ゲンスブールまたは出口なしの愛

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  • Amazon.co.jp ・本 (389ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784838703760

作品紹介・あらすじ

たった一人で社会に背を向けて放埒な生活を送った男。酒とタバコを片手に美女に囲まれながら、絶望しつつ生きていた男。猥褻という仮面の下に、無限の詩的な恥じらいを隠していた男。天才アーティストの生涯を100人に及ぶ人々の証言で再現した感動の評伝。

感想・レビュー・書評

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  • セルジュ・ゲンスブールの本格的評伝であります。早いもので、彼が世を去つてからもう19年になるのですねえ。
    著者のジル・ヴェルランといふ人はパリで活躍する、ベルギー人の音楽ジャーナリストださうです。
    しかしどちらかといふと、音楽的側面よりもゲンスブールの人間性により多くの記述を割いてゐます。おびただしい数の人物にインタビューを重ね、その証言を中心に構成されてゐるのです。

    セルジュと関りの深かつた女性たち、とりわけブリジット・バルドーとジェーン・バーキンの話は興味深い。最後の女性・バンブーもちよつとだけ登場しますが、愛娘シャルロット・ゲンスブールのインタビューらしきものがなかつたのは残念でした。

    セルジュの魅力は今更述べるまでもありませんが、一般的には「才能はあるが、反社会的な言動で周囲を困らせた不良おやぢ」といふ印象でせうか。つまり人間性に問題ありと。
    ところが本書を読むと、彼は実にはにかみやで、周囲に気を遣ふ部分があることがわかります。仕事に対しては、その結果の責任を負ふ姿勢がある。仕事にかかるまでは怠け者なのですが。可愛いところがあるぢやないか! 実際に私生活や仕事上で彼に接した人たちが証言するのだから、説得力があります。我々外野がブーブーいふことはない。本書を読みながら改めてCDを聴いてみると、その悪たれぶり、挑発もいとほしい。
    ま、現実にセルジュのやうな男がそばにゐたらやはり困るでせうが...

    今回は、この本をお薦めするといふよりも、セルジュの音楽を聴いてくださいといふのが本音と申せませう。一度カブレると、中中大変ですがね...

    http://genjigawakusin.blog10.fc2.com/blog-entry-118.html

  • ジルヴェルラン著、永瀧達治訳。訳者がこの人なら、ということで分厚いこの本読みました。ゲンズブールってやっぱすげーよ。

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