武士道

  • 三笠書房
3.54
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本棚登録 : 840
感想 : 81
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  • Amazon.co.jp ・本 (223ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784837917007

感想・レビュー・書評

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  • 評価などとは恐れ多いので特にしませんが、外国に武士道というものを紹介した本の逆輸入という感じでしょうか。ある意味今の日本人にはなかなか理解できない部分が多いので、武士道の成り立ちを知るにはとても良い本かと。
    ここで語られる武士道というのは、どちらかというと信心をあまり持たない日本人のモラルの基礎になっている物が何なのか?という所で、いかに武士道の高潔な精神が作用しているかという事を説明している本かと思います。卑怯な行いをする事自体が自身を貶める事になる為、法によらなくとも曲がった事が出来なくなるというそういう考え方によって、誰(神や仏)が見ているのではなく自分で自分を見つめているのだという事と感じました。基本的には神道を元としている考え方なので、神道の祭られている対象によくある鏡というものは、鏡に写り込んだ自分の中に神を見よというメッセージなのであります。

    さて、昨今の嘘まみれの世の中、自分の中の良心と対話して、好きな自分でいる為に出来る限り嘘の無い生き方をしていきたいと思います。

  • 三葛館一般 156||NI

    著者は旧五千円札でも有名な新渡戸稲造です。武士という身分、そして日本の社会風土・精神が作り出してきた武士道と名づけられた独特の思想や考えをまとめた本書は、1900年にアメリカで出版されて以来、大きな反響が寄せられてスペイン語・ドイツ語・イタリア語など様々な言語に訳され、出版を重ねてきました。武士にとって「義」・「勇」・「仁」とはどのようなものなのか、また切腹という行為や刀という道具はどのような意味を持つのか。などこの1冊で武士道について必要なことを知ることができるようになっています。現在でも経営者やビジネスマンの必読書として愛されている本にもなりますので、ぜひオススメです!
                                  (うめ)

    和医大図書館ではココ → http://opac.wakayama-med.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid= 41212

  • 日本人の道徳教育の根底にあるものはなにかを考えた時の著者の答えが封建制と武士道であり、これを詳細に解説した。元々外国人向けで書かれたようだが、日本人が読んでも海外の人々との違いを明らかにされたようで読んでいて興味深い。これまで無意識に判断、行動していたことが歴史を絡めて肯定的に解説されていて小気味いい。
    いつか再読したい。

  • 期待と内容は違ったが勉強になった。

    日本には宗教が無いと言われている。
    その中で、どのように道徳倫理が身に着けられているのか?
    それは武士道というものが脈々と受け継がれていることに起因している。

  • 「宮本武蔵」と好きな理由はまったく同じです、日本人としての考え方が非常に勉強になります、昔は道徳を武士道から学び、それが今も自分たちの考え方の出発点になっている部分などに時代を超えた価値観や歴史上の過去とのつながりを感じることが出来ます、私は海外旅行が大好きで他国の文化に触れることが海外旅行の一番の楽しみです、特に他国の文化、生活習慣、考え方などなど、そんなときに「武士道」を読んでいると楽しさも2倍になること間違いなしです!

  • 読む時期ではないため、数年後、また読もう。

  • 日本が欧米に対抗する唯一の国として対抗し、高度経済成長を成し遂げたのも武士道のおかげだし、平成から続く経済停滞の要因となっているのも武士道の残滓によるものと言える。
    後者の文脈で否定されがちな「日本的な考え方」についてフラットに論ずるにあたり日本人なら読んだ方が良い本。

    端的に言えば武士道はさまざまな思想の相互関係によって成り立っているもので、一部のみ濫用されることで問題ばかり起きてるのが現在と言える。
    たとえば主君への絶対忠臣は、主君が損得勘定ではなく仁義を優先するから成り立つものだ。主君が損得勘定だけで動き、社員が奴隷的に従うだけであれば、現代のブラック企業のようなものになってしまう。

    このように現代は大事な部分が失われ、権力者の都合の良い箇所のみ残っているとも言える。
    武士道の精神は商売と相性が悪いとされ、現代も武士道的な価値観を大事にすることへの是非はあるが、普遍的な価値観として学ぶべき点が多かった。

  • 日本には宗教による道徳教育の代わりに武士道があった。
    武士道は中国古典を礎として成り立っている。
    たくさん本を読む人にとっては目新しさはあまりないかもしれない。私の理解が十分とは言いませんが。

  • スタンダードなのだなあと思っていながら
    読んだことがなかった。
    実は「国家の品格」に出てきたのをきっかけに読んだ。
    (あれは極端で偏りすぎている)

    訳が新しいので読みやすい。

    「序文」1ページ目で、武士道の意義は明瞭簡潔に示されている。
    新渡戸稲造がベルギーの法学者との会話で受けた一言
    「あなたがたの学校では宗教教育がないとは。
    ではいったいあなた方はどのようにして子孫に
    道徳教育を授けるのですか?」


    そう、序文で早くも気づかされた武士道の意義とは、
    「道徳の規範」。
    思えば、子供心から確かにあった善悪の区別から始まって、
    「かっこ悪い」事への共通認識、道義的な壁の前で迷ったときの
    無意識の道しるべ・・・こういうものすべては、
    「武士道」に、弱いながらも確かにその残り香を感じる。

    今について言えば、合理主義だけで説明できない日本特有の
    道徳観、価値観。
    最近それらが合理的なものに押されて薄れつつある原因は、
    規範とするに欠点があるからではなく、そのルーツがはっきりしなくて
    基盤が脆弱だからじゃないだろうか。
    その基盤こそが、武士道だったのではないか、と感じた。

    と、いっても封建社会を目指すとか右寄りになろう
    とかいうのが趣旨ではない。
    終盤では新渡戸自身も武士道の衰退を見据えている。
    それでも「いずこよりか知らねど近き香気」
    として、形式でない精神の中で生き続ける。


    「文化」として残る精神構造って、大事だな。
    とっつきやすくイメージしやすいのはこんな感じだろう。
    http://web.sfc.keio.ac.jp/~t93272at/Wonder_j/wyguide5_j.html
    舞台はアメリカだけど。第72話、アルバイト最終日にケビンが
    自然にとった行動。

  • いま人は何を考え、どう生きればいいのか。

    ・「勇」――いかにして肚を錬磨するか
    ・「仁」――人の上に立つ条件とは何か
    ・「礼」――人とともに喜び、人とともに泣けるか
    ・「誠」――なぜ「武士に二言はない」のか
    ・「名誉」――苦痛と試練に耐えるために

    本書は、強靱な精神力を生んだ武士道の本質を見事に解き明かしている。
    武士は何を学び、どう己を磨いたか。日本人の精神の基盤がここにある。英文で書かれ、欧米人に大反響を巻き起こした最高の名著が、新装版で登場! --このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。

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著者プロフィール

1862年南部藩士の子として生まれる。札幌農学校(現在の北海道大学)に学び、その後、アメリカ、ドイツで農政学等を研究。1899年、アメリカで静養中に本書を執筆。帰国後、第一高等学校校長などを歴任。1920年から26年まで国際連盟事務局次長を務め、国際平和に尽力した。辞任後は貴族院議員などを務め、33年逝去。

「2017年 『1分間武士道』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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