超訳 孫子の兵法「最後に勝つ人」の絶対ルール (知的生きかた文庫 た 66-1)
- 三笠書房 (2013年12月24日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (269ページ)
- / ISBN・EAN: 9784837982364
作品紹介・あらすじ
「強者になるには一定の法則がある」――著者
ビジネスパーソンが「これだけは」知っておきたい、
「孫子の兵法」の“成功法則”!
取引先との交渉、ライバルとの駆け引き、思いがけないトラブルへの対処法など、
ビジネスの「あらゆる場面」で応用できる、13の基本戦略!
◎「出たとこ勝負」は敗者の戦い方
◎強い相手には「懐に飛び込む」
◎常に「相手の優位に立つ」ことを考える
◎最後に勝つ人の「感情の整理法」
◎整理整頓能力のある人は「頭が切れる」
◎相手の「本心」を徹底的に引き出す
◎逆境にあっては「心の支え」が必要
この「合理的思考」が、あなたの仕事を今日から変える!
感想・レビュー・書評
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【感想】
内容はとても充実していたし、読んでいて面白かった。
しかし、正直、学ぶポイントが多すぎて絞りきれない。
凄く身に染みるフレーズも確かに多いんだけど、如何せん量が多すぎて実践するには少し宿題が多すぎるかなと思った。
もう少し絞って欲しいなと思ったが、これだけザックリと幅広く編集してくれているんだから、後は自分が頑張ろう。
何千年も前からずっと語り継がれており、今なお中国人の考えの礎となっている「孫子の兵法」。
まずは何個かに絞って、実践していくとしよう。
何度か読み返さないと恐らく身につかないくらい、いろんな意味で充実した内容だった。
【内容まとめ】
1.いつ生きるか死ぬかの場面に出くわすか分からない。それが人生だから、決して侮らず、常に緊張感をもって行動しなさい。
甘ったれていないか、安易になっていないか、驕ってはいないか、気が緩んでいないか。
自らを戒めることが、人生という戦場で戦う者としての「隙のない構え」をつくる。
2.出たとこ勝負は敗者の戦い方。
人生計画をきちんと立てないと勝てない。
自在にトレースできるレベルまで、ゴールに至るプロセスをリアルにイメージすること!
3.人生の勝者になるためには、人生計画の中で自分が有利に戦える方法を考えることが重要。
「道・天・地・将・法」の5つの視点で勝利のシミュレーションを描くべし。
①道…10年後、20年後の自分をリアルにイメージする。
→どんな行動を取っても、すべて一つの道を歩むが如し。
②天…時代性。
→目標達成の年月を決め、その時はどんな時代で、追い風はどのようなもので、それをどのように活用するか、計画を練る。
③地…自分が活躍するフィールド。
→自分の天性に合った分野、自分に向いているものであること、競争のないオンリーワンの分野であること、世界的な広がりが展望できる分野であることが望ましい。
④将…リーダーシップ。
→智謀があって、信頼されて、部下思いで、勇気があって、部下にも自分にも厳しい。智・信・仁・勇・厳を備えている人。
⑤法…己に克つこと。克己による鍛錬。
→自分自身を厳しく律する事。目標達成の邪魔をするものは、何が何でも排除する強い意思を持つ!
4.孫子の「七計」
①有道
やろうとしていることに、世のため人のため尽くそうという志があるか否か。
自分の志がもし私欲にまみれたものなら、すぐに軌道修正を図るべき。
②有能
互いの能力・実力を細かく項目分けして比較する。
負けている項目は、集中的に勉強や経験を重ねていく。
③天地
どちらが時代の要請に合った、また能力が最大限に引き出される舞台で仕事をしているか?
④法令
コンプライアンスの遵守について。
どんなに甘い誘惑があっても、それに乗せられない強靭な意志が必要!
⑤強き
勝負強さはどっちが上か?
日頃から勝負におけるあらゆる場面を想定し、常に柔軟に冷静に対応できるよう精神を鍛え上げているからこそ、ここぞの時に力を発揮できる。
⑥練れたる
どちらがより訓練を積んでいるか?
相手を上回るあくなき反復練習。
自らの能力、実力を上げるために、どれだけの時間と労力を注いでいるか?
