学問のすゝめ―人は、学び続けなければならない

  • 三笠書房
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本棚登録 : 320
レビュー : 36
  • Amazon.co.jp ・本 (225ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784837918806

作品紹介・あらすじ

なぜ、いまなお『学問のすゝめ』はこんなにも新鮮なのか!この本には、抽象論は一つもない。すべて、現在および未来への具体的・実践的提言である。たとえば、時に孔子・孟子さえも容赦なく切り捨て、今川義元とナポレオン三世の「部下の質」を問題にして危機管理力をズバリ説いてみせる。抽象論は役に立たない。福沢"実学"に勝る人生勉強はない。

感想・レビュー・書評

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  • 新訳でやはり読みやすい。

    国の主人たる国民は、無学を恥とし、
    社会の繁栄に貢献しなければならない。
    官のほうが禄の割がいいからと官になるのは
    国費の乱用である。
    また民も官に対して卑屈な態度をとる必要はなく、
    そうなるべきではない。
    個人の独立とは経済的側面だけでは十分でない。
    ・・・などなど。
    これらはすべて開国間もない時代の
    いわば未開なほとんどの国民の現状を顧みて
    奮起を促した言葉たち。

    他にも、
    法には従え
    税金は払え

    恥ずかしくも、今の時代に同じ事を言われて当然の人々もいる(年金も含めて)が、そのレベルは明治以前としかいえない。
    (そういう低いレベルのことを指摘するための書ではない、少なくとも現代においては)

    独立の気概、自分自身に対する責任とは、等々、
    今の日本でも課題といえることを
    明確に述べている。
    やっぱり良書だ。

  • 福沢諭吉の「学問のすすめ」。ずっとこの世に引き継がれているだけはあり、学び続けることの重要性を実感できた。

    今、女性の権利についてかつて無いほど盛り上がっているが、学問のすすめにおいても、女性と男性は平等であると説いていることに驚いた。特に、この時代において、夫がなぜか贔屓され、妻が虐げられることを痛烈に批判している。どこまでも、人間における、平等の可能性を広めることを重要視していたのだろう。


    この本で面白いのは、筆者のあとがき部分。慶應義塾大学で教授である筆者が、実学の重要性を説きすぎた福沢諭吉をシニカル語っていることだ。福沢諭吉は経済学や法律学などの学問を奨励する一方で、文学などを批判した。全く世の役に立たない自己満足の学問であると。その、実学偏重主義によってか、いまの慶應義塾大学は、およそ学問を修めるような場となっておらず、学生が全然勉強しないこと、教授陣も教育に熱を燃やしていないことを嘆いている。

  • こんなに有名なのに、実際に読んだ人は少ないとも言われているベストセラーである。
    こちらは読みやすい現代語訳ヴァージョン。
    しかし現代語じゃないほうが迫力がある。
    同じ日本語なので、現代語のほうを読み終わったら原書?に挑戦するとより一層の諭吉節が伝わってきて感動する。

    この本の中で、福沢翁は「勉強しなさい」としきりに学ぶことの大切さをしつこいくらい説いているが、今現在の日本の状況を見ていると、福沢諭吉の偉大さに愕然とする。

    人任せにしないで、自分で動いて自分で調べる。それが学ぶということ。
    自分で考えることを放棄してしまうと権力者に騙される愚民になり下がっても知らんぞ。と、この時代から日本の未来を案じていたかのように。

    今からでも遅くない。
    学問は永遠に不滅なのだ。

  • 福沢諭吉という男が、一万円札のあやつが、まさかこんなにアツいオヤジだとは思いもしなかった。正直吃驚しました(笑)名前こそは有名なものの、皆様はその内容に関しては知らない方の方が多いのではないでしょうか?読み終えた時、こんなにも日本人としての自分を鼓舞させる本には今まで出会わなかったなと感じました。日本人、一度は読むべきではないかと思います。起爆剤。
    「悪政、愚民の上にあり」、まさにその通りであります。
    現代語訳なので、著者の表現が内容を左右してはいるでしょうが、やはり読みやすいことはありがたい。他の現代語訳もあるみたいなので読み比べたいとも思いました。
    最後に、自分が高校時にこの本を読んだら恐らく慶応義塾大学に進学したと思います(笑)

  • 通勤の車の中で聴くオーディオブック第二弾は『学問のすゝめ』
    「天は人のうえに…」ばかりが取り上げられるが、本質はそこではなく、人には貴賤の差はなく平等だが、学問を身に着けたかどうかの差は大きい、というところ。しかも、その学問とは教科書や難しい書物で覚えたことばかりではなく、「世を渡る」のも「商売の帳簿をつける」のも「時代の情勢を見つめる」のも学問なのである、と説く。何ということ。ワタシは完全に福沢諭吉を誤解していた。
    諭吉の言う学問とは実学を指しているのであり、いくら経済学に詳しくとも米の市価を知らなければ何の意味もない、ということなのだ。

