男の器量 (知的生きかた文庫 と 2-8)

著者 :
  • 三笠書房
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感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784837905325

感想・レビュー・書評

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  • 色々な人の、ここ一番での行動が、童門視点で解説してある。さっくり読めるが、なかなか読み応えあり。

  • #読書開始
    ・―
    #読了日
    ・2017/5/11(再読)
    #経緯・目的
    ・男について学びたいと惹かれて購入。
    #達成、感想
    ・歴史から学ぶ熱い人生訓が書かれている。
    ・著者としては、自分に自信を持つようになってほしい様子。
    ・他者に伝えられる言葉をメモしておきたい。
    #オススメ
    ・自己啓発が好きな人におすすめ。

  • 歴史の偉人紹介コーナーという感じ。

    例えをみて、学べの一言。

  • 『折ったムダ骨の痛みがわかる人間ほど成長する』(P. 21)
    ムダ骨を折ることは大変な苦痛です。
    しかし、これも一つの経験として考えると完全なムダとは言い切れません。
    一度した過ちは、二度としないように気をつけるようになるでしょうから、
    その後、仕事の効率を上げて十分取り戻せると思います。
    逆に、後悔するようなムダ骨を折ったことのない人は、
    そういうところを意識することがないので、
    気付かぬうちに失敗の芽が育っていることが多いものです。
    ムダ骨を折ったと感じた時に、
    それを効率アップのための経験として学べるなら
    結果として無駄にせずに済みます。
    失敗というピンチを
    成長するためのチャンスと捉えることができる人は強いです。

    『不遇のときの友人こそ、真の友人だ』(P. 83)

    逆境にあっては辛いことばかりですが、
    しかし、悪いことばかりではありません。
    転んでもただで起きないのが成功者です。
    逆境に陥ったとき、周囲の反応で本当の友人がわかります。
    あなたの不遇を陰で喜んでいる者、ぱったり寄りつかなくなる者、
    それみたことかと説教に来る者、好奇心で様子を見に来る者、様々です。

    そして、友人とは関係ないのですが、
    そういうときにこそ自分の心がよくわかります。
    というのも、不遇にあって自分の心が歪むのが分かるからです。
    どんな人でも、程度の違いはあれ、心理的ダメージを受けるものです。
    逆境のつらさに、他人をうらめしく思ってしまいます。
    だから、普段はなんでもなかった他人の行為や言動に
    敏感に反応してしまうのです。
    そういう心理をよく知っていると、
    他人に対して優しくなれるものです。
    その結果、逆境を乗り越えた人は
    どんどん魅力的になっていくのです。
    「艱難辛苦、汝玉にす」です。


    『賢い「妥協」こそ自分を大きくして伸ばしてくれる』(P. 37)
    自分がいままで築いてきたものを捨てるのは、
    とても勇気のいることです。
    しかし、それをしなくてはならないことが、
    誰しも人生において大なり小なりあるものです。
    いつまでも妥協できないでいると、
    全てがダメになってしまうことがあります。
    賢い妥協というものは、決して負けではなく、
    現実を見据えて適正な判断をした結果の賢い選択といえます。
    どんなに優秀な人であっても、
    いつでも最高の結果を得ることができるわけではありません。
    いい時があれば、悪い時もあるものです。
    だから、時として引き際の良さは、
    見切り千両として価値ある判断といえるのです。
    賢い妥協のできる人は、
    人生を豊かな方へ好転させることができるでしょう。


    『メッキの技は役に立たない。
    それより本業を大事に守れ』(P. 97)
    本業以外のことをやっている余裕は、若手ビジネスパーソンにはありません。
    少なくとも働き始めて数年間は、本業に集中すべきです。
    ビジネスの幅を広げるにしても、
    基本をある程度マスターしてからでないと絶対にうまくいかないからです。

    成功者は仕事の事ばかり考えているが、
    成功しない者は仕事以外の事ばかり考えているそうです。
    (里中李生氏著「35歳その後を決める男の生き方」参照)
    http://www.amazon.co.jp/gp/product/4806137227?ie=UTF8&tag=ezweb443-22&linkCode=xm2&camp=247&creativeASIN=4806137227