⑦賞罰
仕事に対する評価の比較。
周囲の評判など、ライバルと自分の間にどの程度の差があるかを明確にする。
5.「謙虚」が大切。
こちらが謙虚に徹すれば、どんな相手も徐々に武装を解いて警戒心を緩める。
すごい人間と思われるより好人物と思われた方が物事が成就する!
計画や野望は胸の内に秘め、口外しない。
「大した人物じゃないな」と思われるくらいがちょうどいい。相手はすっかり油断して、無防備になる。
6.兵は拙速を聞く。
→いち早く仕掛けて主導権を握る。
多少まずい点があっても、とにかく拙速に動き、持てる力のすべてを動員して相手を圧倒する事が1番。
7.敵を殺すは怒なり。敵に取るの利は貨なり。
ケンカ別れは愚の骨頂。意見が対立し、ケンカしてしまった相手とも、最後は握手して別れなさい。
後々の事を考えれば、人間関係をつないでおくに越した事はない。
ケンカ別れにならないよう、意識して気持ちをクールダウンさせなさい。
冷静に相手の言い分を聞きながら、相手の有する能力や知識、知恵などを自分のものにするよう努めなさい。
8.「戦わずして勝つ」これが孫子の鉄則!
戦う以上、互いが無傷でいられる事はまずありえない!
互いに何らかの傷を負うし、勝ったとしても相手の怨みを買ってまた新しい戦いの火種を生むこともある。
戦わずに勝敗を決する方法などを考えなくてはいけない。
9.彼を知り己を知れば、百戦して危うからず
→相手と自分、双方の能力を客観的に正確に評価できれば、戦略の精度が高まる。
とりわけ自分自身の能力評価は厳しくする事が望ましい。
人は誰しも、他人に厳しく自分に甘いもの。ここを改めない限り、競争に勝ち抜く事はできません。
「他人に甘く、自分に厳しいこと」が求められます。
相手の強みをきちんと認識する。実力以上に評価する。
そうする事で、こちらは充分な備えができる。
10.それ兵の形は水に象る。
水は地形によって形を無限に変えることができる。
このような柔軟性を持ち、人の懐に深く入り込んでいくのが良い。
そのために、聞き上手になること。
11.朝気は鋭く、昼気は怠り、暮気は帰る。
朝昼夕で働き方を変えてみる。
重要な仕事や頭を使う仕事は午前中に行い、昼からは単純作業や肉体労働に従事。
夕方は早く帰りたくなるので、そういう時を狙って交渉事・折衝事に乗り出すのも一つの方法!
12.人を完膚なきまでにやっつけると、いつか手ひどいしっぺ返しを食らう。
追い詰めるにしても、どこかに逃げ道を用意してやること。
もう帰ろうとしている敵の前に立ちはだかってはいけない。
敵を包囲しても逃げ道を開けておくこと。
窮地に追い込んだ敵を攻撃してはいけない。
13.人生、より高きを目指せ
初心忘るべからず。
上昇気流に乗っている時も有頂天にならず、どん底の時代を思い出しなさい。
どこまで上っても、そこは人生の通過点。決してゴールに到達したと思ってはいけない。
人生は、終わりなきゴールを目指すようなもの。どこまで行っても終わりがない。
だからこそ、常に上を目指して頑張れる。
明確に設定できる目標とは別に、終わりのないゴールを持つことも大切!
14.行動は常に「しなやかに、したたかに」
攻撃に対してはしなやかに受け流しながら、即座に反撃に出ること。
「率然」という蛇。
頭を打つと尾ではたき、尾を打つと頭が襲いかかる。ならばと胴を打つと、頭と尾の両方で反撃する。
どこからどう攻めてもしなやかにかわし、反撃する。
周りから何を言われようと、「柳に風」とまずは受け流す。
そして相手の不意をついて、まったく別方向から自分の意見や提案をぶつける。
前に受け入れた恩で、相手にもこちらの話を聞く耳ができているはず。
【引用】
p22
・「兵は国の大事にして、死生の地、存亡の道なり」
→いつ生きるか死ぬかの場面に出くわすか分からない。それが人生だから、決して侮らず、常に緊張感をもって行動しなさい。
甘ったれていないか、安易になっていないか、驕ってはいないか、気が緩んでいないか。
自らを戒めることが、人生という戦場で戦う者としての「隙のない構え」をつくる。
p24
・「之を経(おさ)むるに五事を以てし、之を校するに計を以てして、其の常を索む。」
→どうやって自分の望む人生を手に入れるか?情報を集めてよくよく準備し、よくよく考え抜いて、子細かつリアルな計画を立てなさい。
出たとこ勝負は敗者の戦い方。
人生計画をきちんと立てないと勝てない。
自在にトレースできるレベルまで、ゴールに至るプロセスをリアルにイメージすること!
