官能の夢: ドン・リゴベルトの手帖

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  • Amazon.co.jp ・本 (349ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784838709793

作品紹介・あらすじ

妻にして愛人、官能的な継母。非現実、幻想、追憶と欲望の女性。美貌の人妻ルクレシア、至上の美を求める夫リゴベルト、そして聖なる少年フォンチート。ラテンアメリカ文学の巨匠が描く巧緻を極めたエロティックな物語。

感想・レビュー・書評

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  • 若く美しく官能的な後妻ルクレチアを迎えた中年男性ドン・リゴベルトは新たな生活に満足している。特にエロチックな絵を見てからの行為は。
    しかしドン・リゴベルトの息子アルフォンソ少年は無邪気を装いルクレチアを誘惑、二人は関係を持ってしまう。それを知ったドン・リゴベルトはルクレチアを家から追い出す。

    …というのが前作「継母礼賛」。「官能の夢」はその続編。
    聡明で魔的魅力のアルフォンソ少年が、父親とルクレチアとのよりを戻させようとルクレチアを訪ねるところから始まる。この家族の物語に、古代ギリシア神話や聖書を題材にしたポルノグラフィが差し込まれる。覗き、フェティズム、レズビアン…。その挿話も現実の家族の話もかなり際どく行為が書かれているのだけれど、どこか滑稽で楽しい。「かくも見事な我妻の尻・尻・尻」とか、いったい何やってんですか!って感じだ(笑)。インテリ作家が楽しみながらエロス総括論を書くとこうなるのかという作品。

  • 「継母礼讃」の続編、という形らしいですが、
    尖ってた部分はまた異なった尖り方になり、エロ小説ぶりは更にエログロ小説になり…

  • Los cuadernos de don Rigoberto, Mario Vargas Llosa
    何度読んでも飽きない。フォンチートに翻弄されるリゴベルトとルクレシアが滑稽。フォンチートの存在すら(あるいはルクレシアの存在も?)、リゴベルトの夢の一部なんじゃないかと思えてくるほど、ルクレとフォンチートの一件が現実味を帯びないから、何度読んでも楽しいのかも。
    とんだ間男であるにもかかわらず、挿入されるリゴベルトのメモを読めば読むほど、リゴを愛してしまいます。なかなか、リゴベルト以上の男性には出会わないですな。

  • 非常に読みたい。

  • …失敗しました、これは同じ著者の「継母礼讃」の後日談を夫の手記と妻そして義理の息子の会話なんかごちゃまぜにしたもの。

    いきなりこれを読んでしまったためか、ほとんど世界観も3人の微妙な人間関係、「悪魔」のごとき所業をする天使のような義理の息子の恐ろしさが、あまり伝わってこなかった。特に夫の空想癖は、空想なのか夢なのか、本当なのか、読み始めたときは全く区別がつかなかった。

    とりあえず前作からよめばよかったです。

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