中村天風の生きる手本: 世界でいちばん価値ある「贈り物」 (知的生きかた文庫 う 9-1)

  • 三笠書房
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本棚登録 : 240
感想 : 20
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  • Amazon.co.jp ・本 (236ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784837976158

作品紹介・あらすじ

「天風先生座談」は、天風先生の講話の中から、出来るだけ、先生の生の声の印象をそのままにと留意して、編集したものである。ちょうど私が、先生の講話によって蘇生したのと同じ経過で、幾百万の読者が、その同じ幸運に会われるようにと、敢えて世に問う訳である(宇野千代)。

感想・レビュー・書評

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  • 最近では、大谷翔平が支持しているということで話題になった中村天風の講演録。中村天風は、自分の死病を機にインドのヨガ指導者の元で修行して、心と身体の健康法を開発して、心身統一法として、真に生きがいある人生を生きる実践哲学を確立した人。その哲学は、東郷平八郎、尾崎行雄、後藤新平らに支持され、松下幸之助、稲盛和夫にも影響を与えたと言われている。私は、内田樹氏の合気道の師匠が師事した人だったということを知り、興味を持つ。
    本書自体は、ざっくばらんな語り口だが、仏教や、ヒマラヤの大聖者の本とか、天外伺朗とかとも共通するところが述べられている。Wikiでは、ポジティブ心理学のカテゴリーに分類されると書かれていた。
    精神論に偏る様な印象を覚えて抵抗を覚えるところもあったものの、マインドフルネスを実践してみると、中村天風さんの言わんとしていることは、腑に落ちるところもあった。中村天風の哲学やら、仏教の座禅、多くの瞑想の本をよみ、座禅とマインドフルネスを体験してみて、心の世界は確かにあるし、整えて行けるものだなと思い、修行していきたいと思った。
    本書を読んで、学び取り入れてみようと思ったのはつぎのとおり。
    ・夜寝る時は、心を煩わさずに、嘘でもいいからポジティブに、自分は思いやりのある人間だなどの、ありたい姿を思って寝る。そうすれば、潜在意識に働きかけることもできる。
    ・無いものばかりを求めるのではなく、今、あるものの幸せを感じる。身体が病にあっても、満たされないものがあっても、今生きていることの奇跡を噛み締める。現在感謝の心を持つ。
    ・幸福は、自分の外にあるのではなく、自分の中にある。→心理学者の加藤諦三が紹介していた、あらゆる善の源泉が自分の外にあると思うと、自己蔑視になり、自分の価値を信じられずに精神的に参るという話ともリンクしていると思った。また、完璧主義で問題となる、他者への評価懸念という話とも通じるかもしれない。

  • 非科学的なようで科学的な事を天風先生はかなり昔から仰っていた。
    こういった著名な方々は、現代でも通じるメンタルの持ち方のお手本を地で行っていたのだとこういった本を読むたびに思う。

    天風会の会員は精神のアンテナが違う

    アンテナが違う、これは自分もそうなりたいと思った。くだらない事に反応しないアンテナを持ち続けたい。

  • 中村天風が悟りを開くまでの生い立ちやエピソードが語られていて面白かった。

  • 一見当たり前のことを言っているように思いますが、この当たり前のことが出来ていないなと感じました。感謝する。今生きていることをありがたいと思う。
    読めば、自分を見つめるいい機会になると思います。

  • ・血液を弱アルカリに変えてしまう消極絵的観念は「怒る」「悲観する」「恐れる」「憎む」「恨む」「妬む」

  • 作家宇野千代の十七、八年間一行もかけていないと言う衝撃的な告白から始まります。そして、中村天風の「人間は何事も自分の考えた通りになる」という言葉で、宇野千代は作家として蘇った。中村天風の2度も死にかけた、スパイとして、求道者として過ごした濃密な経験から紡ぎ出される言葉に、とても前向きな(積極的な)活力が貰えます。
    江戸っ子気質のさっぱりとした、歯に絹着せぬ話しぶりも、ライブ感そのままに表現されています。軍事探偵とし、加藤清正よりも人を殺めたという件は、なかなか衝撃でした。

  • 身体は辛く苦しくても、心は丈夫なことを喜びと感謝と考えればいいだろう。変えていったら、どうかな。出来るだろう。そうして、ご覧よ。
    心は患っていない、それを喜びと感謝に振り替えてみよう。

  • 1970年に二見書房刊行された単行本『天風先生座談』を2007年に改題して再文庫化したもの。再編集されているみたいですけど、知的生きかた文庫の体裁で、細かく章立てして見出しが付けられてるんですかね。
    1958~9年の中村天風先生の講話を文章化したものですけど、編纂が作家・宇野千代先生だからか、実践的ヨガの話は無し。今でも次々に出版される「引き寄せ」「ポジティブ・シンキング」について書かれた自己啓発本の古典、という感じです。
    YouTubeに中村天風先生の講演がアップされていますが、録音が古いせいか何とも聞き取り辛かったので、こうして文章化されていると、とてもわかりやすいですね。聞き慣れない、あるいは聞いたこともない単語が結構使われてますので。1980年代のアメリカのバンドに例えるなら、巷に溢れる自己啓発本がBon Joviで、中村天風先生はSLAYER、というところですかね。戦時中はスパイだった天風先生が相手国のスパイを何人も殺したというエピソードも、甘口のハード・ポップではなくスラッシュ・メタル的ですよ。
    甘口の自己啓発本では味わえない読み応えがあって、今までに読んだ自己啓発本の中でも最高レベルで楽しめました。

  • 講演を基にして書き起こしているのかも?
    少々文章としては分かりにくい。

  • 読みやすい♫
    迷ってる時に人生の真髄をおさらいできる

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著者プロフィール

宇野千代
明治三十年(一八九七)、山口県に生まれ岩国高等女学校卒業後、単身上京。自活のため、記者、筆耕、店員など職を転々とし、芥川龍之介はじめ多くの作家に出会い、文学の道へ。昭和三十二年(一九五七)『おはん』により女流文学者賞、野間文芸賞。四十七年、芸術院賞受賞。平成二年(一九九〇)文化功労者に選ばれた。八年(一九九六)死去。ほかの主な著書に、『色ざんげ』『生きて行く私』『宇野千代全集』(全十二巻)など。

「2023年 『九十歳、イキのいい毎日』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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