「人を動かす人」になれ!

著者 :
  • 三笠書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (235ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784837917687

感想・レビュー・書評

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  • 根性論的だか、結局は熱い気持ちこそが、社員を動かす原動力となることを説く。経営は知識やテクニックの前に気持ちが大切だと、認識させられた。

  • 日本電産社長。永守重信氏の本。
    情熱、バイタリティに溢れている内容でした。
    本気で叱り、その後のフォロー、配慮を忘れない。
    強いリーダーには厳しさが必要。
    社員を愛し、思ってるからこそ出来ることが書かれていました。

  • 私は社員や部下の一人一人に対して、心の中で貯金通帳を発行してきた 経営者や管理者が心得ておかなくてはならない大事なことは、どんな状況にあつても「アイ・アム・ ファイン!」といえるかどうだ 勝者をより強くするよりも、敗者を勝者にするやり方を! 創業25年で、売上げ高2600の企業グループに成長した 物事を実現するか否かは、それをやろうとした人が“できる”と信じることから始まる ベストを求めず、徹底的にベターを追求する まず組織ありきでは人は動かない

  • *個人の能力の差なんて5倍も違わない。他店と同程度の料金で5倍の美味しいラーメンをつくったり、5分の1のスピードでお客にラーメンを出すのはまず不可能だ。だが、店員の意識を変えることによって、お客の気分を100倍よくするのはそれほどむずかしいことではない。この店が繁盛しいているのは、ズバリ店員の意識の高さ、すなわち経営者の意識の高さである。恐らく、このラーメン屋の経営者はラーメンの味にこだわる以上に店員の意識改革にこだわっているのだと思う。わたしの人材に対する考え方もこれとまったく同じ。能力の高い人を採用するというよりも人並みの能力を持つ人材を採用して、彼らの意識を高めることに全力を傾注する。人を動かし、ビジネスに成功する原理原則がこのなかに凝縮されている。
    *わたしは会社の利益を生み出すのは製造部門、会社の将来を決定づけるのが技術開発部門だと考えている。すなわち、メーカーにとって会社の命運を決めるのがこの二つの部門だ。この現場を無視して、会議だけで現場や人を動かそうというのは犯罪行為にも等しい。こうした姿勢は徹底的に排除していかねばならない。会議をする時間があるなら、一度でも多く現場に足を運び、現物を見て、現物に触れて、現場で判断する。この基本を忘れたメーカーに未来はない。組織が急成長した結果、招きやすいもう一つ弊害が、安易な外注に頼りがちになるということである。設備投資を行って、工場やラインを自前でつくる。そして社内で研究開発、設計を行って、製品をつくる。同時に品質管理、品質保証の思想を確立して実践していく。これがメーカーの本来あるべき姿である。にもかかわらず、組織が大きくなると、この部分で手を抜いてしまいがちになる。その大きな理由は、まず設備投資をするよりも外部に依頼した方が安上がりにできるということ。さらに人も少なくて済むし、何よりも管理がしやすいのである。しかし、こうした考えを持てば社外に自社のノウハウが流出し、メーカーとしての手足をもぎ取られたも同然の状態になってしまう。「現場•現物主義に徹し、モノづくりの全てを自前でやっていく。」というのは、わたしの揺らぐことのない信念である。
    *わたしの考えるもっともすばらしい人生とは、来る日、来る日が過去の人生のなかで最良の日であると実感できる、すなわちきのうより今日、きょうより明日がよりじゅうじつしていることだ。同じところに止まっていては、これを感じることはできない。
