夢の猫本屋ができるまで Cat’s Meow Books

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  • Amazon.co.jp ・本 (260ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784834253207

作品紹介・あらすじ

日本初「保護猫がいる猫本専門店」として、TVや各メディアにひっぱりだこの本屋Cat's Meow Books。会社員をしながらパラレルキャリアで夢を叶えるノウハウ満載。猫と本の未来を明るくする本屋開業物語。

感想・レビュー・書評

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  • 『街灯りとしての本屋』に登場した、世田谷の「Cat's Meow Books」。
    その企画・発案から誕生までを、井上美津子さんのインタビュー記事で語る。

    井上さんと言うと『葬送の仕事師』と『すごい古書店 変な図書館』の著者。
    かたやハードなルポもので、かたや軽いフットワークで綿密に書き上げたもの。
    さて、こちらは?と、まるでちょっとした追っかけのような気分で読んでみた。

    まぁこれが、面白いこと。
    このところ読んできた本が、様々に繋がっていく。
    自宅で保護猫を飼っていた店主の安村さんは、「猫の本屋」を開こうと考え出した時から、話題の本屋さんの主が登壇する講座に参加している。
    その講座というのが、「本屋入門」と「これからの本屋講座」。
    この後一気にプランが進んだという。
    「本屋入門」とは、『街灯りとしての本屋』の書き手である「双子のライオン堂」内での連続講座。そしてもうひとつの「これからの本屋講座」は、『これからの本屋読本』の著者である内沼晋太郎さんの主催する講座だ。
    内沼さんのお名前は何度も相談相手として、また貴重な助言を下さる方として登場する。

    つい嬉しくなってしまったのは、「Cat's Meow Books」の商標登録が、ナカムラクニオさんのイラストロゴだということ。ナカムラさんは『世界の本屋さんめぐり』の著者。
    なんて偶然。まるで親しい身内に出会ったかのように、終始ニヤニヤ笑いが止まらなかった。
    ナカムラクニオさんは、「Cat's Meow Books」のブックカバーや包装紙、レシートや看板、安村さんの名刺にもそのイラストロゴを入れているらしい。

    三郎という猫の店長、あとの4猫は店員。猫カフェではないと言う。
    とても人懐こくておもてなし上手な猫たちだが、あくまでもマイペース。
    「本屋に入ったらたまたま猫がいた」くらいの認識で自然に振る舞うのが良いのだろう。
    会社員を続けながら「Cat's Meow Books」の運営もしている安村さんは、お店での収益はすべて保護猫の活動にあてているらしい。
    安村さんのお店にいる子たちは、みんな保護猫たち。
    お客さんは、保護猫とはどういうものか、何が必要かを学ぶことにもなるだろう。

    そのお金の話も赤裸々に語られている。(まぁ井上さんが質問するからだけど・笑)
    収支が表になって載せられてるから、とても参考になる。
    開業にこぎつけるまでの資金とクラウドファンディング。
    猫がいる本屋のための特殊なリノベーションは、読んでいてワクワクしてくる。
    およそ飼い主さんだったら、誰もが考えそうなことだらけだ。

    そして吉村さんの最大の強みは、猫が好き&本が好きだけでなく、ビブリオバトルの実力者だったということ。「知的書評合戦」とも言えるビブリオバトルでの底力が、開業への布石となっていたのは間違いないだろう。私も参加したことがあるが、かなりスリリングで面白い。

    猫の本屋だけに、猫の写真だらけ。それだけでもニヤついてしまう。
    こう言っちゃなんだけど、インタビュー記事がなかなか頭に入らなくて・笑
    「Cat's Meow Books」が、街灯りとして輝き続けてくれますように。

    • やまさん
      各位
      こんにちは。
      1月最後に読んだ本は、「新・浪人若さま 新見左近【四】-桜田の悪 (双葉文庫) 」です。
      見つけ方は、私のページの...
      各位
      こんにちは。
      1月最後に読んだ本は、「新・浪人若さま 新見左近【四】-桜田の悪 (双葉文庫) 」です。
      見つけ方は、私のページの「読書グラフ」の2020.01をクリックして、1月、本、27(冊)をクリックして、一番最後までもって行くと最後に読んだ本の所に行き当たります。
      やま
      2020/02/23
    • nejidonさん
      やまさん、こんにちは(^^♪
      コメントありがとうございます!
      それはそれは、新しい試みのスタートですね。
      毎月ベスト3を選べるくらいの...
      やまさん、こんにちは(^^♪
      コメントありがとうございます!
      それはそれは、新しい試みのスタートですね。
      毎月ベスト3を選べるくらいの、読書量がそもそもすごいことです。
      正直、読書どころじゃないわ!という日の方が多いワタクシです・笑
      早くブク友さんたちのように、のんびり・ゆったり読書三昧できるようになりたいです。
      では後ほどお邪魔しますね。