p26
・「一に曰く道、二に曰く天、三に曰く地、四に曰く将、五に曰く法」
→人生の勝者になるためには、人生計画の中で自分が有利に戦える方法を考えることが重要。
「道・天・地・将・法」の5つの視点で勝利のシミュレーションを描くべし。
道…10年後、20年後の自分をリアルにイメージする。どんな行動を取っても、すべて一つの道を歩むが如し。
天…時代性。
目標達成の年月を決め、その時はどんな時代で、追い風はどのようなもので、それをどのように活用するか、計画を練る。
地…自分が活躍するフィールド。
自分の天性に合った分野、自分に向いているものであること、競争のないオンリーワンの分野であること、世界的な広がりが展望できる分野であることが望ましい。
将…リーダーシップ。
智謀があって、信頼されて、部下思いで、勇気があって、部下にも自分にも厳しい。
智・信・仁・勇・厳を備えている人。
法…己に克つこと。克己による鍛錬。
自分自身を厳しく律する事。
目標達成の邪魔をするものは、何が何でも排除する強い意思を持つ!
p31
・絶対負けたくないライバルを作れ!
現時点の自分から見て、目標とすべき人物は誰か?その人と自分の能力を徹底的に比較する!
・孫子の「七計」
①有道
やろうとしていることに、世のため人のため尽くそうという志があるか否か。
自分の志がもし私欲にまみれたものなら、すぐに軌道修正を図るべき。
②有能
互いの能力・実力を細かく項目分けして比較する。
負けている項目は、集中的に勉強や経験を重ねていく。
③天地
どちらが時代の要請に合った、また能力が最大限に引き出される舞台で仕事をしているか?
④法令
コンプライアンスの遵守について。
どんなに甘い誘惑があっても、それに乗せられない強靭な意志が必要!
⑤強き
勝負強さはどっちが上か?
日頃から勝負におけるあらゆる場面を想定し、常に柔軟に冷静に対応できるよう精神を鍛え上げているからこそ、ここぞの時に力を発揮できる。
⑥練れたる
どちらがより訓練を積んでいるか?
相手を上回るあくなき反復練習。
自らの能力、実力を上げるために、どれだけの時間と労力を注いでいるか?
⑦賞罰
仕事に対する評価の比較。
周囲の評判など、ライバルと自分の間にどの程度の差があるかを明確にする。
五事七計が孫子の戦略策定の要諦。
p38
・「将、吾が計を聴きて之を用うれば、必ず勝たん。」
→時間をかけてじっくり「人生計画」を練りなさい。特にリスクに対しては、どんな危険が起こりうるか、どこまでも悲観的に考えて入念に準備をすること。
悲観的に準備して、楽観的に行動する。
急がば回れ。
1~2年の時間をかけてリアルな計画を練る。
情報を得て、それを整理・分析しながらさまざまなリスクに対応してどう行動するかを見極めていく。
p42
・「勢いとは理に因(よ)りて権を制する也」
→自分は勝つと信じている人間ほど強い者はいない。どんな権威・権力も、その勢いに寄り切られてしまう。
勝ちに対する執念もしくは確信はどちらが強かったか。最後の最後に勝敗を決するのはそこ!
権威・権力を恐れるべからず。勢いで懐に飛び込みなさい!
相手はむしろそれを喜び、良き支援者となる。
p44
・「兵は詭道(きどう)なり」
→自分の強さを誇示していると相手も警戒する。しかし、ちょっと抜けていると思わせると相手も鎧を脱いでくれる。
「バカになれる人」になること!
