ハーバード流交渉術 (知的生きかた文庫)

  • 三笠書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (250ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784837903604

感想・レビュー・書評

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  • 営業力を身につけたいと思って買ってみた.人と問題を分離させて,「利害」に焦点を当てよ.
    交渉は相手のあることなのでなかなか難しいけれど,基本原則を念頭に進めていくことでWin-Winな結論を得られそう.
    あと,「相手の顔を立てよ」っていうのが,実は結構大事だよなって思った.

    【4つの基本法則】
    人:人と問題とを分離せよ
    利害:立場ではなく利害に焦点を合わせよ
    選択肢:行動について決定する前に多くの可能性を考え出せ
    基準:結果はあくまでも客観的基準によるべきことを強調せよ

  • 交渉とは限られたパイの中で互いの利益を最大限に増やすコミュニケーション術。

    ハーバード流では、人と問題の分離、利害について話し、選択肢をできるだけ、あぶり出し、客観的基準で結果を計る。

    相手を自分側に引き込む話し方がある。
    1.間違っていたら教えてくたさい。
     ということをきいたのですが、本当ですか?→対決ではなく、同志とする。メンツを保つ。
    2.あなたのしてくださったことには感謝しています。
    →感謝することで、問題の本質と個人的感情を分離する。
    3.私たちの関心は公平さにある。
    →原則に立脚するとい基本姿勢を明確にする。
    4.裁判や利己的な関心をあえて指摘することで、問題を分離し、互いの利益、不利益をのべた上で、原則にしたがって交渉したいむえをはなす。
    5.信用しているかどうかは別問題です。感謝しているが、わたしの支払いが公平だとどう判断したらよいですか?
    6.こういう選択肢があると思います。理由はなになにです。もしだむならこいなります。

    フリスビー、1984年のロンドン。
    フリスビーに対し、勝っているのはどちら??

  • 人との交渉を余儀なくされたとき、交渉の基本を身につけるために読んだ本です。
    著者のまえがきにあるように日本人の交渉なのになぜアメリカ流の交渉術が参考になるのか、という疑問は、読んだ後に解消されるでしょう。
    他者と交渉しなければならない場面では、考え方が違い、解釈が違う者同士がお互いに「基準」に基づいて話を進める必要があることの重要性を学びました。

  • 日付が変わる直前に読了。そして、読んでる本に登録して久しいタイミング(涙)交渉力を身に付けるノウハウを確認できた。当たり前のことかも知れないが、その当たり前ができなかったり、順番を間違えていたりという経験がある。

  • Yotsuya

  • ●「原則立脚型交渉(利益満足型交渉)」。
    ・立場に固執すると合意は遠のく。
    ・時間と労力をかける交渉はプロではない。
    ・“敵意”を芽生えさせるな。
    ・客観的事実だけでなく、相手の「頭の中」を重視せよ。

    ●立場に囚われるな。常に「利害」「本質的利点」に焦点をあわせよ。
    ・相互に利益になる選択肢を考え出せ。
    ・自分の主張に固執すると高くつく。
    ・客観的基準を打ち出せ。

    ●不利な状況の乗り越え方
    ・立場でなく、問題の本質に焦点をあわせよ。
    ・相手の攻撃は押し返すな。攻撃の背景に目を向けよ。攻撃を受け入れたらどうなるか話し合え。
    ・「柔道型交渉術」。断言せず問いかけよ。質問したら間を置け。
    ・脅迫には警告をしろ。
    ・決裂した場合の不調時対策案を用意しろ。