      2020/02/23
    • AYUMUさん
      nejidonさん
      いつも素敵な感想ありがとうございます!
      よい本に出会えました。ありがとうございます!これからも拝読させていただきますね。...
      nejidonさん
      いつも素敵な感想ありがとうございます!
      よい本に出会えました。ありがとうございます!これからも拝読させていただきますね。これからもよろしくお願いいたします♪
      2020/03/15
  • 三軒茶屋にある猫とビールのある本屋 Cat’s Meow Books
    この本屋ができるまでをインタビューして書籍にしたもの。

    開店前から気になっていた本屋さんだったので、この本もいつか読もうと思っていましたが、ブク友さんがレビューを書かれていて、ふと図書館で予約して読んでみました。

    本屋さんを開店されるまでのストーリーがあり、色々なことが知れてすごく面白かったです。
    著者は、犬派で本屋をテーマにした執筆が多いそうなのですが、書店の流通についても詳しく書かれてありましたし、犬派の猫派の人ってそういうものなの??という素直な感想がとても楽しかったです。

    平日は会社員をされていて、副業ならぬ、パラレルキャリアとして本屋さんを営まれていることにも興味を覚えました。
    安村さんのようなキャリアを持つ人でも、仕事に対してもやっとした気持ちを持つのだなと、自分も仕事をどのように捉えていくか悩んでいるので、参考になりました。

    猫本に囲まれて、お茶がしたい。。と最近、叫びたくなるくらい思っていたので来月あたりのお休みに三軒茶屋に行ってみようと思います。

    店主の安村さんがビブリオバトルの覇者ということで、ビブリオバトルについても知ることができてよかったです。

    • nejidonさん
      AYUMUさん、こんにちは(^^♪
      この本を読まれたことと、コメントを下さったことに感謝でいっぱいです!
      とても嬉しいです。ありがとうご...
      AYUMUさん、こんにちは(^^♪
      この本を読まれたことと、コメントを下さったことに感謝でいっぱいです!
      とても嬉しいです。ありがとうございます(*^_^*)
      レビューを読んで、もう一度楽しさを思い出しました。
      ぜひぜひこちらのお店に行かれますように。
      そのお話も聞きたいです。
      私のところからそんなに離れていないのですよ。綺麗で可愛いお店ですよ!
      これからも、興味深い本に出会いましたら教えてくださいね。
      またどうぞよろしくです。
      2020/03/15
  • 「保護猫が店員」の猫本専門の本屋さん。
    行ってみたい!

    閉店する本屋が増えている中で、
    「本×○○」のユニークなお店が増えるのは楽しい。

    ビジネスと趣味と社会貢献を並行するのは、
    なかなか難しいと思う。

    たくさんの出会いとつながりがあり、
    素晴らしい本屋になった。

    「めがねこ」ぜひ読みたい!

    本好きは猫好きが多い気がする。
    文豪も猫を飼っている人が多いし。

    ナカムラクニオ著「猫思考」がおもしろい。

    猫は、媚びない。
    猫は、他人(猫)と比べない。
    猫は、我が道を行く。
    猫は、孤独を愛する。
    猫は、自分の感性を信じる。
    猫は、ポジティブ思考。
    猫は、群れない。
    猫は、名誉なんて気にしない。
    猫は、まったり日向ぼっこをすることに罪悪感を感じない。

    愛猫6匹を眺めながら、猫になりた~い、といつも考える。

  • SNSで見かけて、行ってみたい!と思っていた猫本屋さん「キャッツミャウブックス」が出来るまでの話。

    店内には保護猫の猫店員さん、扱っているのは猫に関係する本のみ、新刊も古本も扱う、コーヒーやビールも飲める…などなど私には魅力しかない場所。売上の一部は保護猫活動団体に寄付される仕組み。

    企画段階から、どうやって現実にしてきたのか、オープンしてからの色々、まで包み隠さず(収支まで!)書いてあって面白かった。
    パラレルキャリアとして本屋さんをやってみたい人にはとても参考になると思う。
    私も益々行ってみたくなった!

