かくた みつよ)
1967年、神奈川県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。
1990年、「幸福な遊戯」で海燕新人文学賞を受賞し、小説家としてデビュー。受賞歴として、1996年『まどろむ夜のUFO』で野間文芸新人賞を皮切りに、2005年『対岸の彼女』で第132回直木三十五賞、2007年『八日目の蝉』で中央公論文芸賞、2011年『ツリーハウス』で第22回伊藤整文学賞、2012年『紙の月』で第25回柴田錬三郎賞、同年『かなたの子』で第40回泉鏡花文学賞、2014年『私のなかの彼女』で第2回河合隼雄物語賞をそれぞれ受賞している。
現在、小説現代長編新人賞、すばる文学賞、山本周五郎賞、川端康成文学賞、松本清張賞の選考委員を務める。
代表作に『キッドナップ・ツアー』、『対岸の彼女』、『八日目の蝉』、『紙の月』がある。メディア化作も数多い。西原理恵子の自宅で生まれた猫、「トト」との日記ブログ、「トトほほ日記」が人気。

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