計画や野望は胸の内に秘め、口外しない。
「大した人物じゃないな」と思われるくらいがちょうどいい。相手はすっかり油断して、無防備になる。
「謙虚」が大切。
こちらが謙虚に徹すれば、どんな相手も徐々に武装を解いて警戒心を緩める。
すごい人間と思われるより好人物と思われた方が物事が成就する!
p56
・セカンド能力を持つ
武器とする能力を一つに絞らず、もう一つの能力を用意する事。
セカンド能力が発揮できる業界で、ファースト能力を駆使すること。
ファースト能力とセカンド能力を逆転させることが成功の秘訣。
ファースト能力だけで仕事をする事ばかり考えているから、その能力の達人たちの中に埋もれてうまくいかない。
p60
・兵は拙速を聞く。
→いち早く仕掛けて主導権を握る。
多少まずい点があっても、とにかく拙速に動き、持てる力のすべてを動員して相手を圧倒する事が1番。
p69
・敵を殺すは怒なり。敵に取るの利は貨なり。
→ケンカ別れは愚の骨頂。意見が対立し、ケンカしてしまった相手とも、最後は握手して別れなさい。後々の事を考えれば、人間関係をつないでおくに越した事はない。
ケンカ別れにならないよう、意識して気持ちをクールダウンさせなさい。
そして冷静に相手の言い分を聞きながら、相手の有する能力や知識、知恵などを自分のものにするよう努めなさい。
p71
・敵に勝ちて強を益(ま)す。
→ライバルを完膚なきまでにやっつけず、無傷のまま味方に取り込み、持つもの全てを自分のものにすること!
戦いにあって、ライバルを敵対視してやっつける事ばかりを考えてはダメ。
ライバルが優秀であればあるほど、勝った後にいかにして味方に取り込むかを考える事が重要!
p75
・「戦わずして勝つ」これが孫子の鉄則!
戦う以上、互いが無傷でいられる事はまずありえない!
互いに何らかの傷を負うし、勝ったとしても相手の怨みを買ってまた新しい戦いの火種を生むこともある。
戦わずに勝敗を決する方法などを考えなくてはいけない。
p82
・逃げの一手は卑怯にあらず
→圧倒的に相手が強い時は、戦うに及ばない。無謀な勇気は愚策!
最終的に勝つという戦略。逃げる事は決して卑怯ではなく、勝つための重要な戦略の一つである。
p89
・彼を知り己を知れば、百戦して危うからず
→相手と自分、双方の能力を客観的に正確に評価できれば、戦略の精度が高まる。
とりわけ自分自身の能力評価は厳しくする事が望ましい。
人は誰しも、他人に厳しく自分に甘いもの。
ここを改めない限り、競争に勝ち抜く事はできません。
「他人に甘く、自分に厳しいこと」が求められます。
相手の強みをきちんと認識する。
実力以上に評価する。
そうする事で、こちらは充分な備えができる。
p96
・勝つべからざるとは守るなり。勝つべしとは攻むるなり。
→好機が来るのを焦らず待つ。負けない自分をつくったら、あとは「果報は寝て待て。」
焦らず静かに時機を待ち、相手の隙をついて攻めれば勝てる。
人間は勝ちを焦ると攻撃の事ばかり考えてしまう。まず守りを固める事が肝心だ。
p98
・能(よ)く自ら保ちて、勝ちを全うす。
→最後に勝つ人の感情整理法
→競い合いや争い事では、冷静さを欠いた方が負ける。自分自身を常に冷静に保つ事が勝ちを呼び込む。
p102
・勝兵は先ず勝ちて、而(しか)る後に戦いを求め、敗兵は先ず戦いて、而る後に勝ちを求む。
→交渉事でも何でも、すでにうまくいったも同然という状況を作り出してから臨むのが順序である。
→「当たって砕けろ」的な行動では、何事もうまくいかない。
絶対負けない準備をして、勝ちを確信してから戦いなさい。
p108
・凡そ戦いは正を以て合い、奇を以て勝つ。
→戦い方のバリエーションを増やせ。正攻法だけでなく、状況をよく観察し、それに応じて柔軟に準備・行動する事が必要だ。
→多彩な能力を持ち、それらを自在に組み合わせて発揮する準備が求められる。
どんな状況にも対応できるよう、日頃から自身の能力分析とバリエーション豊富な行動パターンを考え準備しておきましょう。
p122
・善く戦う者は、人に致して人に致されず。
→致す=主導権を握る。
→困難を前に逡巡している暇はない。困難を粉砕して進めるよう、いち早く主導権を握る事が重要だ。
主導権を握るためには、いち早く困難を察知して、迎え撃つくらいの勢いで自分から仕掛けていく必要がある。
p126
・我集まりて一と為り、敵分かれて十と為らば、是十を以て其の一を攻むるなり。
→選択と集中。能力は分散してはならない。
ビジネスに必要な能力を慎重に見極めて、達人や競合の多い分野では戦わず、ライバルの少ない分野で一人勝ちをおさめる。
p130
・それ兵の形は水に象る。
水は地形によって形を無限に変えることができる。人間とこのような柔軟性を持ち、人の懐に深く入り込んでいくのが良い。
そのために、聞き上手になること。
p134
・五行に常勝無く、四時(しいじ)に常位無く、日に短長有り、月に死生有り。
→五行、つまり水・火・金・木・土という五つの気は、相克しながら循環する。四季も日月も変化しながら巡っている。
自然の営みと同じように、常にバイタリティを持って人生を間断なく回していく事が大切!