    自分の仕事とは、自分の本業のことです。
    もちろん、副業に手を出しても良いのです。
    しかし、本業をおろそかにしてまで副業をすべきではありません。


    『補佐役に必要なのは何よりも、
    「トップを研究すること」だ』(P. 153)
    誰に仕えるか、というのはいつの時代も大変重要な問題です。
    世の中には、ただ相手を利用するだけして捨てようとする
    不逞の輩が存在するからです。
    (犬飼ターボ氏著「星の商人」参照)
    http://www.amazon.co.jp/gp/product/4763196529?ie=UTF8&tag=ezweb443-22&linkCode=xm2&camp=247&creativeASIN=4763196529

    そういった者のために、あなたが尽力する必要は全くありません。
    トップをよく観察することです。
    今のトップは、あなたが尽力して助けるほどの価値ある男でしょうか。
    そうでないなら、あなたの査定が下がらない程度に頑張って、
    現在の組織のトップが代わるのを待つか、
    自分が転職して上司を代えるかすべきです。

    そして、理想のトップとはどういうものか、
    それを模索し続けるのがよいでしょう。
    そうしているうちに、あなたは成長し、
    補佐役でおさまりきらなくなります。
    そうなったとき、
    あなたがトップに躍り出る順番が回ってきたといえるでしょう。
    常日頃から、トップとは何か、どうするべきか考えてきた人と、
    そうでなく、ただトップになりたかった人との差は歴然です。


    『自分が正しければ、人を裁いてもいいという姿勢が
    周囲の理解を得られない最大の原因になっている』(P. 210)
    本書のなかでも目を引くのは、この西郷隆盛の話でした。
    西郷隆盛は若かりしころ下級武士として島津斉彬に仕えていました。
    西郷は斉彬宛に「現場は腐敗しきっているなぜ手をうたないのか?」と
    現場の上司を名指しで批判し、書面にて内容を伝えていたのです。
    しばらくして、その斉彬から西郷にお呼びがかかりました。
    だいたい以下のようなやりとりがあったとされています。

    斉彬「この意見書はすべて読ませてもらった。
    返事を書かなかったのは理由がある。おまえはまだ若い」
    西郷「若いというのはどういうことでしょう?
    私は役所の中で誰よりも正しいと信じております」

    そんな生意気な返答にも斉彬は怒らず、
    斉彬「それが若いというのだ。
    自分が正しければ、誰を裁いても構わないという姿勢が
    周りから理解を得られない最大の原因になっている」
    西郷「!?」
    斉彬「どんなによいこと、正しいことを考え付いても
    現世は神や仏の世界ではないのだから、
    それらがすぐに実行されるとは限らない。
    人間は人間特有の考え方がある。感情もある。
    だから自分がどんなに正しいと思っても
    周りからどのように見られているか知ることが大切だ。
    これを強調性という。これがおまえに欠けている」
    西郷「・・・」
    斉彬「おまえはすべて自分は正しいと思っている。
    そして、そういう正しい自分を重用せずに
    賄賂をとる堕落役人ばかり重用しているのは
    その役所のトップがダメだからと書いてきた。
    そのとおりかもしれない。
    だが、ひとつだけおまえに言っておかねばならないことがある。
    いいか、
    おまえがダメトップだといって告発したお前の上司が、
    西郷ほどの優秀な人物はおりません。
    どうかはやく城に引き上げて、引き立ててやってください、と
    書いてきているのだぞ?
    こういうことをおまえは知っているのか?」

    ここで西郷は自分の青さに気づいたといいます。
    ただ、自分が正しいからということのみで
    相手を責めていいということにはなりません。
    苦言を呈することは良しとしても、相手には相手の事情もあるはずです。
    そういうところまで察していかなければ、正しいから、の一言のみで
    人は動いてくれませんし、逆にうるさがられて反発されてしまうでしょう。
    正しいことだけで世の中は動いているわけではないのです。
    それを「若い」と指摘されたのです。
    人は正しいことをすべきです。
    ですが、人には何かしら理由があるものです。
    ただそれだけで、不変の正義は存在しません。
    自分にとって正しいことでも、相手の事情を鑑みず
    批判ばかりしていては多数の支持されることはないのです。
    このととは肝に銘じておかねばならないと感じました。


