昭和の奈良大和路 入江泰吉の原風景 昭和20〜30年代

制作 : 入江泰吉記念奈良市写真美術館 
  • 光村推古書院
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感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784838104512

感想・レビュー・書評

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  • 優しい眼差しを感じます.

  • 12/10/13 懐かしい写真が満載。

  • 写真はすべてモノクロ。
    奈良町の入口にある元興寺から、南の空に興福寺の塔を確認することができる。四段目から民家の屋根に隠れるから、全体の3/5ほどは、かつては見えていたということのようである。

    撮影は入江泰吉、奈良生まれの写真家である。
    大和中の寺院やそこにある仏像を記録してまわった。大和の寺シリーズ、万葉歌によせたさしえ(さし写真)がなじみ深い。
    近鉄の駅前を歩かれる方なら、東大寺 毘盧舎那仏が図面いっぱいに大きく写されたポスター、あれが入江である。

    この写真集は、そんな入江の昭和20年(終戦後)から30年代にかけての作品をまとめたものである。

    上記奈良町周辺の様子のほか、奈良女子大学ももちろん収められている。どこぞの避暑地に置かれていそうな、木造校舎の風情あるたたずまいを見てほしい。
    わきには今と違う川が流れている。

    題材は、写真一枚につき空・建造物・人が1・1・1くらい。
    実はこれ、めずらしいのである。入江には、これ以前も以後も、人、それも道行きの人が写ったものは多くない。本書の写真が“スナップ写真”と評されるゆえんである。
    一方で、同時期に撮られていたのは、のちに入江の代名詞ともなる、仏像写真。
    入江は多写しないかわり、求めるアングルまで何日もかけたという。
    対する本書の“スナップ(snapshot)”とは、“速射”のこと。“スナップ写真”には、そこに、緊張に対する気楽、仕事に対する趣味・娯楽、の含みが響く。

    終戦後、郷里奈良に帰り、仏像の撮影保存をはじめた入江。入江はプロの写真家であったが、この活動に金銭を伴う依頼があったわけではなかった。

     “ねこ一匹も思う通りのところに来るまで待っていたんでしょう――”

    荘厳な仏像も飾らない街の日常も、どちらも入江には“残したい”奈良であった。 (図書館サポートグループ・メンバー)

    ↓貸出状況確認はこちら↓
    https://opac2.lib.nara-wu.ac.jp/webopac/BB00168063

  • 昭和20~30年代の奈良の人々の暮らしを写したもの。美しすぎる観光写真ではなく、しみじみとした味わいがある。

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