    ●原則立脚型交渉の決まり文句
    ・私が間違っていたら教えてください。(客観的事実と原則による説得はいつでも受け入れる)
    ・あなたがしてくださったことには感謝しています。(人と問題を分離する)
    ・我々の関心は公平さにあります。力ずくでなく原則に従って解決したいのです。
    (こちらの利己も、圧力も隠さない。交渉を、感情論・立場論から実質的な利害へ戻す。)
    ・感謝はしていますが、信用するか否かは別問題です。問題は原則がどうか、なのです。
    ・私の事実確認が正しいかどうか、2,3質問してもいいですか。
    (事実の通達は脅威感を与えるので質問形式にする)
    ・あなたが〇〇と言うのは、どんな理由からですか。
    (相手の立場を受け入れも拒否もしない。問題の本質に焦点を置く。)
    ・あなたが仰ることを私が十分理解しているか確認させてください。言い忘れはありませんか。
    (協力的な場をつくり、問題を建設的に議論する)
    ・仲間と相談してもう一度伺います。(一旦時間を置いて人と問題を切り離す。交渉の過程を掌握する)
    ・納得いかないところがいくつかあるので確認させてください。
     こんな公平な解決策も考えられませんか。
    (自分の理由を全て説明してから、原則に基づいた提案をする。〇〇で困っています。だからこうしませんか)
    ・同意できたらこうしましょう。できなかったら〇〇となるでしょう。
    でも〇〇は望みません。公平に解決しませんか。(相手が提案に賛成しやすいよう努める)
    ・相手の利益を合意に織り込む。
    ・問題を公正に仲良く解決でき、感謝しています。(問題を人間関係から離し、合意の履行を促す。)

    ●相手が汚い手口を使ってきたら
    ■こちらが毅然としても、相手が本当に合意を望んでいるのなら交渉は打ち切らない。
    ■原則の方が、不当な戦術より守りやすい。
    ・不当な進め方をされても相手を個人攻撃するな、進め方を話し合って変更しろ。
    ・立場でなく、利害に焦点をあてよ。
    ・相互に利益になる選択肢を考え出せ、
    ・客観的基準の適用を主張せよ。「平等主義の原則を適用させよ」
    ・曖昧なごまかし→事実か否かだけを常にチェックせよ。
    ・最終合意に上乗せ要求→互恵主義に基づき、こちらも合意ご破算から始める。
    ・合意履行が不鮮明→非履行の場合の条件を付ける。
    ・ストレスを感じるなど、交渉の環境が不利→憚ることなく、公正な環境への変更を申し出る。
    ・個人攻撃→正面から抗議せよ。
    ■友好、信頼、譲り合いを期待できない、一体感のない相手との決定は、それ自体の利点に基づいて行うべき。

  • #146

  • 良書だった。交渉事でうまくいかなかったと感じたときにまた見直したい。
    事例が、賃貸などの生活の中の交渉事か、国同士の交渉という大きな政治交渉の両極端な点は頭に入りづらい部分はある。

  • ▶交渉の前の心構え
    ・交渉に置いて目的は二つ。実質問題の解決と友好関係の維持
    (よくわからん)・人間の問題はあくまで人間の問題として扱うこと。交渉事項を譲歩して解決を図るのはダメ
     -解決法①認識の問題②感情の問題③意思疎通の問題
    ・交渉(言い争い)の対象となるのは、物か事象だが、それは相手のものの考え方を理解しようとすることが重要
     -事象そのものより相手がどう捉えたかが重要
     -これに相違がある限り、意見の対立は起こる
     -相違に対処するためには、お互いのものの見方について率直に話し合うこと
    ・相手の見方を理解するためには、相手の見解を「試してみる」ことが必要
     -(よくわからん)その際、自分の危惧の念から相手の見解を憶測することなかれ
    ・相手を検討過程に必ず参加させ、結果に責任を取らせる
     -「すべてお膳立てしてから行こう」と言うのは間違い

    ▶相手との交渉の素地づくり
    ・意思疎通を滞り無く行う
     -相手の言葉(主張)をこちらの言葉で返す
     -相手の興味に関心を向けたり、プレゼントをするなど事前に友好関係を築く
     -交渉結果は両者に効用を生むとの認識のもと、相手との「共同作業」として交渉を進める
    ・利害に焦点を合わせる
     -相手の主張の背景・原因を考え、また聞いてみる
     -その中では必ず「相手の主張も一理ある」と考えてみること 
     -その後相手と自分の利害を洗い出し、共通するものとそうでないものに分ける、利害リストを作成
     -常に複数の利害が存在することに注意を払う
     
