- Amazon.co.jp ・マンガ (182ページ)
- / ISBN・EAN: 9784835213460
感想・レビュー・書評
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強引な天涯×おっとりカヲル
シリーズその4
舞台は明治時代の日本。
小説家として、恋人として成長していく2人の物語。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
天涯&カヲルシリーズの第四巻。
人付き合いが悪く、無愛想。けれど才能を秘めた小説家である天涯と、おっとりと優しく、美しい文章を紡ぐカヲル。
天涯のトラウマを乗り越え、心が通じ合ったかに見えた二人の前に、カヲルの教師だったという男が現れる。
彼をみて明らかに様子がおかしいカヲルは―――
なんだろう。
このシリーズ、大して過激ではないくせにどこかエロティック。
「えっち」ではなく「エロティック」、という言葉を使いたくなる色気があります。
明治、大正、という時代設定がそうさせている部分も大きいけれど……天涯、カヲル、という二人の個性が、それをさらに強めている気がします。
無骨な優しさを見せ始めた天涯が大型犬のようでかわいいのに対し、過去が暴かれるに従い、初心なばかりではない部分が出てきたカヲル。
例えばカヲルの過去なんかはとてもありふれているにもかかわらず……なんだろう、なんか魅かれるんだよなあ、このキャラ。
流される部分の間やタイミングが絶妙、と言ったらいいんだろうか。
いろんなキャラクターに押し倒され、あげくかなりの確立で流されるくせに、なぜか貞潔さを失っていない。
男に押し倒されることに本来あるべき狼狽をほとんど見せず、むしろそれが当然のように当たり前な顔をしている。でも、初々しい。
不思議な魅力です。
どこか掴みにくいカヲルだからこそ、今回「ただいまー!!」と手を振る無邪気な顔に、なぜかほっとさせられました。
てか和服って色っぽいなー。
■一人にしない
『許されざる者』でカヲルを殺しかけた、及川くんのお話。
すっかり穏やかになったと思っていたら、まだ胸に秘めた部分があったんですね。
今回はそんな及川が、本当の意味での試練を与えられます。
ラストはありがちかもしれないけど、私は好き。
あと、どうでもいいけどこの漫画、シリーズ名振って数書いてくれないと、どう読めばいいかわからない……