    「独立」をキーワードに説教(敢えて、説教と言おう)はさらに続く。自分で自分の身の始末をつけ、他人を頼る心がないことを「独立」と言い、他人の考えに影響されず、自分で物事の理非を見分け、自分の行動にまちがいを起こさぬ者を「独立人」と言う。後頭部に、ガツンとかまされたかのような衝撃が走る。

    書いていくうちに筆に勢いが出てきたかの如く、説教は止まらない。
    独立の生計を立てたからと言って、それだけで立派だとは思わない。それでは生まれた時と死ぬ時とでは何も変わらないではないか。世の中のために貢献しなければ、人間としての責務を果たしたことにならないのだ。そして、自身の実力を発揮し、世の中に貢献するためには人望を高めなければならない。そのための条件は3つ。言葉を効果的に使うこと、顔を明るくして人に会った時に嫌われぬようにすること、そして新しい友を作ること。
    もう ぐうの音も出ない。

    でも、これではあまりにも悔しいので、ひとつだけ返してみる。「独立」はもちろん大事だが、他人を頼ることも実は非常に重要なことだ。いま自分がいる米国を見てみると、例外的に全部自分ひとりで何でもやるスーパーマンは存在するが、自分にできないことはできる人にやってもらおう、できる人を連れてこよう、という思想がある。一方、日本で同じことをやろうとすると「他人に迷惑をかけるな」という子どもの頃から聞かされてきた、独立を促す言葉が邪魔をすることが少なくない。
    一概にどちらがいいとか悪いとか言う話ではないが、諭吉に一発ジャブを返したことになるだろうか。

    今回はもうブックレビューの体を成していない。自分へのメモ。

  • Febeで安くなっていたので、なんとなく読んだ(聴いた)のですが、期待以上でした。特に、「実学」を、まず学ぶべきという教えは非常に共感できました。

  • 意識高すぎ。ちょっと難しい言い回しが多かった。

  • 本書を読んで一番感銘を受けたのは、学問のすすめ九編です。ここに書いてあることを要約すればこのようになります。
    「生計を立て独立を保つだけであれば、それは蟻と同じである。我々が過去の先人たちの遺産があるからこそ豊かな生活を享受できるのであって、我々も同時代人や後輩のためにそういった遺産を残すことこそが尊敬に値する人間としての生き方である。」僕たちが先人の遺産(お金のことじゃないですよ)を受け継いでいるように、僕たちもそこに何かをプラスして下の世代にバトンを渡していく必要があるということを痛感しました。

  • ある方の薦めで読んでみたのですが・・・。

    まぁ、現代人が読むと当前のことが書かれてるような気がします。

    「愚民の上にか苛き政府あり。旧幕府政府のみならず、アジア諸国も一国の圧政の原因は、一人の暴君や権力者のせいだけではなく、人民の無知が自らの招くわざわいでもある。」
    「国民は法を自ら作り、自ら守るという二つの義務を負う。」
    「人間として、一身一家の生活が安定していることだけで、満足すべきではない。人間が天から授かった資質には、より高い務めを果たす力がある。社会の発展に尽くさねばならぬ。」
    「世話には、保護と指図の両方の意味があり、どちらも欠けてはならない」
    「自己宣伝こと必要である」
    「まず独立しろ、独立したら責任を持ち、税金を払える人間になれ」

    など、福沢諭吉の理論をわかりやすく書かれていました。

  • 西洋実学のすすめ、国と個人の立場と役割の自覚、歴史を動かした本、そして自分も動かされた。

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著者プロフィール

1935~1901年。豊前中津藩(現・大分県中津市)下級藩士の次男として生れる。19歳の時、長崎に蘭学修行におもむく。その後、大阪で適塾(蘭方医、緒方洪庵の塾)に入塾。1858年、江戸で蘭学塾(のちの慶應義塾)を開く。その後、幕府の使節団の一員として、3度にわたって欧米を視察。維新後は、民間人の立場で、教育と民衆啓蒙の著述に従事し、人々に大きな影響を与えた。特に『学問のすすめ』は、17冊の小冊子で、各編約20万部、合計で340万部も売れた大ベストセラー。その他の著書に『西洋事情』『文明論之概略』『福翁自伝』など。

「2010年 『独立のすすめ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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