- Amazon.co.jp ・マンガ (270ページ)
- / ISBN・EAN: 9784835449746
感想・レビュー・書評
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病気の妻の治療費の為結婚詐欺師となった男 愛誠(あいまこと)の物語。
(この病気の妻の為に犯罪に手を染めるというブロットは1971年に発表された短編「恐喝有限会社」が元ネタだと思われる。)
随分昔に一回読んだ覚えがあるんだけど内容に関しては殆ど記憶に残っていない。
多分、自分が知っている藤子不二雄作品の印象とあまりにも違っていたから子供心にこれはちょっと…って気持ちがあったのかも知れない。
その後何年か前に藤子不二雄ファンクラブ「ネオユートピア」の会誌で本作のTV版が紹介されていたのを読んで以来ずっと気になっていったので今回の復刻を機に購入。
再読ではあるけど前述した通り、ほとんど記憶に残ってないので初読みに近い。
愛の為偽りの愛を使い愛(金)を盗んでいく誠だが、そこに罪悪感などは無い。
誠にとって結婚詐欺は作中でも語っているように内職(サイドワーク・バイト)でしかない。
あるのは妻を想う気持ちだけ。(因みに妻 優子は二重瞼、被害者の女性は一重瞼とルックスで微妙な差別化がされている)
この手の作品の場合、全体的に湿っぽかったり悲劇的だったりするものだし、主人公も事情があるとはいえ犯罪に手を染める事に対し後ろめたさを感じる(苦悩する)かゲーム感覚で女性に一時の夢を与える為などと嘯くものだがこの「愛ぬすびと」の場合、作品の雰囲気はA先生の絵柄もあるだろうが乾いているというかサラッとした感じだし、主人公の愛誠も無邪気な(時には男らしいところもみせる)キャラクターに設定されているのでそういったものを(少なくとも最終回までは)感じさせない。
最初はうまくいっていた誠の内職も9話から裏目に出るようになる。
そして最終回、ただ一つの愛の為に多くの愛を弄んだ報いを受ける。
物語の性質上ハッピーエンドにはならないだろうと思ってはいたが…そのあまりにも切なく悲しい結末は心に重く残った。
復刊ドットコムの作品紹介やA先生のファンの方々が隠れた傑作・名作というのも頷ける。
今回の復刻を機会にもっと評価されてもいい…というよりされるべき作品である。 -
結婚詐欺のはなし。短編連作の形式をとっていて最後におちがある。悲しい話。TV向きだなぁと思ったら随分昔にドラマ化されていました。隠れた名作。
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花丸・コメントありがとうございます。
大井武蔵野で観られたなんて羨ましいかぎりです。
(盲獣、少女地獄が同時上映というのも凄い!!)
...花丸・コメントありがとうございます。
大井武蔵野で観られたなんて羨ましいかぎりです。
(盲獣、少女地獄が同時上映というのも凄い!!)
「愛ぬすびと」仰る通り隠れた名作ですよね。
フィルム(テープ?)が残っているのなら是非ともDVD化してほしいですね。2013/11/06
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いつの間にか師走に突入ですが、お変わりないですか?
幼少期に『魔太郎がくる!」で衝撃を受け
うらみはらさでおく...
いつの間にか師走に突入ですが、お変わりないですか?
幼少期に『魔太郎がくる!」で衝撃を受け
うらみはらさでおくべきか!という言葉をクラス中に流行らせた自分としては(笑)
このダークな作品は是非とも読んでおかなければ!(笑)
しかし、相変わらず
どの作品レビューもただの知識だけで終わらずに
自分の思想や愛情いっぱいで
読んでてニヤニヤが止まらなくなりますよ(笑)
あと、ワカコ酒と孤独のグルメの情報感謝です!(^o^)
また近々レビューするかもなので
よろしくお願いします(笑)