    *会社における部門のやくわりとは、いったい何か。それをながもり流にまとめたものが、次の「会社各部門の役割」である。•利益を生み出すのは製造部門•会社の将来を作り出すのは技術開発部門•会社を成長させるのは営業部門•よい会社に導くのは間接支援部門•会社を強くするのは経営者。エッセンスだけを凝縮し、簡潔明瞭にまとめた。各部門のリーダーはこの短いセンテンスの上っ面だけではなく、奥にある深い意味も読み取ってほしい。たとえば、、製造部門は利益を生み出すとなっているが、そのためには価格やコストダウンはもちろんのこと、品質や納期、ヒト、設備、他部門との連携なども含めて利益アップを図って
    いく必要があるということだ。まずは、言葉の意味を理解する。そして、自分なりの解釈を加えて部下一人一人の仕事のなかに落とし込んで、具体的に何をすべきなのかの目標を与えて、指示を出す。指示も出しっぱなしにするのではなく、進捗具合のチェックやフォローも行い、目標を達成するまで見届ける。これがリーダーの本来やるべき仕事で、目標設定や指示が適切であれば部下は必ず動く。この手順を忘れてはならない。
    *幹部候補の研修会用として最近つくったレジュメの一つに、「求められる人材とは」とタイトルをつけたものがある。これは、わたしの経営者人生25年間の集大成といえるもので、1、野心のある努力家 2、プライドのある情熱家 3、やり抜くネアカ 4、負けず嫌いの耐心家 5、経営感性をもつ細心家 という5つの条件を掲げている。最初に断っておくが、このうち1項目にでも該当するような人材は、恐らく数百人採用しても1人いるかいないか。1人いれば御の字だと考えているので、ほとんど理想に近いと解釈してもらったらいいだろう。なぜなら、几帳面な人ほど融通が利かないのと同じで、大きな野心を持っている人間ほど努力をしない。プライドの高い人間ほど1つのことに情熱を燃やせない。また、物事に執念を持って取り組む人間ほどオタク的な性格を持っている。さらに、負けず嫌いな人間ほどキレやすく、我慢することができない。そして、経営感性にすぐれている人間ほど大雑把で、デリカシーにも乏しい。しかし、野心家が努力すれば鬼に金棒だし、すばらしい経営感覚の持ち主が人の心を打つような気配り、心配りができるようになれば人望は集まり、放っておいても部下はついてくる。
    *•楽をして儲かることはない。•うまい話には必ず大きな落とし穴がある。•理屈よりも行動することの大切さ。とことん集約すると以上の3点である。こうした話を何度も繰り返すことで、頭で理解するレベルから、体で覚え込んでしまう域にまで高めていくのである。トップの考える原理原則を会社の隅々にまで伝えていく。これこそが判断や決断と並んで、経営者にとって最も重要な仕事であると考えている。
    *会社の経営なんて実に単純明快である。原理原則に従って、当たり前のことを当たり前にやる。これ以上でもなければ、これ以下でもない。”継続は力なり“という言葉があるが唯一継続こそが力であって、誰にでもわかっている当たり前のことを、いかに継続させていくか。極論すると勝負を決するとはこれだけだ。われわれは小学校のときに「日本は天然資源の乏しい国で、海外と競争をして勝てるのは勤勉で優秀な労働力だけだ」という風に学んだ。事実、わが国がアメリカと肩を並べる経済大国にのし上がることができたのは、かつての日本人がそれこそ寝食を忘れて働いた結果であることは明白であろう。ところが、豊かになるにつれて、やれ休みがどうだとか、労働時間が長すぎるといったことばかりが議論され、特にバブル期には一生懸命働くことが罪悪でもあるかのような気風さえ蔓延していた。つまり、苦を放り出して楽だけを求めようとした。しかし、これは原理原則に反する行為だ。その反動でいまの不況を招いたわけだが、企業はやれリストラだ、スリム化だと安易な道ばかり選択し、社員に「もっと働こう」とハッパをかける経営者はほとんど皆無である。このようにいうと、「ただでさえモノ余りの時代に、そんなにモノをつくってどうするのか」といった反論が返ってくる。しかし、モノはまったく売れていないのだろうか。いかに不景気であろうが、消費がゼロになったわけではない。