    『自分の原則をもて』(P. 230)
    一番シンプルで筋の通った生き方とは、
    絶対に譲れない一線というものをいくつかもつことです。
    やってはいけないことを決めたら、それは絶対にやらない。
    しかし、それ以外のことは法に触れない限り、
    世間で少しぐらい批判されても、あんまり気にせずに自由にする。
    そういう柔軟性がある人の方が、全てにがんじがらめに縛られるよりも
    時代の波にのりやすく、従って成功をおさめる確率も高くなると思います。

    原則を持たない一番の弊害は、決断の都度迷いが生じることです。
    しかも、その度に最善の選択を自分ではしたつもりであっても、
    日頃の言動とのギャップが生じることになるのです。
    そうすると周囲はどうみるでしょうか。
    あの人は、いざとなったら言ってることとやってることが違う、
    なんて噂されてしまうかもしれませんね。
    これでは人は絶対に信じてついてきてくれません。
    悩む頻度が多く、精神的に疲弊する割には報われないのです。
    だから、特になんらかのリーダーたる立場の人間は特に、
    自分なりの原則を早く決めて、それに従って行動する方が良いのです。

  • 小物の私には難しそうです。

  • いろいろな武将のエピソードから、人間としてデカくなるのに使えそうな話を紹介・解説している。「男の器量」というタイトルだけど、男か女かというより、トップの器量って話かな。
    「一見つまらない仕事でも面白くしてみせる」「名指導者ほど“弱み”を自信を持って見せる」とか、うんうんなるほど、です。
    ビジネスマンのお役に立ちますというスタンスで書かれているようですが、説教臭かったり啓蒙しますという感じはなくて、小説家だから話も面白いです。

  • 歴史絡みの思想が興味をそそります。
    自分が抱いている武将のイメージだけでなく、その奥に隠された武将たちの思想。
    時代は違えども、その生き様に共感と感動を覚えます。

    童門冬二にはまりました。

  • 目次を見て、面白そうだと思って購入したが、
    ほとんどが歴史上の人物達のエピソードだけで、
    言いたいことがまとまっていない。

    歴史に長けている人なら頷けるのかもしれないが、
    体系的に書かれておらず、読みにくかった。

  • 逆境、殻破り、妥協、度胸、機転

  • 歴史小説家であるだけにまずおもしろい。よく知っている,幕末,戦国時代を生きてきた人々の生き方を紹介し,それから学ぶべきことを伝える。分かりやすく,自己啓発できる良書。

    (抜粋)
    彼らは仕事や職場を「生涯学習の場」と認識していたのである。だから「学べる人・語れる人・学ばせる人」の三通りに人間と遭遇することを至上の喜びとして生き抜いたのである。p20
    中江丑吉「人間はそれぞれ自分が守るべき原則を一つか二つもてばそれでいい。他のことはサッパリ妥協してしまえ」p43
    日本の特質の一つに,「何を言っているのか」を大切にしないで,「誰が言っているのか」ということを重視する気風がある。つまり,”何を”という「内容」よりも”誰が”という「言い手」を気にするのだ。p131
    「死なれると困る人」なんで一人もいないのである。p161
    人を育てる場合に難しいのは,育てる側が育てる人間にもっているイメージと,育てられる側が自分に持っているイメージとの差が甚だしいときだ。p227
    自分だけが正しいと思いこんでいるので,人の言うことなんか聞かない。p228
    島津斉彬→西郷隆盛「自分がいくら正しいと思っても,まわりの人間がその人間をどう見ているかを知ることも大切だ。これが,人間に必要な協調性とか,協力とかいうことになる。おまえには,まったくそれがない。p231
    西郷よ,おまえは自分を高く評価せよ。しかし,謙虚に生きなければならない。p239

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著者プロフィール

歴史作家。東京都知事秘書、広報室長、企画調整局長、政策室長を歴任。退職後作家活動に専念。人間管理と組織の実学を歴史の中に再確認し、小説・ノンフィクションの分野に新境地を拓く。『上杉鷹山』『小説徳川吉宗』など著書は300冊を優に越える。

「2023年 『マジメと非マジメの間で』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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