恐るべき旅路 -火星探査機「のぞみ」のたどった12年-

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  • 復刊ドットコム
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  • Amazon.co.jp ・本 (438ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784835450261

作品紹介・あらすじ

火星探査機「のぞみ」の偉大なる挫折が、のちの「はやぶさ」の感動を生んだ-。12年にわたる火星への挑戦とその苦闘を描いた宇宙科学ドキュメンタリーの傑作、待望の復刊。

感想・レビュー・書評

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  • 復刊ドットコムのメルマガで知ったのだったか、かの有名な「はやぶさ」の前日譚としての火星探査機「のぞみ」の科学ドキュメンタリーという感じで紹介されていたので軽い気持ちで読んでみた。
    まず、著者の肩書きは「ノンフィクションライター」であり、サイエンスライターやもちろん研究者ではない。なので、取材を重ねてドキュメンタリー風の読み物を書く方なのであろう。
    ここであえてドキュメンタリー「風」と書いたのは、妙にドラマティックな演出が多くて個人的には大変苦手な部類だったからである。研究者それぞれを容姿や癖まで詳しく描写したり、その時々の時事ネタを詳細に盛り込んだり、きわめつけとして一般公募した名前27万人分を刻んだプレートを組み込むキャンペーンの経緯をウェット且つ長大に紹介したのである。そこにプロジェクト半ばで夭逝した研究者の話を絡めてこられたら、これって感動を強制演出してるの?と思わずにはいられないだろう。
    ちなみに、探査機そのものをめぐる事実はWikipediaの「のぞみ(探査機)」の項目だけでも十分知ることができるし、JAXAのウェブサイト内には広報部の公式発表から研究者自身によるメッセージの類まで多くの文章が公開されている。だからこの本の目的は、これらをもとにして著者が紡いだ「ものがたり」を語ることなのであろう。しかし、物語として読むには科学的な記述を頑張って盛り込んだ内容が中途半端にかさばり、かといってその部分を読み込むには図版も少ないし厳密な説明までには足りない。そこを気にしないで読めて、且つ、彼のストーリーに乗ることに違和感を感じずに読める場合には楽しめるのだろうと思った。
    また、日本のいわゆる科学技術政策を詳しく知らない人には初めて知る情報もあるだろうからそういう点では啓蒙書としての意味もあるのだろうが、その業界界隈の人にはげんなりな話の繰り返しという点も読んでいてなかなか厳しかった。
    まあ、そういうわけでレビューの評価が高い人もいるのだろうが絶版にもなるというわけなのだな、と私的納得をして読了である。

  • [ 内容 ]
    火星探査機「のぞみ」の偉大なる挫折が、のちの「はやぶさ」の感動を生んだ―。
    12年にわたる火星への挑戦とその苦闘を描いた宇宙科学ドキュメンタリーの傑作、待望の復刊。

    [ 目次 ]
    第1部 長い旅支度(惑星に向かって;ロケット打ち上げ能力と探査機重量の挟間で;トラブルの種子と、二十七万人の想いと)
    第2部 恐るべき旅路(打ち上げオペレーション;地球脱出;長く曲がりくねった軌道;「のぞみ」は駆け抜けた)

    [ 問題提起 ]


    [ 結論 ]


    [ コメント ]


    [ 読了した日 ]

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著者プロフィール

ノンフィクション作家/科学技術ジャーナリスト宇宙作家クラブ会員。1962年東京都出身。慶應義塾大学理工学部機械工学科卒、慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科修了。日経BP社記者として、1988年~1992年に宇宙開発の取材に従事。その他メカニカル・エンジニアリング、パソコン、通信・放送分野などの取材経験を経た後、独立。宇宙開発、コンピューター・通信、交通論などの分野で取材・執筆活動を行っている。

「2022年 『母さん、ごめん。2 ― 50代独身男の介護奮闘記 グループホーム編』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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