中村天風 怒らない 恐れない 悲しまない (知的生きかた文庫)

著者 :
  • 三笠書房
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感想 : 16
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784837978787

感想・レビュー・書評

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  • 2007年に経営難を乗り越えた後のANAホールディングス相談役の大橋洋治さんがカンブリア宮殿に出演した時に中村天風の「三勿三行(さんこつさんぎょう)」の心のあり方について語っていた。

    本書のタイトルにあるように「怒る」「怖がる」「悲しむ」の3つをやめることと、「愉快」「正直」「誠意」をやっていこう、という心のあり方のこと。

    シンプルで覚えやすく、また常にそうあり続けることの難しさを噛み締めてきた。中村天風氏がこのメッセージをどのように発信していたか知りたくて本書を手にとった。

    ーーしかし正直、失望した。
    これが筆者の筆力によるものと思いたい。

    「病を治す秘訣は、まず病を考えないこと」という章に、中村天風が最終講義で「病を忘れよ。これが秘訣だ」と語ったとある。病への囚われが消えて命に生命力が満ち溢れるから、と。

    これは「無謬(むびゅう)性の原則」に囚われている。経典や教えに対する無批判な態度を貫こうとする「聖書無謬説」であり、「統治の倫理(参照「市場の倫理、統治の倫理」)」で従わせようとする宗教に散見されるアプローチだ。

    興ざめして読むのを途中でやめた。

    ↓↓↓
    けど、翌日思い直して最後まで読んだ。

    99%の自己啓発本(「7つの習慣」と「ストア派哲学」は別格!)と、宗教には上記の「無謬性の原則」が通底するが、「根性論」や「上意下達」文化が色濃い「昭和」の書籍、文化人、経済人、政治家(政治家だけは令和でも変わらないね。オリンピック絶対やる!みたいな)も同様だ。彼らの論理やエビデンスを求めてはならない。

    さりとて!!!昨日の僕のように「ポイ」っとするのはもったいない。
    マインドセット、心のあり方としては、やはりこのような強さに憧れてしまう。「7つの習慣」で言う「第一の習慣の主体性」の基盤とも言えるし「第七の習慣の肉体、精神の再生」とも言える。僕はその辺りはマインドフルネスと有酸素運動から得ようとしているけど、この本も参考にしてみようかな。

  • 日本版の成功法則の触れ込みに偽りなしですね。
    アメリカの成功法則が合理的なのに比較するとスピリチュアルなのは否めないとして個人的には深く入り込めました。
    やっぱり僕の心身には合気道の稽古が深く染み込んでるのでずっと落ちるのだと思います。
    中村天風シリーズは読み続けようと思います。

  • 積極精神について知りたくて読書。

    天風さんについての本は数冊読ませてもらっているが少し違う視点での天風哲学を知ることができる。

    「人生は心一つ置きどころ」

    人の喜びをわが喜びとなせ。
    クンバハカ。
    肛門を締める。
    氣を出す。
    呼吸法。
    言葉。
    イメージ力。

    アファメーションについての下りが興味深く面白かった。

    水を噛みながら飲む。昔、母から牛乳は噛みながら飲むことを教わったことを思い出す。噛むことの力や効力が民間伝承のようなもので古くから日本でも伝えられてきたのだろうか。

    天風哲学を本格的に学んでみたくなる。

    読書時間:約1時間

  •  以前、知り合いから天風の言葉を聞いて、ずっと気になっていたこともあり、今回、この本に挑戦してみました。私の中では漠然ともう少し古い時代の方かと思っていたのですが、意外と、最近の方なのでびっくりしました。

     内容としては、中村天風という人の人生を紹介するとともに、その考え方、思想、教えが紹介されています。そういう考えを天風が持つに至った背景が分かるので、とても分かりやすいですね。例えば、当時不治の病と言われた肺結核にかかってしまいますが、ヨガの聖者カリアッパ師との出会いで完治してしまいます。師とのやり取りを通して、天風が何を考え、何を学んだのか、私なりに理解することができました。

