- Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
- / ISBN・EAN: 9784834253252
作品紹介・あらすじ
「いい食べもの」はもうたくさん!
気高き毒気が冴えわたる、異色の食エッセイ
WEB連載中からじわじわファンを増やし続けた話題作が、ついに書籍化!
幼少期をアフリカで過ごし、デビュー作『魚神』が小説すばる新人賞と泉鏡花文学賞をダブル受賞。『男ともだち』でも高い評価を得るなど文芸界のフロントを駆ける作家が、「食」をテーマに幼少期の記憶から創作の裏側、世の中への疑問まで多彩につづる初のエッセイ集。
「いい食べもの」情報が氾濫する今だからこそ、「わるい」を追求することで食の奥深さを味わい、ひいては生き方そのものを問う意欲作。
【内容紹介】
●アフリカ時代に経験した、米とアイデンティティの関係性…「おかかごはん」
●お洒落カフェで体にいいメニューを選んだら「鳥の餌」になった話…「『いい』食べもの」
●映画『グラディエーター』における衝撃の食シーン…「パンを投げる」
●食い尽くすはずが「食われた」、尾道の思い出…「ひとり旅」 etc.
【各氏絶賛!!】
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チハヤは、見た目こそお洒落さんだが、中身は偏屈なジジイだ。
彼女が自分を基準に普通だと思っていることは、たいがいおかしい。
そんなチハヤがあるとき真顔で、
「エッセイってどう書くのかわからなくて……」と言った。
何を言ってるんだ、こんな凄いものを書いておいて。
千早茜はやっぱりおかしい。――作家・村山由佳
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ユーモラスな毒と愛を持って綴られた食べ物たちは、
驚くほど魅惑的だ。
千早茜さんのエッセイは、日常的な食事さえも、
特別な一口に変えてしまう。――作家・島本理生
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【著者プロフィール】
千早 茜(ちはや・あかね)
1979年北海道生まれ。小学生時代の大半をアフリカで過ごす。立命館大学文学部卒業。
2008年「魚神」で小説すばる新人賞を受賞しデビュー。同作で泉鏡花文学賞受賞。
2013年『あとかた』で島清恋愛文学賞受賞、直木賞候補。2014年『男ともだち』が直木賞候補、吉川英治文学新人賞候補となる。
近著に『人形たちの白昼夢』『クローゼット』『正しい女たち』など、共著に『犬も食わない』がある。本書が初のエッセイ集となる。
感想・レビュー・書評
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「殻を割り、白身と黄身をかき混ぜて、熱を加えて凝固させてしまえば、卵の中に宿ったなにかは死ぬと思っていた。」
千早茜さんの食に関するエッセイ集。
千早さんのTwitterの投稿はいつも美味しそうでお腹の空く写真がたくさん上げられているので、食べるのが好きな私はよく見ていました。
食べることが好きなことは知っていましたが、想像以上のこだわりっぷり笑笑
幼い頃から食に対して様々な感情を抱いていたのだなと感心しました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
千早茜さんの食べ物エッセイ。
千早さんは写真を見る限り、華奢な方なのに、とにかく食べる量がものすごい。
食へのこだわりもはっきりしていてブレない。そしてそれが「美食家」というわけではないところがとてもよい。
言葉の選び方も丁寧で的確で、どの章にも心をぎゅっと掴まれる表現が必ず出てくる。
千早さんの本を読み出したのはごく最近で、エッセイばかり読んでいるので、小説も今後手を出していきたい。 -
小説も好きだけどこのエッセイ読んで、千早さん自体がめっちゃ好きになってしまった\♡/"
なかなかの暴食!笑
気持ちいい食べっぷりです♬
たとえ、なんの栄養にもならなくても美味だけのために口に入れる。
お酒、お茶、お菓子、そういった嗜好品を愛する千早さん♡♡
いわゆる美食家ではなく、好きな食べ物を好きなだけ食べる。
共感したり、びっくりしたり、吹き出したり、面白かった〜!
私もチョコレートはガーナが好き!