p146
・疾きこと風の如く、静かなること林の如く、侵掠(しんりゃく)すること火の如く、動かざること山の如く、知り難きこと陰の如く、動くこと雷震の如し。
要するに、中途半端ではダメ。一つ一つの行動に全力で取り組まないといけない。
p150
・朝気は鋭く、昼気は怠り、暮気は帰る。
朝昼夕で働き方を変えてみる。
重要な仕事や頭を使う仕事は午前中に行い、昼からは単純作業や肉体労働に従事。
夕方は早く帰りたくなるので、そういう時を狙って交渉事・折衝事に乗り出すのも一つの方法!
p152
・帰師はとどむるなかれ、師を囲めば必ずかき、窮コウには迫るなかれ。
→人を完膚なきまでにやっつけると、いつか手ひどいしっぺ返しを食らう。追い詰めるにしても、どこかに逃げ道を用意してやること。
もう帰ろうとしている敵の前に立ちはだかってはいけない。
敵を包囲しても逃げ道を開けておくこと。
窮地に追い込んだ敵を攻撃してはいけない。
p162
・いいことも、悪いことも、いつかは終わる。(智者の慮は、必ず利害を雑う。)
→物事は利害の両面から考える。利益の中の損失や、損失の中の利益について。
p172
・人生、より高きを目指せ
初心忘るべからず。
上昇気流に乗っている時も有頂天にならず、どん底の時代を思い出しなさい。
どこまで上っても、そこは人生の通過点。決してゴールに到達したと思ってはいけない。
人生は、終わりなきゴールを目指すようなもの。どこまで行っても終わりがない。
だからこそ、常に上を目指して頑張れる。
明確に設定できる目標とは別に、終わりのないゴールを持つことも大切!
p176
・逆境にあっては「心の支え」が必要。
人生において、逆境に耐えられるよう、自分を支えるものを持っていることが必要。
日頃から仕事一本槍の生活ではなく、好きな事をする時間を持っているだけで、逆境に強くなれる。
p190
・ライバルとの戦い方 6つの必勝パターン
原則は、自分の天性を見極めて、誰にもマネできない独自の領域を確立すること。
自身の唯一の天性が何であるかに気づく事が1番大切。
①直接対決は「元気」がモノを言う
ガチンコ勝負で何より重要なのは、元気はつらつである事。
英気を養い、アドバイザーを持つ事がポイント。
②攻めやすいが引き返せない状況では相手の備えを要チェック
相手が準備万端だと逆にやられてしまう。
勝負を挑む前に、相手がどのくらい備えをしておくか充分に見て、有利と分かったら攻める。不利なら戦わない。
その判断がポイント
③先に手を出した方が負けそうな時は勝負を避ける。
「支形」状態は、争わない方が無難。
逃げるフリをして相手を誘い出し、有利に戦うのもアリ。
④一番に難関を突破し力を蓄える。
先に難関を突破したら、他を寄せ付けないよう力を蓄える。
⑤先を越されたら、勇気ある撤退を。
非常に難しい難関を誰よりも早く突破し、優位に立つ事がポイント。
できなければ、勇気ある撤退を。
⑥得意分野でなければ戦わない。
p204
・状況に応じて心構えを変える
人生はどんなに厳しい状況にあっても、心構え一つでいかようにも変わる。
精神的ダメージに屈することなく、「危機的状況こそ飛躍のチャンス」と考えて、心を整える事が一番重要!