より多くの人たちに必要とされるモノをつくり続けるかぎり、モノが売れなくなることはない。必要とされるモノをつくり出す努力を怠ったからモノが売れなくなったのである。いかなある時代であっても、経営者は社員に対して、「もっと働こう」と胸を張っていえる信念と自信が不可欠である。社員にこう訴える限りは、経営者は社員の2倍、3倍働かなくてはいけない。わたしは創業以来、365日フル出勤、正月もなければ、夏休みもない。朝7時には1番乗りで出勤し、夜は9時、10時まで働くのが当たり前になっている。本格的な後継者づくりを真剣に考えはじめているが、その条件はたった一つ。日曜の夜が楽しく、月曜の朝はもっとワクワクするという人物だ。いくら経営センスにすぐれていたり、能力が高かったとしても、休みの前日になると生き生きして、月曜の朝にしょぼくれているような人物に大切な会社は任せられない。
    *わたしはベンチャー企業が忘れてはならないキーワードは、「売ってからつくる」こと。すなわち、「こんな製品を開発したから買ってください」ではなく、「貴社に必要なこのl分野の製品は、すべてわが社でつくります」という姿勢だと考えている。だから、社員に対して「一にマーケティング•セールス、二、三、四がなくて五に技術開発」というのが、わたしの口癖になっている。それほどベンチャー企業にとってはマーケティング•セールスが大切だということである。「売ってからつくる」ことは、「勝ってから戦う」ということでもある。戦ってみなければわからないというなら、まだ慎重にもなれる。しかし、戦えば勝つと過信して戦いを挑めば必ず油断が生じる。勝負とはそんなものだと思う。だからこそ、勝ちを最初に決めておいてから戦いをすべきだという理屈にもなっていく。だからといっって技術を軽視しているわけではない。基礎的な研究、基礎技術の蓄積には、たゆまぬ努力が払われなければならない。しかし、それとモノづくりとは切り離して考える必要がある。モノづくり優先の考え方だけで経営を進めていくと、一歩間違えれば在庫の山を抱えてしますことになりかねない。銀行も、ベンチャー企業の技術力に対して融資してくれるのではない。製品が売れ、利益があがって返済できるという見込みに対して金を貸してくれるのである。「技術過信に陥らず、ユーザーを常に意識して、ユーザーを軸にして技術力を発揮すること」わたしが技術者に口を酸っぱくして訴えているのは、この言葉である。
    *「世の中の競争なんて、鼻先3分の差ぐらいでしかない。勝つのはそんなにむずかしいことではない。人よりちょっとだけ努力したらいい」と、彼らを相手にわたしは話をはじめる。さらに、「会社でも個人でも相手の力が少しだけ上なら、時間で勝負すれば勝てる。つまり、相手が夕方の6時まで仕事をしているのなら、こちらは6時半まで、相手が8時までならわれわれは8時半まで働く。そうやってわが社はライバルとの競争に勝ってきた」と続ける。これは事実である。モーターメーカーとしては後発、人手も、設備も、資金もないところからスタートしたわが社は、ライバルと互角に競争できるのは時間だけ。それなら時間だけでも勝とうと、他社の2倍の時間働くことを実践した。「できませんとか、無理です、おもしろくない、やりたくないといった否定的な言葉、消極的なフレーズはできる限り使わないように心がけるだけで、ユーザーや上司、そして後輩からのウケもよくなって、仕事も人生も拓けてくる」とわたしの声も一段と大きくなる。「もう一つ大切なことは、人の心を知ること。自分の立場でしか物事を考えられない人間は、誰ともうまくやっていけないから、何をやっても失敗するのがオチ。後々後悔しないためにも人の心がわかる、人の気持ちを汲み取る訓練をしておく必要がある」「成功するかしないかは、結局は自分に克てるかどうかで決まる。もう、これでいいとか、明日があると思った途端に土俵の外に押し出されてしまう。勝負というのはこんなものだ」と若手社員に訴えつつ、わたし自身にも同じことを言い聞かせる。1回では通じなくても、10回やれば、10回でダメなら20回やるというのが、わたしの信念であり、執念でもある。