  • 夢を叶えるには
    まずは声に出して宣言する
    簡単なようでこれが一番難しい
    でも想いはもっているだけでは何も考えていないのと同じ
    猫のために何ができるのか
    足し算ではなく掛け算の人生を私も歩いてみたいと思った

  • 素敵な本でした。「本×猫」の本屋を開きたいというスタートから、様々な課題を乗り越え、そして猫が繋いでくれた縁もあり「キャッツミャウブックス」を開店させる事ができた店主の安村さん。その安村さんを近くで見てきた著者の井上理津子さんの本です。

    感想を簡単にまとめるなら3つ。
    ①お店を開くのは(経営も)、想像よりも大変なんだなー(近所の本屋さん頑張ってー!←心の声)②やっぱり猫は人と人を結び付けてくれるんだなぁ…(しみじみ。。)③大変そうだけど羨ましい!(自分の働き方も顧みました…)

    です。人生=猫と言っていいほど猫好きなので、いつかお店に伺いたいなと思いました。本のなかで紹介されていた本も読んでみたいと思います。






  • 猫が店主の本屋!? と、オープン当時、メディアで取り上げられていたのを見ていて、印象に残っていた本屋さん。

    気になるなと思いつつも、自分の行動エリアの範囲からは少し遠いのもあり、今回本があることを知って読んでみることに。

    ”いい”ことだけでなく、楽しいこともないとなかなか続きづらいし、人を巻き込むエネルギーにはなりづらい。でも、安村さんのキャッツミャウブックスは、「猫と本屋が助け合う関係」をコンセプトに、元保護猫に店員として活躍してもらう代わりに、売上の10%を猫の保護活動に寄付し、猫と人が幸せになれる関係を模索している。

    このあり方が、すごく素敵なことだと思う。

  • TVで見たことがあった猫本屋さんの開店記。ぼんやりした夢が形になって滑り出していく過程が近しくてでも第三者的な記者目線で綴られていく。

    ・良かった点
    書くプロの文章なので、時系列とか焦点とかスッキリして大変読みやすい。あとTVでは(当然)ふんわり夢叶えました〜ぽく編んであったけど、本は運営のお金やトラブルやらまで書き込まれててああやっぱ大変でだからこそ店が宝物なんだなあと思った。あと作中で紹介された本を読んだら良かったのも得した気分。

    ・無理かなぁと思う所
    パラレルキャリアで行こうと思うと自分の休みが取れなそうな所。最初軌道に乗せるまでが踏ん張り時なのはもちろん分かるし、好きでそんなの苦にならないんだろうけど、根がぐうたらなので安易に真似できないなぁと。夫婦で協力体制とはいえすごいよ本当。

    総評
    思う所色々あって面白かったです。こういうネットにはできない本屋近くにあったら楽しいだろうなあと思う。

  • 本×猫×ビール=Cat's Meaw Books キャッツミャウブックス

    ビブリオバトルが好きな会社員が
    《猫の本ばかり新刊も古本も扱い、ビールが飲めて、猫が店番をする本屋》
    を構想して“パラレルキャリア”で開店し、軌道に乗せるまでの記録

    店番するのは保護猫で、収益の一部は保護猫団体に寄付
    クラウドファンディングで資金を集め、世田谷の住宅地の一角に出店
    試行錯誤しながらもオープン6か月で営業損益約29万円

    そんな前代未聞の《猫が本屋を助け、本屋が猫を助ける》猫本屋を犬派のフリーライターが取材してまとめた、本と本屋と猫を愛するすべての人に贈る夢の本

    ただの起業ノウハウ本として読むのはいかにももったいない

  • 平日は会社員、週末は猫の本屋さん。キチンと計画を立てて自分の夢を実現した人の話。夢を明確に持っている人の強さに引き込まれます

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著者プロフィール

井上 理津子(いのうえ・りつこ):ノンフィクションライター。1955年奈良県生まれ。タウン誌記者を経てフリーに。主な著書に『さいごの色街 飛田』『葬送の仕事師たち』『親を送る』『葬送のお仕事』『医療現場は地獄の戦場だった!』『師弟百景』など多数。人物ルポや食、性、死など人々の生活に密着したことをテーマにした作品が多い。

「2024年 『絶滅危惧個人商店』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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