    ▶実際の交渉の流れ
    ・最初に結論を示すことはしない(必ず相手から反発が来るから)
     -最初は問題点とこちらの利害のみ伝え、ディベートはしない
    ・流れ「互いの利害が何であるか確認」→「選択肢を提示」
    ・自分の利害もきちんと強く、かつ具体的に打ち出すこと
     -その際、当事者その人と問題を切り離して考えることが大事

    ▶選択肢を提示する
    ・選択肢を考え出す行為(ex.ブレスト)とそれに評価を下す行為を分離すること
    ・単一の考えを探すより、幅広い選択肢を提示すること
     -問題点洗い出し→分析→対処法書き出す→中から実施案抽出→問題点洗い出し→…を回していく
     -ブレストした案は、実施案抽出のところからスタート
     -より良い選択肢を考え出すためのフレームワーク
    ・互いの利益を追求すること
     -共通の利益は表面に現れてこない
     -(よくわからん)共通の利益単体では役に立たないので、共通の行動目標へと昇華させる必要がある
     -逆に、相違についても気を配り、それを合意案に盛り込むこと
    ・相手が決定しやすい方法を見つけてやること
     -最終的に相手から得たいものは「合意」なので、早めから合意案について書き出す

    ▶評価基準を打ち出し、実施する
    ・どうやって客観的な基準を作るか
     -当事者の私意から独立したものであり、筋が通った実際的なものを採用する
    ・どのようにしてそれを交渉に使うか
     -手続きに平等感を出すため、「一人がケーキを切り、もう一方が選ぶ」方式を採用する
    ・基準について合意する
     -共通の目標がそれに沿っていることを伝える
    ・どの客観的基準が良いか決める
    ・駆け引きには応じない
     -こちらの目的(利害)をはっきり伝える
     -相手の主張の根拠を聞く
     -基準においては、比較対象を探す

    ▶個別事例についての対処法
    ・相手が強い場合
     -合意が成立しない場合の裁量の案は何かを考える
     -代替案の強さが「交渉が決裂してもかまわない」こと、ひいては交渉姿勢の強さへとつながる
     -合意しなかった場合の一連の処置をリストアップし、見込みのある案に更に改良を加える、そして最良と思われる案を暫定的に選ぶ
     -相手の代替案も考える
    ・相手がこちらの提案に乗ってこない場合
     -相手が立場に固執した時はその背景を聞き出し、彼らの主張する立場を受け入れたらどうなるか問いかける
     -個人攻撃が来たときはいいたいだけ言わせて、その後その攻撃を問題に対する攻撃に転化すること
     -第三者が最終案を用意して、それについて双方に意見を求めれば良い
    ・相手が汚いやり方を使ってきた場合
     -手口を指摘し、平等主義の原則に従って対処する。問題に焦点を当てる
     -1つの交渉に付き達成できる目的は1つ。それ以上の問題を相手が持ち出してきたときは、別の交渉の場を設けること

  • 自分の立場に固執すると合意は遠のく。相手の中に敵意を芽生えさせるな。人と問題を分離する。立場でなく利害に焦点を合わせる。多くの選択肢の可能性がある。譲歩して解決を図るのは愚の骨頂。争いは当事者の頭の中にあるので、相手の頭の中を重視する。相手の立場に立ち心情を盗み取る。相違点をハッキリさせそれについて相手とじっくり話し合う。相手の言い分をよく聞いてやる。自分と相手の利害のリストを書く。結論を先に示すと反発を招く。「あなたがおっしゃっていることを私が十分理解しているかどうか確認させて下さい。」

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著者プロフィール

ハーバード大学名誉教授。第二次大戦後のパリでマーシャルプランの策定に関わり、ワシントンD.Cの法律事務所で数々の訴訟や国際紛争に携わる。1979年、ハーバード大学ロースクールにハーバード交渉学研究所を設立。交渉学を体系化し多くの教え子を育てる。そこでの研究を元に1981年『GETTING TO YES』を刊行。その後も交渉学の泰斗として研究をけん引。国際紛争などにも的確な助言を与えてきた。2012年、逝去。

「2021年 『マンガでわかるハーバード流交渉術【逆転の切り札篇】』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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