「散地」
気が散る時は仕切り直し。
日を改めて心配事を解決してから、目標を再設定して、スッキリした気持ちで仕事に取り掛かる。
集中できる環境を整える。
「軽地」
この先が不安な時は人を頼る。
ぐずぐずせず、信頼できる協力者を求めて落ち着いて事に当たる。
「争地」
激しい競争を前に浮足立つ時は、しばらく事態を静観する。
「慌てるな、落ち着け。出るのは今じゃなくてもいい。」
地に足のついた考え方や行動を心掛ける。
「重地(ちょうち)」
事に深入りして狼狽えた時は、持久戦で持ちこたえる。
出来ることを細々と続けながら、現状を打破する機会を伺う。
「死地」
絶体絶命のピンチに身のすくむ思いがする時は、決死の覚悟を持つ。
最後に命がけで獅子奮迅の戦いに挑む。
窮鼠猫を噛む思いで自身が戦うこと。
p216
・相手の「聖域」をつく。
→先ず其の愛するところを奪わば則ち聴く。
生命線、人生の汚点、密かに楽しんでいる趣味、スキャンダル、家族などの聖域をつく。
相手が隙のない状態であれば、一番大事なところをついて心を乱れさせる必要がある。
p220
・行動は常に「しなやかに、したたかに」
攻撃に対してはしなやかに受け流しながら、即座に反撃に出ること。
「率然」という蛇。
頭を打つと尾ではたき、尾を打つと頭が襲いかかる。ならばと胴を打つと、頭と尾の両方で反撃する。
どこからどう攻めてもしなやかにかわし、反撃する。
周りから何を言われようと、「柳に風」とまずは受け流す。
そして相手の不意をついて、まったく別方向から自分の意見や提案をぶつける。
前に受け入れた恩で、相手にもこちらの話を聞く耳ができているはず。
p252
・「あの人のためなら」と言われる人になれ。
自分自身が人格者でなければ、いい情報は得られない。知恵があり、愛情にあふれ、人の微妙な心の動きを敏感に察知できる人格者になることが大切。
情報というのは、人格と教養で収集するもの。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
中国の古典の兵法書の内容をビジネスに当てはめて解説しているわけだが、初っ端からかなり無理矢理な超訳である。『兵は国の大事にして・・』の訳が『人生何があるかわからないから備えなさい』は違いすぎると思った。その後も兵法との結びつけ方が無理矢理だったり、内容が薄かったりと結び付けない方がいい自己啓発本になったのではないかと思う。ただ孫子の原文も載せてくれているのでむしろ兵法書としてと孫子そのものに興味が湧いてきた。
-
孫子の兵法は、関係ないです。
著者のお考えがまとめられた本といえますので、共感できる方には良い本だと思います。
残念ながら、私は共感出来なかった。 -
とくに気になったもの
・得意な分野のファースト能力を活かして仕事をするにはライバルが多過ぎる、次に得意な分野のセカンド能力を活かせる職場で、そこで得意なファースト能力をプラスすればかなり有利になる。
・逃げの手は卑怯にあらず。一時退散して蓄えるべき。
・人生より高きを目指せ。 一回成功したからと言って調子にのらず上を目指せ。 -
一個人としても、組織の中の個人としても学ぶべきことが多い1冊。
■悲観的に準備して、楽観的に行動する
準備は最悪のケースを想定する。
起こりえないから考える時間を無駄と考えがちだが、いざという時のために備えておくことは、最終的に目標達成の1番の近道となる。
これによって何が起ころうとも落ち着いて対応できる。
⇨楽観的に動ける。
■常に「相手の優位に立つ」ことを考える
理想は相手が弟子入りしてくるだけの圧倒的に優れた人格と教養で相手を屈服させる。
それが若い人には難しいので、
①メリットを提供⇨相手の欲求をリサーチ
②痛いところをつく⇨相手を慌てさせ余計な一言を言わせる
③得手不得手を利用する⇨相手の得意分野で気持ち良くささてから本題に入るとスムーズ
■負けパターンも頭に叩き込んでおく
自分が不利になるケースをたくさんわかっていた方が、「事を有利に運ぶにはどうすれば」を正確に理解できる。
