- Amazon.co.jp ・本 (447ページ)
- / ISBN・EAN: 9784838705511
作品紹介・あらすじ
'89年秋から'99年秋まで。本書の『淀川長治トーク』は、9年間にわたって雑誌ananに掲載されたものからの、厳選196本です。そのときの新作映画、場合によっては古い作品の回顧上映なども含め、週刊誌の発売ペースに合わせて、著者が語った。今の若者、とか、ananを読むお嬢ちゃん、という風に確り意識されて、「これをやろうよ」と作品を選ぶ。同じ映画を別の雑誌や新聞、TVなどで書く、または語ることも多かったが、それぞれポイントが違う。ここでのお話は若い大衆-つまり著者がもっとも愛し重要視した観客に向けてのトークです。
感想・レビュー・書評
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淀川さんの映画ガイド本は「淀川長治映画ベスト1000」、「ビデオで観たい名画200選」など、文字数が少ないものが多い。淀川さんのコメントが、ワンポイントアドバイスの様に短いので、もう少し語ってもらいたいなと物足りなく感じていたが、本書は見開き2ページで1作品を紹介しており、文字も文庫本の様な小さい文字なので、割と文字数が多い。作品についての解説は、やっとこれくらいの文字数で満足できるという量なので、まずはそこが良いポイントだった。
映画ガイドは写真も重要な情報になる。映画の一コマを見ただけで、どんな映画か大体イメージが沸く。文章だけで作品の魅力をいくらうまく語っても、写真がないとどんな映画かイメージしづらい。本書は1作品に付き写真が2枚掲載されているので、その点で合格だと言えるだろう。
これでオールタイムの映画ガイドなら尚良かったが、残念ながら1989年〜1998年公開作しか載っていない。それは本書が、雑誌「an・an」に連載された記事の寄せ集めから作られたからだ。掲載されている作品数は196本あるが、この様な出自なので当然、名作や話題作ばかりではない。だから、個々の作品ガイドとして読むよりは、淀川さんの映画に対する考え方を読むという捉え方で読んだ方が多くを得られそうだ。
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こんなに映画が好きな人。
こんなに映画に全てを捧げた人。
映画の聖人が雑誌ananで若い女性に薦めた当時('89~’99)の新作196本。
愛嬌たっぷりに喋る、映画が好きで好きで堪らないおじいちゃん。
サービス精神旺盛で聴く者を楽しませる話芸に昇華した
淀川長治トークがたっぷり楽しめます。
けどp.336の写真はなぁ…。写したるなよ…。
ホテル暮らしをしていた淀川さん。
資料でごった返したホテルの部屋に佇む淀川さんのフォト。
ポッケに手を突っ込み、見た事ないような険しい表情してます。
唯一のプライベートシーン。てか、心の内面みたいなもんですよ。
抉り出したるなや、と思いましたね。
その他の写真では、各国の映画関係者と映る淀川さんの幸せそうな表情。
本当サービス精神旺盛な方です。勉強になります。
映画に全てを捧げたある意味壮絶な人生に畏れを抱きます。 -
淀川おじさんの映画よもやま話。
雑誌ananで当時の新作映画を紹介していた連載をまとめたもの。
いつまでもみずみずしい感性に胸打たれる。
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活動写真と呼ばれた時代から映画の黄金時代を人生そのままに体験した淀川さん。
誰よりもたくさんの映画を観てきた。
TVでは決してどんな作品も悪く言わなかったけど、
この本の中では見識の高さや映画のあり方などについても言及しています。
うーん、まさに‘映画は人生の学校’だと思う。