江國 香織とっておき作品集

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  • マガジンハウス
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784838713080

作品紹介・あらすじ

フェミナ賞を受賞した処女小説「409ラトクリフ」を初収録。珠玉の中短篇小説とファンタジー、そしてビートルズ訳詞集、さらに、異色絵本『夕闇の川のざくろ』もカラーで完全収録。父・江国滋の「香織の記録」と妹・晴子の「夢日記」も初公開。単行本未収録作品がたっぷり、欲ばりでぜいたくな作品集。

感想・レビュー・書評

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  • 処女作『409ラドクリフ』が読みたくて。恋愛なんて一筋縄ではいかないのよ、ほとんど狂気よ、という気持ちが江國香織の根底にはある気がします。大事なのは自由奔放でいられること、その点は今も昔も変わらないのだと思います。わたしが共感したのは「この人だけは傷つけたくない」という気持ち。大切なひとを守りたくなる瞬間。怖い夢を見ると、夢と現実の区別がつかなくなり号泣する江國香織の姿を描いた実の妹の「夢日記」や、父・江國滋が江國香織が生まれる日の前日からつけられている「香織の記録」も公開されていて、タイトル通りとっておきの作品集でした。

  • 「409ラドクリフ」 よかったです。
    自分の気持ちに正直になるって、勇気がいるけど、それがいかに純粋で素晴らしいことなのかを教えられました。
    「ぬるい眠り」も、なんかいとおしい物語だったなぁ。
    恋を終わらせるのも、勇気がいる。
    「香織の記録」 リアルで深い父の愛情を、ひしひしと感じました。

  • やっぱりこの人の言葉は好きだ
    甘やかな情景描写、耳元でささやきかけてくれるような言葉選び、何より行間から感じる江國香織氏の優しさを感じる
    人間生活の上で優しさを忘れそうになったときは江國香織を読む
    そして、江國香織は、今も昔も変わらないピュアな人なんだと僕は思う
    江國作品にはそんな安心感がある

  • もう数年前からずっと気になっていた本。図書館で見つけて読んでみました。最近は大好きな江國さん以外の本にも手を出していて、読書の世界観を広げていたのですが、やはりこの人の文章が1番好きだな、と思わされました。

    読んだことのある物語もあれば、初めて読んだ物語も。どれも完璧な物語でした。妹さんが姉の香織さんを考察した文章、お父さまが生まれたばかりの香織さんを観察した日記。江國家の中で生まれ育った「香織さん」の過去を垣間見るのはドキドキしました。作家としての江國香織しか知らなかったので、なんだかとても人間味を感じたというか。

    この本を読んでから、江國さんの著書をまた読み返してみると、新たな発見があるかもしれません。みんな最初は赤ちゃんだったんだね。

  • いろんな江國香織がたっぷりつまった作品集です。

    409ラドクリフ、放物線、ビートルズ訳詩集、九月の庭、があこちゃん、夜と妻と洗剤、物語の複雑、とろとろ、ラブミーテンダー、夢日記、ぬるい眠り、香りの記憶、夕闇の川のざくろ。

    もともと409ラドクリフがすごく好きなので読めて嬉しかった。この人は海外生活の描写がとても上手だと感心してしまう。あの孤独と開放感。
    夕闇のざくろとかがあこちゃん、九月の庭とかのファンタジーのような絵本のようなお話は苦手なのでとばしとばし読みます。
    初めて読んだものの中で特にお気に入りなのが父江國滋の「香織の記録」。愛情深いし、さすがの文章力。ただの幼少期の記録なのに引き込まれてしまった。

    江國香織の作品集の中では特に幅のあるものなので、彼女の作品全般が好きな人や、読んだことがなくて試してみたい人にはおすすめ。私は買ってよかったです。

  • 江國滋氏の『香織の記録』に胸がつまる。愛なんて言葉をひとつも使わずに、子どもへの思いを綴ることができるなんて、素敵なお父さまだと思う。

  • 短編小説だけじゃなくて、色んなものが詰まってて面白かった!まさにとっておき作品集!あーやっぱり江國香織いいなぁと思わせてくれる。

  • アメリカ留学の話がよかったな あと とろとろ の構成がすき

  • この一冊が1番好きかもしれないくらい好き


  • やっぱり江國さんは短編が好きだなあと思った。
    処女作「409ラドクリフ」は今まで読んだ江國さん作品の中でもかなり好き。
    ナツミとノーラ、ほとんど正反対とも言える二人の恋愛観。
    ノーラは常に全身全霊で恋をしてて全力すぎて破滅するけど、その真っすぐさが誰よりも可愛くて眩しくて本当に羨ましくなる気持ちがわかる。
    痛々しいけどキラキラしててすごく好きな作品になりました。
    ノーラが作ってたライスケーキ真似して作ってしまった。笑(めちゃくちゃ失敗した)
    「夜と妻と洗剤」「ラブ・ミー・テンダー」あたりも愛が溢れていて好きでした。

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著者プロフィール

1964年、東京都生まれ。1987年「草之丞の話」で毎日新聞主催「小さな童話」大賞を受賞。2002年『泳ぐのに、安全でも適切でもありません』で山本周五郎賞、2004年『号泣する準備はできていた』で直木賞、2010年「真昼なのに昏い部屋」で中央公論文芸賞、2012年「犬とハモニカ」で川端康成文学賞、2015年に「ヤモリ、カエル、シジミチョウ」で谷崎潤一郎賞を受賞。

「2023年 『去年の雪』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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