並行宇宙でしか生きられないわたしたちのたのしい暮らし

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  • Amazon.co.jp ・本 (164ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784834253429

作品紹介・あらすじ

共感かドン引きか――あなたはどっち?
ポストひきこもり作家の勇気がわくエッセイ

「ドヤ感を包み隠さないのって、すごい能力だなって思うんです」
――小説家・住野よる氏

あれもこれもできない日常を、誰も予想できない方向へ飛び越えていく……驚きの発想、自虐とユーモアが炸裂する全25篇。
さらに『君の膵臓をたべたい』『青くて痛くて脆い』などの人気小説家・住野よる氏との特別対談を15ページ収録。
『出会い系サイトで70人と実際に会ってその人に合いそうな本をすすめまくった1年間のこと』イラストが話題の内山ユニコ氏による、美麗カラー口絵+モノクロ挿絵も多数!

【内容】
・車の運転が驚くほどできない「運転」
・注射が笑いのツボに入りすぎる「注射」
・コールセンター勤務では、クレーマーに癒されていた「コルセン」
・自分はいま全裸なんじゃないか?「不安」
・30歳を過ぎて医師に「テレビゲームを控えなさい」と言われるなんて「空」
・素敵なカフェーで、衝撃の裏稼業に手を染めた話「クワガタ」
・番外編「俳句甲子園観戦記/松山旅行記」
・特別対談×住野よる:「それぞれの不思議な宇宙とやっかいな自意識」 ほか

著者:渡辺優(わたなべ・ゆう)
1987年宮城県生まれ。宮城学院女子大学卒業。2015年『ラメルノエリキサ』で小説すばる新人賞を受賞しデビュー。著書に『自由なサメと人間たちの夢』『アイドル 地下にうごめく星』『悪い姉』などがある。

巻末特別対談:住野よる
装画・挿絵:内山ユニコ
装丁:佐藤亜沙美(サトウサンカイ)

感想・レビュー・書評

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  • もう、めっちゃ分かるエピソードが多かったです。

    ひとつめの『運転』のエッセイから心をガシッと掴まれました。
    これは、運転が苦手な人には大概共感を得ると思います。
    わたしは車の免許は持ってないのですが、原付きバイクの免許は持っていたので、よく分かります。
    でも、車の免許を取らない/取れない理由は渡辺さんがエッセイで書かれている事が頭をよぎるから。
    歩行者、怖いですよ。

    なんだか渡辺さんのエッセイを読んでいると、村田沙耶香さんを思い起こしちゃうんですよね。文体も文章の温度も違うのですが、ズレ方が似ているというか。
    とにかく面白い人だな、と思いました。
    そしておふたりとも、勝手ながらお友達になりたいタイプです。

    タイトルの並行宇宙(パラレル・ユニバース)とは、いわゆるパラレル・ワールドと同じ意味の言葉。
    人はそれぞれ皆自分の五感をもってしか世界を認識できないーーーそれはもう皆違う宇宙に生きているといると同じ、のだと渡辺さんは書いています。

    なるほど。身近な人も、遠くの人も、宇宙ごと違う、と思えば、少々の事で腹も立たないし、違う宇宙を覗く楽しみも倍増するってもんですね。
    たまに共通点を見つけて喜んだり、全然違う宇宙に驚愕したり。

    かくも楽しき他者のいる世界。

    そして本は、他者の並行宇宙と手軽に出会える素敵なツールのひとつ。

    ちなみにタイトルを考えたのはこの本の巻末で対談もしている住野よるさん。渡辺さんを「ライバル」だと公言しているそうで、自作の裏話まで披露しています。

    『であすす』でおなじみ内山ユニコさんの美麗イラストがたっぷり挿入されているのも嬉しい。

  • 「ラメルノエリキサ」の作者のエッセイ。これは面白くて共感できました。特に、運転免許や左右盲の話は同志を見つけた思いです。クワガタの話も面白かったなぁ。ところで、このエッセイを書籍化する折に編集部からタイトル案の提示があり「ネオひきこもりの毎日はネガティブだけど最高です!」はどうでしょうと言われ、イヤだなぁと言い、ついに「並行宇宙でしか生きられないわたしたちのたのしい暮らし」というタイトルを作っちゃうあたり、センスの良さにさすがと感心しました。