間 間違えた原因の分析を行い、どうやったら間違えるかを知っておく。
■「ケンカ別れ」は愚の骨頂
相手の言い分を聞きながら、相手の能力、知識、知恵を吸収する。
罵倒してケンカ別れすると、人間関係も断ち切られ、不愉快なだけ。
■戦わずして勝つ
自分も相手も傷つかないためには戦わずに交渉で勝敗を決める。
⇨相手に喜んで勝ちを譲ると言わせる方法が必要
①早い段階で相手に「こいつと戦っても勝てないな」と思わせる
②戦略の基本は「非戦・非攻・非久」
⇨戦わない、攻めない、長引かせない
③逃げることは「最終的に勝つ」ための戦略
■過大評価も過小評価もしない
相手の強みを認識して実力以上に評価することで、十分に準備ができる。
自分の能力を厳しく評価することは、弱点をいかにして相手に見せないか、弱点をどう強みでカバーするかを考えることにつながる。
⇨隙のない強い人間になる。
■「負けない自分」の作り方
負ける人は、自分の都合のいいように相手がうごいてくれるものとして策を練っている。
コントロール不可能なことにエネルギーをかけるより、可能な自分自身を動かす。
負けない自分=今よりダメにならない自分
どん底を設定すると、上がっていくしかない。
⇨常に「今がどん底だ」と考える
■「できて当たり前」がプロの仕事
どんなに難しいことでも楽々こなしているように見えるのが達人。
褒められたら恥と思うくらいでないと、大した人物ではない。
■「現場に」は必ず「1番乗り」せよ
絶対に負けない準備をして、勝ちを確信してから戦う
交渉やプレゼンは上手くいくシミュレーションを繰り返し、対峙した瞬間に相手が気を呑まれてしまうように仕向ける
■戦い方の「バリュエーション」を増やせ
軸となる能力は3-5つで良いが、それを無限に組み合わせて使えるようにしておくことで、いつでも力を発揮できる。
■膠着状態になったら、あえて隙を見せる
承知の上でわざと隙を見せれば、待ってましたとばかりについてくるが、こちらが予測した通りの行動をとったくれる
⇨誘導作戦
■危機感を「勢いのあるエネルギー」に変える
行動力はある種、習慣の賜物なので常日頃から磨いておかなければ使い物にならない。
つまり、常に危機的状況に身を置き、緊張感を持って事に当たる姿勢を持つことが必要。
■相手の「本心」を徹底的に引き出す
最初は自分を無にして、相手の話を聞き出すことから始める。
相手は自分に興味を持ってくれてると感じて話し始めてくれる。
■あらゆる手を使って「結果」を出す
戦略とは、不利を有利に転じること。
場所、時、テーマを自分の有利になるように設定する。
■「強みが弱みに変わる」5つのパターン
必死⇨当たって砕けろの行動になる
必生⇨手段を選ばずに突進する
忿速⇨すぐにカッとなって無分別な行動に出る
廉潔⇨融通のきかない堅物になる
愛民⇨物事を客観的に判断できなくなる
■人生より高きを目指せ
年収やポジションなどの明確なゴールだけでなく、「道を極める」といった終わりのないゴールを持つことも大事。
■負ける理由は必ず「自分」にある
負ける理由(失敗のパターン)
①目標設定が高すぎる
②自分を律することができない
③ダイナミックな行動がとれない
④いっときの感情を抑制できない
⑤的確な指示が出せない
⑥見切り発車をする
■心の乱れが自滅を招く
自分自身の心が「外野の声」にいちいち反応して乱れるようでは、自滅する。
動じないためには、自分の中に目標、信念を持つ。 -
[1.計篇]
・勝てる戦いだけをする。重要なのは勝てるかどうかを見極めること。
勝てるかのチェックリスト「五事七計」(5つの項目と、自分と敵を比較する7つの基準)
●五事
1.道:戦いの大義名分、戦う理由。ビジョン=集団の意思、団結力につながる。
2.天:自然環境
3.地:戦場の地形
4.将:リーダーの素質。智、信、仁慈、勇、厳からなる。
5.法:組織編制、軍規
リーダーは愛の対象になるより、恐怖の対象になるべき。
by マキャッバリ「君主論」
●七計
・どちらに道があるか?
・どちらの将が有能であるか?
・天はどちらに有利なのか?
・法が行き届いているのはどちらか?
