眠れないほどおもしろい百人一首: あの歌に“驚きのドラマ”あり! (王様文庫 D 59-2)

著者 :
  • 三笠書房
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感想 : 22
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  • Amazon.co.jp ・本 (291ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784837966975

作品紹介・あらすじ

百花繚乱! 心ときめく和歌の世界へようこそ!

恋の喜び・切なさ、四季折々の美に触れる感動、
別れの哀しみ、人生の儚さ、世の無常・・・・・・
わずか三十一文字に込められた、
日本人の“今も昔も変わらぬ心”。
王朝のロマン溢れる、ドラマチックな名歌を堪能!

*稀代の色男の“元恋人”へのメッセージとは?――在原業平
*自らの美貌の衰えを、桜に重ねる――小野小町
*美しい紅葉を、神への捧げ物に見立てた――菅原道真
*暴君の詠んだ、驚くほど“清らかな恋心”――陽成院
*浮気をされてプライドはズタズタ――藤原道綱母
*月を見上げて詠んだ、切ない“望郷の念”――安倍仲麻呂
*一度は離れても、必ず再び逢おうと願う――崇徳院
*深窓の内親王の“内なる激しい恋心”――式子内親王

あなただけの“お気に入りの一首”を見つけてください。

感想・レビュー・書評

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  • 今までたくさんの古典文学を見てきたがそこにはたくさんの古典の世界ならではの慣習や地位などに対しての葛藤などを理解することができた。
    バックグラウンドを知っているだけで全く見方が変わってくる。
    やはり古典はどこまでも奥が深いのだと感じた。
    特に印象に残った作品はとしては伊勢物語。
    伊勢の斎宮がなぜ自ら在原業平のもとに来たのか漫画で読んだときは「何この女、結局自分から行くのかよ」と思ってしまったが、そこには悲しい運命にある二人の共感があったのだということがわかり、この斎宮に対しての視点が一気に変わった。

  • 眠れないというのは言い過ぎかな。でも面白いです。
    作者の板野氏が百人一首の選者藤原定家になりきって解説するので“なりきりスタイル”が苦手な人にはちょっとサムイかも。(定家(板野さん)は一人称カタカナのボクで若干軽いw)
    逆に言えば堅苦しくなく中口美保さんのイラストもあり読みやすい。
    “恋歌”や“女房の歌”等、100首は全8章にカテゴライズされており、順番はバラバラだが、最後にはちゃんと1~100番まで順に並ぶ索引があり好印象。
    掛詞や縁語についても解説されているので、古典初心者や歌詠みさんにもオススメ。

  • わすれじの

  • "百人一首"と聞くと、私がまだ中高生の頃に国語便覧をぼーっと見ながら「この歌の雰囲気いいな」とか「この言葉面白いな」とか思っていたなんてことない若かりし日々の一瞬を思い出します。大人になった今なら受け取り方も変わっているのではないかと思ってこの本を読みました。
    この本は歌をテーマ別に掲載しているので気になるテーマから読んでも良し、あえて1から100まで順番通りに読んでも良し、です。私は気になるテーマから少しずつ、好きな歌にチェックをつけながら読みました。チェックしながら読むと自分の好きな歌の傾向がわかっていいですね。中高生当時の朧げな記憶と今を比較してみると、当時から変わっていない自分の感性や反対に歳を取ったから生まれた感性なんかもわかって楽しかったです。

  • 古典に苦手意識がある人はこの本なら、百人一首のことをもう少し身近に感じることができるかもしれない。
    私自身、以前ほど古典への抵抗感が少なくなったように思う。

    31文字にこれだけの工夫と気持ちが込められていると知ると非常に面白いなと感じた。

  • お正月の、家族でのかるた取りの予習の為。
    (が、弟一家の長男がコロナ感染で帰省できず、勝負はお預け)

    ”眠れない”シリーズを、「古事記」「万葉集」、そして本書と年末年始に一気読み。奈良への帰省の旅の友としてお手頃だった。

    本書も、同シリーズ「万葉集」と同様に、歌そのものの解釈ではなく、どういう人物がどういう背景で詠んだものかに焦点を当てて、面白おかしく解説している。

    また、歌の順ではなく、有名人の歌、宮廷女房の歌、技巧を凝らした歌などなど、独特のカテゴリ分けをして解説を試みるなど工夫も見られ、一から百まで(おおよそ)時代順に見て行くのとは違った面白みがあった。

    そうして見ると、有名人括りのところは、実はこの歌人なら他にもっとよい代表歌があるのにということが多かったり、かるたでお気に入りでよく取るのは、実は意外な背景があるもの(歌の裏の意味があるとか、失脚の恨みが込められてるとか)だったりとか、そういう気づきもあって、面白かった。

    とはいえ、恋の歌、別れの歌の括りには、ほかの括りに入れても良さそうなものもあり、まぁ、百首をきちんとバランスよくグループ分けするのも難しかろうなと、そんな苦労にも思いを馳せながら楽しんだ。

  • 百人一首入門書。坊主めくりをおぼえた子が、カルタをめくりながら、この人だれー?などと聞くので、うろおぼえの復習。

    ちょうど大河ドラマ「鎌倉殿の13人」を見ているところなので、「鎌倉の右大臣は実朝のことか」とか「そういえば以仁王と式子内親王は兄妹」とか「二条院讃岐の二条って後白河の子供の二条か」とか、薄い知識がつながってきて楽しい。
    読んでいるうちに、天皇の関係がわからないと楽しめない!と思いはじめ、天皇や藤原家の系図を書きながら読んだ。選者の藤原定家がコメントしている体になっているので、どうしてこの歌を選んだのか、どうしてこの歌の並びなのかが解説されているところがおもしろい。もっと詳しく知りたい場合には、他の本が必要だけれど、ライトに百人一首に触れるにはよい本だと思う。

  • 歌かるたとして有名な百人一首を紐解くと、当時の人々の生活様式や恋模様、時代性などが見えてくる。
    雅やかな世界の住人に見えた歌人も、自分と同じ人間だったことを再認識する。
    43首もの恋歌からは時代が違っても男女の仲はそう変わらないということが分かり、なんだか親しみが持てた。

  • 百人一首を恋の歌、四季の歌などパターンに分けて解説した本。通してみるのには分量が多いので辞典的に見るのが良いと感じた。個々の解説は分かりやすい。

  • 競技かるたに憧れを抱いていた中学時代に読んだが、その後実際に競技かるたを始めた時にも、札のイメージとして強く印象に残っていた。
    イラストがついているなど、分かりやすく読みやすい。

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著者プロフィール

板野博行(いたの・ひろゆき)
岡山朝日高校、京都大学文学部国語学国文学科卒。
ハードなサラリーマン生活から、予備校講師に転身。
カリスマ講師として、全国の生徒に向けての講義や参考書を執筆。
『信長公記』の中で好きなのは松永久秀。
著書に、『眠れないほどおもしろい源氏物語』『眠れないほどおもしろい百人一首』
『眠れないほどおもしろい万葉集』『眠れないほどおもしろいやばい文豪』
『眠れないほどおもしろい徒然草』『眠れないほどおもしろい平家物語』
『眠れないほどおもしろい吾妻鏡』『眠れないほどおもしろい日本書紀』
『眠れないほどおもしろい徳川実紀』(以上、三笠書房《王様文庫》)の他、多数。

「2023年 『眠れないほどおもしろい信長公記』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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