  • 初めて読む方なんだけど、エッセイから読んでしまった。
    でも私は共感派。
    この方の文章凄く好き。正直って感じ。

    私も猫大好きなんだけど、やっぱり飼うと言う事に責任が生じるから動画とかで我慢。まっ飼えないっていう状況でもあるし。

    それに私も血管細くて看護師さん泣かせです。
    今度、小説読んでみよっと。

  • 「悪い姉」ぶりの渡辺優。すごいタイトルで思わず手に取ってしまった。表紙と挿絵がシュールかわいい。

    薬膳の章、ほんとに何もかもが好きすぎた。薬膳料理への偏見も薬膳を(体が)受け入れられなかったくだりも全部好き。
    恐怖の章の「フェアトレードコーヒーの香りには除霊の効果があるので。」とかかなり好き。
    猫への愛を語る章はすべてに「わかるー!」としか言えなかったし、バイト先のワッフルの廃棄を狙うレギュレーションは思わず声を出して笑ってしまった。でも実際食品の廃棄って心痛むよね〜(あと腹も減る)

    全体的に愉快だったので、またエッセイが出たら読みたい。巻末企画の住野よるとの対談で「このエッセイを書いている人、なんかかわいいな」って言われてたのめっちゃわかる。
    あと私はなんとなく住野よるに苦手意識があったんだけど、この対談で住野よるへの謎の苦手意識はだいぶ減った。

  • 実は著者さんのこと何も知らないまま、表紙の雰囲気とタイトルがステキってだけで読んだんですが…。思いのほかドン引きすることよりも共感できる内容が多くて好きでした。

  • ほんタメのオットリしたイメージのまま読み進めたら脳がバグって…。
    本でこんなに声をあげて笑ったのは記憶がなく。なんでクワガタなんだよ、とかw
    渡辺優センセイが大スキになるエッセイ集!

  • けっこう好き。

  • 最高におもしろかった!続きを出してほしい気持ちでいっぱいです!
    共感できるところとただただ笑えちゃうところと、とにかく最後まで楽しく読めました。

  • エッセイ23篇に番外編「俳句甲子園観戦記/松山旅行記」と後書き、住野よるさんとの対談を加えた作品集。

    渡辺優さん、小説も読みやすかったけれどエッセイも面白い。
    共感出来る物もあれば全然理解出来ない物もあって、それがタイトルの並行宇宙から感じた印象と相まって納得する。

    1篇目『運転』の「歩いているやつ!怖い」には思わず頷きそのオチに笑ってしまう。

    コールセンターでのアルバイト経験を綴った『コルセン』は裏側が知れて面白いが、コルセンで働く方に同情しつつ絶対やりたくないなと思えた。

    身近な日常に笑いをプラスしたエッセイ集。

  • ここのレビューで、友達の面白い話をずっと聞いてるみたいっていうのを身たけど、本当にその通りだった。
    最初から最後までずっと面白くて、本でこんなに笑うの初めてなのでは?ってくらい笑った。

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著者プロフィール

1981年静岡県生まれ。天理大学人間学部宗教学科講師。東京大学文学部卒業,東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了,博士(文学)。2011-2013年,フランス政府給費留学生としてパリ・イエズス会神学部(Centre Sèvres),社会科学高等研究院(EHESS)に留学。2014年4月より現職。専門は宗教学,とくに近世西欧神秘主義研究,現代神学・教学研究。訳書に,『キリスト教の歴史 ―― 現代をよりよく理解するために』(共訳,藤原書店,2010年),論文に「もうひとつのエクスタシー ―― 「神秘主義」再考のために」(『ロザリウム・ミュスティクム:女性神秘思想研究』第1号,2013年),「教祖の身体 ―― 中山みき考」(『共生学』第10号,2015年)など。

「2016年 『ジャン=ジョゼフ・スュラン』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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