体の贈り物

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レビュー : 38
  • Amazon.co.jp ・本 (206ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784838712908

感想・レビュー・書評

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  • エイズが猛威を振るった時代の、患者の生活の面倒を見るケアワーカーが主人公。患者たちとのやり取りの中で、何気ないけれど心を静かに震わせるひとつの場面をぽんと投げてすっと幕を閉じる短い話が積み重なります。まるで、見たことがない切り取り方で息を飲ませる静謐な写真のよう。文庫版が流通しています。心からおすすめしたい一冊です。

  • エイズを発症して家で療養する人たちをケアする女性視線の短編集。
    発症してしまっているだけに、助からない人たちをケアするということ。
    その人の体に触れるって場所にいること(触れるって、言葉を交わす以上に
    心と心の交流が深まるような気がする)。
    その場所にいるって、どんなことだろうと思う。
    終が身近に見えているからこそ得られることもあるだろう。

    この短編集は、かと言って悲惨なものではなく、逆にとても美しくも感じられる。
    終りを知っているからこその輝きだろうか?

  • 存在するというただそれだけで、人は、誰かに何かを贈っているのだ、ということがとてもよくわかる。
    そして読み終わると、シナモンロールがとても食べたくなる。

  • 2017.09.13読了。
    今年14冊目。

    訳者あとがきにもあるようにあらすじを知ったらきっと読まなかったであろう本。
    江國さんがオススメしていて読みたいと思ったわけだけど、なるほど!読んで良かったと思える一冊。

    こういう話ってなんとなく小説としてありがちな話で私は少ししらけた気持ちになってしまうことが多い...死というとてつもなく重いものを扱っているのに中身がないような...お涙頂戴的な...とにかく響いてこないことが多かった。

    この体の贈り物はすごくシンプルに生きること、死ぬこと、希望、絶望が描かれていると思う。
    とても重く悲しいのにすっと読めて読後感も悪くなく、不思議。

    レベッカ・ブラウンの他の作品も読んでみたいと思った。

  • あれれ、私の人生をグーンと変えた、
    この素晴らしい本の感想文をまだ書いていなかったか。

    この度、再々?読。

    確か、翻訳家の柴田元幸さんとの出会いも
    この作品じゃないかな?

    「エイズの患者さんのお世話をする介護士が主人公」、
    と聞いて、なんとなく想像すると思いますが、
    その想像と全く違います!

    私も吃驚したんだから…。

    大体!(急に鼻息荒く)、
    私は、死期の迫った人を取り巻く何やかんや、
    死を「美談」にして、お涙頂戴の展開の作品が
    大嫌いなの。

    なんか死にゆく人が清廉で気高いみたいな
    そんなの嫌だよね。

    志し半ばなんて、本人も周りも
    ただひたすら悲しい、はず、なの。

    それでも、でも…、
    でもさ…、ね?、がこの本にはあるのだ。

    良い子ぶりっ子が習い性になっている私、
    「こうしちゃいけない、こういう考えはいけない」
    と言われているから
    思っていないようにしていたけれど、

    『自分がとても差別する心を持っている』

    と言う事をはっきりと突き付けられ、辛かった。

    でも理想の自分とはかけ離れた自分に
    思いっきり気付くことが出来た。

    リックのフレンチロール、
    マーティとの再会、
    そして優しい家族に囲まれたコニー、

    悲しくて、悲しくて、悲しいけれど、
    でもさ、があるから、ね。

    これは本当に本当の、お話。

  • 「命」とか「尊厳」とか「仕事」とか「プライド」とかいろいろな読み方ができるし、どうとでも受け止められる。
    感動、するけれど、感動なんて言葉で片付けたくない。レビューするのが難しい。それでも紹介したい。そんな本です。

    くわしい感想⇒http://melancholidea.seesaa.net/article/14526645.html

  • ブックオフの100円コーナーで手に入れたんだけど、この本を売るという決断は、私にはできそうにないなぁ。友人に貸して、それがまた誰かに渡り、ゆるやかに流れていくのが理想の本。

  • ほっこり痛いショートストーリー集。ケアワーカーという仕事をこの本ではじめて知った。死ぬと決まってるエイズ患者が相手なのです。これ読むとひとに優しくしたくなる。あと、コーヒーをメリタで煎れたくなり、シナモンロールを買いに行きたくなる

  •  エイズを発病した人々の身の回りの世話をするホームケアワーカーの女性の視点で描かれる11の物語。と書くと死を迎える末期患者との心温まる交流とか、主人公が患者たちから力をもらい成長していく的なお話を想像するが、訳者のおっしゃるように、ドラマチックさを排除し、体験を淡々とストレートに描いた筆致がすばらしい。
     人は生まれながらにして死に向かっていく、生まれたての赤ん坊も、大病を患う人も、私も、例外はないんだと思い知らされる。だからと言って何時も絶望しているわけにはいかない。人は人とのつながりの中で小さな贈り物を交換して、生を実感できるのだ。

  • 初めて読んだときは衝撃だった。とてもシンプルで淡々とした筆致で、テーマの重さを感じさせない。徐々に明かされる語り手の職業と、その周囲に漂う生と死の気配。終始、白いイメージがある。

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著者プロフィール

1956年ワシントン州生まれ、シアトル在住。作家。翻訳されている著書に『体の贈り物』『私たちがやったこと』『若かった日々』『家庭の医学』『犬たち』がある。『体の贈り物』でラムダ文学賞、ボストン書評家賞、太平洋岸北西地区書店連合賞受賞。

「2017年 『かつらの合っていない女』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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