・兵力で勝るのはどちらか
・どちらの兵がよく訓練されているか
・賞罰はどちらが公平に行っているか
・戦いとは、すべてが騙し合いだ。
自然界の動物もすべて生きることは
[2.作戦篇]
・仕事の鉄則は準備は徹底して行い、実行はすばやくすること。長期戦は避ける
長引けくほどに組織も人も疲労してリスクが上がる。
長期戦では相手にならない強敵でも、素早い勝利なら勝ち取ることができる
・敵のものを奪ってつかえ
略奪は近代以前の戦争で重要なコスト削減方法だった
[3.謀攻篇]
・最高の勝利は戦わずして勝つこと(完全な勝利)。力技は自分を消耗させる最悪の手段。
⇒結果が同じであれば、コストは低ければ低いほど良い。
・君主が犯しやすい3つのミス
現場の実務を知らない君主が、軍の仕事に干渉してはならない(進行、人事)
・敵を知り己を知れば、百戦危うからず。
⇒自分と敵を冷静に分析すれば、百戦しても敵に勝利の機会を与えず、危険はない。(必ず勝てるとはいってない)
「必ず勝つ!」という態度は傲慢なので注意。無理に勝利を求めるのは間違っている。
戦いが上手な人は敵に勝利の機会を与えず、勝利の機会をじっと待てる。
戦争の勝敗は、勝者が自分で勝利の機会を作り出すのではなく、歯医者の過ちで勝利をプレゼントされるのが常。
[4.形篇]
・勝利した後に戦え。勝てる体勢をまず作ってから戦う。
・敵が勝てない要因は私の中にある。私が勝てる要因は敵の中にある。
(味方の勝利の要因は味方の中にあるわけではない)
・勝利する将は勝利した後に戦う。負ける将は戦った後、勝利を求める。
かっこよくない勝ちこそ、もっとものぞましい勝ち方。
・戦争は天秤で分同の重さを量るが如し
1.度:戦場の分析
2.量:必要な物資の量
3.数:兵力の数
4.称:兵士の能力
5.勝:勝敗をシュミレーションする
[6.虚実篇]
・戦争はスポーツではない。敵の弱点を探し、それを攻略して敵を倒すのが定石。
自分がそうしないなら、敵がそうする。
自分のスキを見せず、敵がスキを見せるチャンスを待つ。
弱点がないなら、相手の弱点を作る。
弱点がないなら無理をせずに撤退せよ
・味方は集中し、敵は分散させる。どこに味方を集中すれば良いか判断するために地形の情報が必要となる。
⇒アレシアの戦い
・兵法の最上の局地は”無形”
いくら強い陣形でも、相手がそれを知っていれば対策される
[7.軍争篇]
・風林火山
軍事行動は目的をもっててきぱき行動しろ
・”四治”弱い状態の敵を、強い状態の味方で撃破する4つの方法
1.治気:敵と味方の士気をコントロールして疲れた敵をたたく
2.治心:敵と味方の心理をコントロールして混乱した敵をたたく
3.治力:敵と味方の栄養状態をコントロールして飢えた敵をたたく(補給戦をたつなど)
4.治変:敵と味方の変化をコントロールして、敵が弱いときにたたく。敵が強い時には手を出さない。
[9.行軍篇]
・常に有利な体勢を維持する。
[10.地形篇]
・地形を知る。高名な将は戦う前に地形を徹底的に調べた
・負ける軍のパターン6つ
[11.九地篇]
・地形篇は土地の形だが、こっちは場所による心理の変化
[13.用間篇]~スパイの使い方について~
・戦争にかかる額に比べれば、スパイに使う額の方がはるかに安くてすむ
・小国と大国が戦う場合、経済力で優位に立つ国は、敵に買収を仕掛けることができるから有利。貧乏な側は装備だけでなく、内部の敵とも戦わなくてはならない。
・スパイの種類5つ。基本は反感 -
世界最高の「人生戦略書」の入門としてよい。
興味があるところを再読。 -
2016/04/28読了。
超訳のため、雰囲気を感じることができる。 -
孫子の兵法。長い年月が経っても、決して色褪せることない最強の兵法書。ものごとの本質はかわらないのですね。
中でも、
「勝は知る可くして、為す可からず」は、勝っても負けても平常心である大切さ。
「古の所謂善く戦う者は、勝ち易きに勝つ者なり。」は、誉められることは、自分が実力不足と思われていたことに通じ、できて当たり前となることが大切。
綺麗事ばかりではないのですね。でも、人間の本質を良くついた考えだと思います。 -
人生において負けないための大切なことが書かれている本。
心に残ったのは、「常に今がどん底だと考える」というフレーズ。
今が最低ラインにいるならここから負けることはないし、常に上を目指せる。単純だけど、このマインドセットは大事だと思った。