運が味方につく人つかない人―幸田露伴『努力論』を読む (知的生きかた文庫)

著者 :
制作 : 渡部昇一 
  • 三笠書房
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本棚登録 : 31
レビュー : 3
  • Amazon.co.jp ・本 (269ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784837971979

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  • 人間が努力することは厳密にいうと人間としては不純なこと。
    他人に福を分け与えたければ、他人にも自分に福を与えたいと思ってくれるし、たとえ与えることができなくても、ひそかに福の来訪を祈ってくれる。
    努力というのは意志と感情とが相反している場合でも、意識の火を燃え絶たせて感情の水に負けないようにし、そうして熱してやまないことをいう。
    人間の力には限りがあり、学問の海は無限である。すべての学科に対して深く到達することは不可能だ。
    井戸は深く掘らなければ、水は得られず、学問も深く納めなければ役に立たない。学問は偏狭になってはいけないが、広く浅くになってしまうのも困る。
    血を整えて気を助け、気を練って心を助け、心を澄まして精神を助けよ。

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    努力を歓迎しない人たちもいる。それは眠りに就こうとしている人間と、死を迎えようとしている人間である。21
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    「なぜ家康でないのか」と尋ねられたのに対して、氏郷は「家康のように人に物をくれ惜しむ者に何ができようぞ」と一笑に付したという。52
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    自覚すると病はたちまち勢いづく。

    また病気にかかっていなくても、それを自覚すれば病気になってしまう。194
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    張る気にかぎらず気というものはすべて一時性であって、持続性のあるものは少ない。196
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    自己を新たにしようとするものは、昨日の自己に媚びてはならない。去年の自己は今年の敵であるというぐらいに考えを切り替えることだ。267
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  • 幸田露伴「努力」論から
    幸運を引き寄せる具体策

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著者プロフィール

1867年(慶応3年)~1947年(昭和22年)。小説家。江戸下谷生まれ。別号に蝸牛庵ほかがある。東京府立第一中学校(現・日比谷高校)、東京英学校(現・青山学院大学)を中途退学。のちに逓信省の電信修義学校を卒業し、電信技手として北海道へ赴任するが、文学に目覚めて帰京、文筆を始める。1889年、「露団々」が山田美妙に評価され、「風流仏」「五重塔」などで小説家としての地位を確立、尾崎紅葉とともに「紅露時代」を築く。漢文学、日本古典に通じ、多くの随筆や史伝、古典研究を残す。京都帝国大学で国文学を講じ、のちに文学博士号を授与される。37年、第一回文化勲章を受章。

「2019年 『珍饌会 露伴の食』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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