  • 著者のその他の作品と被るところが多いが森永氏の情熱、熱意、執念がよく伝わってくる。
    叱るだけで無くそれ以上に気遣いもしている点は流石であり人見て鍛えて行くことに長けている。
    最近の世の中ではハードワーキングを前面に出していることは少なくなっているので新鮮に映る。

  • k部長推薦書

    序章 「一番以外はビリと同じ」と考えろ!
     10.周囲に反対されるほどのことを実現させて、はじめて人がついてくる
      「物事を実現するか否かは、まずそれをやろうとした人が”できる”と信じたときにその仕事の半分は終了している
    1章 「人を動かすのがうまい人」のこのやり方
     13.「いわなくてもわかっているだろう」という態度をするな
       部下の描いたドラマのなかに飛び込んで、一緒にドラマを演じる、そしてともに感動する。
     18.「権限委譲」と「責任委譲」を勘違いするな
    2章 指示の出し方―何をどう話すか
     19.人望を得るために絶対必要な五つの条件
      一.ギブアップしないこと
      二.影で人の悪口、特に部下の悪口はいわない、いわせない
      三.ごまかさないこと
      四.正論、すなわち理詰めで部下を追い込んでいかないこと(特に部下が理解している場合)
      五.休まない
     21.大勢の部下を前に話すときは、テーマを一つか二つに絞り込め
     25.部下の提案に「しかし」をつけるな
     26.部下の将来を具体的な数字で見せろ!
    3章 叱り方、褒め方1―人を動かすこのノウハウ
     36.相手の土俵にあがって、自分の相撲をとる方法
    4章 可能性を秘めた人間を見抜く、育てる
     38.仕事も人材も、ベストを求めずベターを追及せよ
    5章 女性、中途採用―相手によって手法を変えろ!
    6章 叱り方、褒め方2―“部下”を動かすこのルール
    7章 理屈で人は動かない!だから―
    8章 リーダーの敵は、妥協である
    9章 組織を動かす人が絶対知らなければならない「考え方」
    10章 1回でダメなら、20回続けよ

  • ttp://www.mikasashobo.co.jp/book/ISBN4-8379-1768-2/

  • ・自分を鍛える。仕事を好きになる。自分も一流になる。
    ・人を見抜け。いい人材には大事なところを任せろ!
    ・部下を愛せ!好きなことをやらせろ!長所は短所をカバーする。
    ・能力はMax5倍、意識はMax100倍にすることができる。

  • ●仕事も人材も、ベストを求めずベターを、追求せよ。
    ●「三倍の法則」が女性を動かす

  • M&Aで急成長を遂げる、という枕詞がよくつく日本電産の創業社長。ただのワンマン経営者ではないだろうな、と思っていましたが、いい意味でもそうでない意味でもものすごく独特で、完全に芯が通っている感じ。今でこそかなりの規模ですが、ベンチャーの気風を敢えてなくさないように会社を育ているという工夫が垣間見えます。普通に読んだら極端なエピソードも多発しますし、正直、この人で働くのは厳しいだろうなぁとは思いますが、この人の下で育てられれば相当なビジネスの筋力がつくだろうなということは想像に難くありません。業界的に私は興味があまりない方向ですが、会社の行く末や戦略は今後も注目したいです。

著者プロフィール

永守重信(ながもりしげのぶ)
1944年、京都生まれ。職業訓練大学校(現・職業能力開発総合大学校)卒業。73年、28歳で従業員3名とともに日本電産株式会社を設立、代表取締役社長に就任(現在は会長)。あらゆる種類のモーターと周辺機器を扱う世界No.1の総合モーターメーカーに育て上げた。日本電産は現在、世界中に300社を超える関連会社を擁し、従業員約11万人(関連会社を含む)という巨大グループに発展している。2018年、京都にて大学及び幼稚園を運営する学校法人の理事長に就任。直ちに学校法人名を永守学園と改称し、運営する大学の改革に着手。19年、大学の名称を京都先端科学大学に変更。20年、同大学に工学部を開設。21年、法人合併により京都学園中学高等学校を傘下に収め、京都先端科学大学附属中学校高等学校とした。また22年、ビジネススクール(経営大学院)を開設するなど、世界で通用する即戦力人材の育成に情熱を注いでいる。著書に『成しとげる力』(サンマーク出版)、『永守流 経営とお金の原則』(日経BP)、『人生をひらく』(PHP研究所)、『大学で何を学ぶか』(小学館)などがある。

「2023年 『運をつかむ 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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