オレンジ党 最後の歌 (fukkan.com)

著者 :
  • 復刊ドットコム
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感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (390ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784835447988

感想・レビュー・書評

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  • オレンジ党シリーズ(三つの魔法シリーズ)全四巻、半日で読み終えてしまった。「光車よ、まわれ!」や「闇の中のオレンジ」のように、誰しもが経験したであろう子供の頃周りの世界にかかっていた魔法から始まりどんどん引きつけられていく。その後魔法に魔法がかかり現実の生活を突き抜けていっても、そのままグイグイと引き込まれていく。思うに詩人でもある著者の描写・文章の力のたまものだろう。三部作として一応の完結を見ていたこのシリーズ、時間をおいて書かれた4巻目は少しテイストが違い、賛否が分かれるところだとは思うが、ご褒美のようなものだと思えば良いのではないかな。前にも書いたが、この歳になってこのような至福の読書体験が出来るのだから、本当に本当に本って素晴らしい。

  • 33年ぶりの続刊!まったく今のこどもの生活に寄り添わない媚びない昭和的イメージ、ダークなファンタジー感健在。しかしおどろおどろしい悪夢を描くあの闇の深さの恐怖感が少し弱まってしまったようで、いろいろと拡散し過ぎた感がある。津波や放射能、情報管理社会、軍の支配。震災後に描かかれたに違いないと思ったら、それ以前だったとは。何だか警告テーマの現代との符号のあまりの一致ぶりに驚いた。

  • 説明しようのない「怖さ」は、この作者しか描けない世界だと思う。例えば、一人で深い森の中にいたとしたら、理由もなく感じてしまう恐ろしさ、何もいないのに気配や視線を感じてしまうとか、圧倒的な力に押しつぶされそうな感覚。そんな「怖さ」を今の子どもたちにも感じとって欲しい。

  • ラスト、拡散しましたね。いろいろな想いが積み込まれすぎたような。どうとでも解釈できる形になるとは予想していたけど。途中、森コージの名前とか、鈴木さんちの複数の名前とか、うれしくなるようなネタ満載で、やっぱり続きが読めたのは何よりうれしかったなあ。

    再読。
    ああ、やっぱりこの世界、大好きだ。
    幼いころからワクワクして何度も読み返し、たくさんの時間を一緒に過ごした。
    自分の中の芯の部分に確かに根付いているものがある。
    そういうヒト、きっと大勢いるんだろうなあ。
    校正が甘いのが、もったいない(^0^;)

  • 物語の力。
    最初の『オレンジ党と黒い釜』を思い出すとずいぶん遠くへ来たような……。現実世界のリアルな驚異が絡むよりも、不気味で得体のしれないものとこどもたちがこどもたちの力で立ち向かう物語の方が好きだなー。と再認識した。

  • まさか続編が読めるとは。ダークファンタジー…ですが、最終巻だけあって少々明るい?

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著者プロフィール

天沢退二郎 訳者 天沢退二郎(あまざわ たいじろう)1936年東京生まれ。東京大学仏文科卒。詩人、評論家、宮沢賢治研究家、作家。詩集に『地獄にて』、『幽明偶輪歌』(以上思潮社)、翻訳に『青空』(晶文社)、『ヴィヨン詩集成』(白水社)、『ペロー童話集』(岩波書店)、『シチリアを征服したクマ王国の物語』(共訳、福音館文庫)、評論『宮沢賢治の彼方へ』(思潮社)、創作に『光車よ、まわれ!』(ポプラ文庫ピュアフル)、オレンジ党シリーズ(復刊ドットコム)がある。

「2013年 『犬のバルボッシュ パスカレ少年の物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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