     全体を通して、やや宗教がかって読めてしまうようなところもありますが、心の持ちようとして参考になるところがたくさんありました。特に、私はネガティブなところがあるので、4章の積極精神養成法は心がけたいと思います。

     また、一つ一つの実践は非常に具体的で、例えば、三度の食事の前に、みんなで「わっはっは、わっはっは、わっはっは」と三回笑うなど、その気になれば今日からでも始められることばかりです。興味が持てれば、一度トライしてみるといいのではないでしょうか。

  • 中村天風さんの考え方と斎藤一人さんの考え方とよく似ている。

    なんとも言えない本です。

    信じる人には素晴らしい本であり、信じない人には宗教的で根拠の無いどうでもいい本であるだろう。

    私は信じたいという思いから⭐️4つにしました。

  • よく噛む、よく笑う。

  • 経営コンサルタント・池田光氏が、中村天風の哲学について書いた著作の第3作『中村天風 幸運を呼ぶ「魔力」』(2003年)を2010年に再編集・文庫化したもの。
    第1章で、池田氏自身のことが語られ、池田氏が天風会の人間ではなく、サラリーマン時代に仕事として天風会の夏季修練会に四日間参加しただけ、というエピソードに先行き不安になりましたが、その不安は外れ。第2章で中村天風の経歴がうまくまとめられ、第3~7章で天風哲学が語られます。中村天風の講演録で、出版物として中村天風の代表作『成功の実現』『盛大な人生』『心に成功の炎を』をまとめた内容のようですが、自分には手が出ない高価なそれらの書籍の内容を、厚さの薄い文庫本の中で簡潔にまとめてくれているのは、とてもありがたいです。著者は経営コンサルタントですが、内容はビジネスマン向けになっていないのもいいですね。

  • P71 捨てた者こそ新しい学びを始めることができる。

  • 本人の自叙伝があるにも関わらず、他人によってまとめられた本は今まで苦手としていた。編纂者によって本人の意図するところとは違うのではないかという本に多く出会ってきたからだ。
    しかし、この本は違った。たしかに中村天風のエッセンスをもしかしたら「表面的」に掬っている部分もあるかもしれない。しかし、中村天風が自分の言葉でうまく伝えられなかったことを著者が的確にまとめている部分もあると思った。その一つはクンバハカ。クンバハカの説明は中村天風ご本人の説明よりもよりわかりやすかった。添えられてる図がすばらしいと思った。この図一枚で中村天風はこういうことをいいたかったのかということがピンときて、自分でも中村天風の説明を読んでいままでクンバハカは実践してもできなかったけど、フッと体に染み入った。また、丹田呼吸法との違いもこの図の一枚でとてもよくわかった。

  • 一読しただけではダメで、他の本を読んだり実践しなきゃアカンのだろうとは思う。

    ただし、気の持ちようや、積極的な心や姿勢が大事だ、ということは分かった。当たり前のことのようだが、意外にできない時や、消極的になることは多い。日々、気をつけたい。

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著者プロフィール

池田光:経営コンサルタント。作家。有限会社池田事務所代表取締役。出版社「本心庵」を主宰するかたわら、「成功哲学」「中国古典」に親しみ、執筆を行う。立花大敬のほか、中村天風、斎藤一人、横山丸三(淘宮術)などの人物にも造詣が深い。著書に、ベストセラーとなった『《愛蔵版》図解 斎藤一人さんが教える 驚くほど「ツキ」をよぶ魔法の言葉』(イースト・プレス)のほか、『図解「読書のすすめ」店長が語った「強運をよぶ本屋さん」の成功法則実践ノート』『安岡正篤 運命を思いどおりに変える言葉』『中村天風 折れないこころをつくる言葉』(イースト・プレス)、『中村天風 『運命を拓く』を読む』『渋沢栄一 焦らない 悔やまない 心配しない』(三笠書房)、『中村天風 「自力」で運命を動かせ』(清談社Publico)などがある。また、立花大敬・著『2万人の人生を変えた23通の手紙』(イースト・プレス)のプロデュースも手がける。

「2024年 『渋沢栄一 運命を切り拓く言葉』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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