ハチミツレモンも常備
そしてケチャップまみれのナポリタンが好き〜
続編も早く読もう! -
千早茜さんの初エッセイ!食に対する偏屈な自論がつまっていて、とてもおもしろかった。一つのエッセイの内容は軽すぎず重すぎずで、優雅な午後のおやつにちょうどよい口当たりです。
美食家ではなく、好きなものを好きなときに好きなだけ食べることが好き。これまで読んできた食エッセイの中でいちばん共感しながら読めた気がします。
卵からは生命の気配がしてはやく調理したいとか、学校給食の牛乳がどうにも薄気味悪く吐き気がするとか、童話の世界のまだしらないカタカナのお菓子にうっとりするとか、幼少時の食の記憶も重なるところが多い。
身近な人のことや、作家になる前のフリーター時代のエピソードも隠すことなく書かれていて、千早さんがより身近に感じられた。ツイッターで普段たしかに食べ物の写真が多いなぁ!とは思っていたのですが、なんか他者の意見を寄せ付けないような尖った雰囲気のある人だと思ってたので尚更。
エッセイでも偏屈っぷりは健在ですが、その食に対する姿勢が深く知れて良かった。帯に、「気高き毒気冴え渡る異色の食エッセイ」とあってみょうに納得しちゃいました。
何を食べるか、大人になった私たちはもう全て自分で決められる。好きなものも嫌いなものも。千早さんに教えてもらって、そのとてつもない自由に胸が震えた。 -
再読。
前回感想を書いたところが年月が経ち、結婚し家庭をもって、「胃があう」人との暮らしの楽しさを知った。
でもたまに1人、ふらりと自由を謳歌する時間も大切に。2人以上の食事があるからこそ、自由な食事の時間はさらに輝く。
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独身で一人暮らしの社会人。
これまでの人生の中で、今がもっとも自由だな、と感じる。
その理由は、なるほど、食の自由を謳歌しているからだとこの本を読んでしみじみと実感した。
私も生粋の食いしん坊である。
本の中に、物事がうまく進まない時に暴飲暴食に奔るエピソードがあったが、強く共感した。
食いしん坊にとって、食は生活そのものであり、褒美でもあり、戒めでもあると思う。
できるだけ好きな時に好きなものを食べたいから、そこそこ身体に気をつける。食べることを我慢するよりは、運動する方がマシだと感じる。これを食べたいから、頑張ろう、と気を引き締めてさせてくれる。
ちなみに、私は物事がうまく進まないときはとりあえず辛いものを食べます。(できれば、蒙古タンメン中本のラーメン。)
学生の頃に戻りたい、と言う人がよくいるけれど、あまりそうは思わないのはこういうことなんだろう。私は、好きな時に好きなように好きなものを食べたいです。そのためにも毎日きちんと働こうと思える。
ただ不思議なことは、食事を共有できる人がいると何故だかもっと美味しく、幸せに感じるということだ。
一人の方が自由であるはずなのに、とっても不思議。
自由のそのもう一歩先の「美味しい」は、きっとこれから見つかるんだろうな。
あとひとこと言いたいのは、「溶けない氷」のかき氷の話。本当に美味しいかき氷って、水の風味を楽しむことができると思うんですけど、どうですか?
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直前に、群ようこさんのゆるい生活やぬるい生活を読んでいたので、食に対する姿勢があまりにも真逆で爆笑。
食べ物へのこだわりが強く、嫌いな食べ物は明確だし、好きな食べ物や食べたいものは何としてでも食べる貪欲さ。挿絵の狐が思いのままに食べ物を食べているのも良い。
あ〜美味しいものを程よく食べて健康に生きたいな〜 -
小説で数多く良作を送り出している千早茜さん。エッセイは初めて読みましたが面白かったです。相当な食いしん坊のようで、よくこんなに食べものについて書けるもんだなと思いました。
飾らないお人柄がにじみ出る作品です。続編も読みたい。 -
エッセイ。
著者はとにかくよく食べる。しかも1日の大半、食べて過ごしている。羨ましき生活だ。ただ、暴食をする日がたまにあるとのことで、その日は気持ちが悪くなるまでパンを食べたりしており、健康にはよろしくないと思う。
しゃらくせえ!という著者の声が聞こえる気がする。誰に何と言われようとも好きなものを食べるのが彼女の愉しみなのだから。
スナック菓子を食べ続けていると口が切れるなんて初耳で驚いた。
今は健康志向が強まり、スローフードやらファスティングやらよく分からない横文字のものが賛美されるようになった。
私は夕飯だけ食べる生活(仕事に行く日のみ)を2年以上続けているが、食に興味がない訳ではないし、むしろ美味しいものは大好きだ。断食や美味しくなさそうな食事(例:ハンバーグと同じような味のする健康的な食材で作った料理等)に興味はない。
筆者も同じようなスタンスでちょっと嬉しい。申し訳ないが、「意識高い系」は食でも人の性格にしても鼻につく。
心に残ったのは、「味覚において現実は物語を超えられないことが多々ある」という文。誰もが経験したことではないだろうか。食べ物の美味しさは、本来の味+どこで誰と食べているのかで決まるんだろうな。宮崎駿監督の「天空の城ラピュタ」で目玉焼きが滅茶苦茶美味しそうだったのは、あの食べるときの効果音だったり、洞窟の中という非日常的な空間に居たからだったりなのかもしれない。散々、語り尽くされているような気もするが、素直にそう感じたので感想に残しておく。