傷つく人、傷つける人

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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784834251920

作品紹介・あらすじ

長年カウンセリングの現場に立ち、母娘の関係を読み解いたベストセラーを持つ著者が、「傷つく」という言葉をキーワードに、家族、友人、職場などの、さまざまな人間関係にひそむ問題と、その対処法を探る。

感想・レビュー・書評

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  • 気づきがたくさんあって面白かった。付箋を貼って何度も読み返した。
    ・よい人間関係を築くコツは、自分を否定しない友人、仲間をどれくらいたくさん作るかがわかれ道。
    ・いじめについて、卑屈になったら相手の思うツボなので、余計取り込まれる。どんなに怖くても、頑張って堂々としているキャラを演じる。
    ・自己評価が低いと言う訴えは、誰がこんな私を褒めて肯定してほしい、受け止めてほしい、と切望しているということ。
    ・傷つけた人が全部悪いと考えること。

  • 信田さよ子氏は空気を読めない人を「発達障害」とラベリングすることに距離を置いている。
    正しい見解だ。
    信田さよ子氏は、親から虐待されて育つと、空気を読めない傾向が強くなる、ということだ。

    本書は、自己を不当に評価すると認知が歪むと述べ、では自己肯定感を持てばよいというとそうではない。
    自己肯定感とは、頑張りの肯定でしかないからだ、と述べる。

    私は本書の読後感、言い知れぬ解放を感じた。

    あなたを困らせているのはその「病気」や「精神疾患」や「発達障害」ではない。

    困らせているのは、あなたを「傷つける人」なのだ。

    そのことに、気づかされる重要な本である。

  • なぜ傷つけるのか、傷つくことをどうとらえたらよいのか、傷つくことが必要なのか。虐待、DV、いじめ等の例を交え両者をカウンセラーの視点から考えていくという本。常識は時に被害者に追い打ちをかけ、加害者の側に立つ事があるというのが印象的。また、傷ついた時にはアクションが取れず茫然としてしまう、近しい人間から傷つけられたと認識するには何年もの時間がかかるなど、そうだよなぁと思う事が多く書かれている。目新しい事が書かれているわけではないが、改めて「傷つく」と向かい合う時に見落としている何かに気付ける一冊。お勧め。

  • 他の作品より、冷静になった気がします。先生の本の中では一番好きかも。この内容を多くの人が理解する世の中だといいなぁ。きっと、傷つく人は減るはず。

  • フェミニズムの洗礼を受けた心理学は面白い。信田さんの著作の魅力はそこにある。少し上品になったような気もする(昔はもっと切れ味が良かった)「大切なことは「傷ついた」ことを認め、そこから抜け出すために、他者とつながりを活用すること」そして、自分へのこだわりを持つなら手軽な答えで落ち着かずトコトンこだわればいい。そのためにはまず読書だ。という信田さん。傷ついたり傷つけられたりすることは生きている中では避けられない。その傷をどう昇華するのか。傷について考える一冊。

  • 傷つく人と傷つける人とは表裏一体だ。誰でもどちらにもなる。そのことに自覚的でないことが、一番の問題であるように思う。私達はほとんどが心の傷の扱い方を知らずに生きている。自分の傷つきも他人の傷つきも大事にできたら、誰もが優しく生きられる。

  • 自分は人を傷つけていないだろうか?
    傷ついたことはあるが、相手のせいと考えて良いかは疑問である。確かに、相手が悪いと思えば楽になるかもしれないが、総てがそれで良いとは思えない。ち、傷つき方によってや弱い人(どういう人が弱いかは判断が難しい)には良いかもしれない。

  • 長年カウンセリングをしている著者が、知見をまとめたモノ。参考になった。

    ただ、読んでいて論理が飛躍している部分やもっと説得力を出せそうな部分もあると思ったが、著者が当初伝えたいであろうことは分かるので、そこは尊重することにした。

    傷つけられ悲惨な人生を歩んでいる人は一定数おり、貧しくなるとその割合は増えていく。

    同時期に、「モラル・ハラスメント」や別の精神分析本を読んだが、予期したほどは重複していない。まだどんな位置づけにしていいかは定まっていない。

  • 2014/8/8 2回目

    傷つける人の特徴 他者への気持ちのセンサー(対人センサー)はほとんど働かないのに、自分の気持ちへのセンサー(対自センサー)だけはひどく敏感

    DV 男の嫉妬が絡む問題のひとつ

    自分より下位にいるはずの妻が、夫としての地位を脅かすのではと予感される時に、おびえを感じて妻を殴る

  • 146.8

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著者プロフィール

公認心理師・臨床心理士、原宿カウンセリングセンター顧問、公益社団法人日本公認心理師協会会長。1946年生まれ。お茶の水女子大学大学院修士課程修了。駒木野病院勤務、嗜癖問題臨床研究所付属原宿相談室室長を経て、1995年原宿カウンセリングセンターを設立。アルコール依存症、摂食障害、ひきこもりに悩む人やその家族、ドメスティック・バイオレンス、児童虐待、性暴力、各種ハラスメントの加害者・被害者へのカウンセリングを行ってきた。著書に、『母が重くてたまらない』『さよなら、お母さん』『家族のゆくえは金しだい』(いずれも春秋社)、『カウンセラーは何を見ているか』(医学書院)、『アダルト・チルドレン』(学芸みらい社)、『家族と国家は共謀する』(角川新書)、『タフラブ 絆を手放す生き方』(dZERO)、『共依存』(朝日文庫)などがある。

「2023年 『家族と厄災』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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