東京タワー

著者 :
  • マガジンハウス
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レビュー : 646
  • Amazon.co.jp ・本 (297ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784838713172

感想・レビュー・書評

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  • 二人の結末が書かれておらず、すっきりしない終わり方。
    なのに、すごく「いい本だった~。」と思った。
    言葉選びがいいんだろうな。
    言葉が気持ち良く、心にはいってきた。

    映画の予告だけみていたから、
    岡田くんと黒木瞳、松潤と濡場の女王・寺島しのぶで読んでしまった。
    だからよかったのかも。

  • 年上の女性に翻弄される大学生のお話。


    簡単に言っちゃえばそんな感じです。


    透の世界は詩史さん一色。
    どんな場所にいても誰と過ごしていても、詩史さんのことしか考えていない。


    耕二は聡明な彼女がありながら、喜美子のような人妻との身体の関係を続けている。


    私は別に大人の女性でもなんでもないけど、この二人がとても子どもじみて見えるのは、女性だからなのかな。

    なんていうんだろ、女性にはすごく子どもに見える二人だと思います。


    二人ども頭ではわかっているふりをしているだけで、彼女たちに夢中になっているのです。


    耕二だって身体だけでいいと思っていたはずなのに、全然余裕なんかなくて。


    それにしても詩史さんは残酷だ。
    傷つくことも許してくれないなんて。


    でも、こういう不毛な関係を望むなら、すべてを引き受ける覚悟がないとだめなんだと思う。


    終わりがさらっとしていて、あれ?って感じがしなくもないけど、小説自体はゆっくりとした時間が流れていて、落ち着いて読めました。

  • 透のように誰かを一途に想うことも、耕二のように複数の人と付き合いながら恋をするというのも難しそうだし、疲れてしまいそうだ。
    でも、どちらの恋も、気付いたときには落ちていただけなのかもしれないけれど。

  • 恋はするものではなく、落ちるものだ。

  • 落ち着いた話し方

  • 江國香織を読むきっかけになった本です。
    でも、結局この本以外はそこまで好きじゃないんだけどね。

    江國香織で男の子が主役って珍しい気がする。
    江國香織の詩的な文章と霧雨のようなしっとりした憂鬱な内容は、男の子が主人公になったほうがバランスが取れていい。


    一回目が立ち読みで急いでいたからか、二回目の今回はかなり客観的にみれた。

    その上で、詩史はやっぱり悪魔だなーと。
    透の詩史への依存は過剰だとつくづく思う。
    でも、そんなふうに恋に「落ちて」みたいなぁとうらやましくも思うな。しかも3年以上落ち続けているなんて。

    そいで、耕二は病気だなーと。
    ラストの考え方はやばいね。幸せになれないタイプ。

    そんな対照的な二人の男の子の恋の様子を眺めていると、なんかあやもオトナの女になった気がして気分いいです。
    詩史になりたいような、なりたくないような。

  • 「高校生の頃の私も、20歳の時の私も、あなたの目の前にいるのよ笑」

    印象に残っているフレーズだが、読んだ当初は意味が半分くらいしか分かっていなかったと思う。

    つまりは、過去の経験や感じた事、考えた事、悩んだ事、決断して行動した結果、全てが今の自分をつくっている、という意味が含まれているのだと思う。


    そういう事を含めて、恋愛は空気で惹かれあった結果なのかな、
    とも思いますね。

    本当は違うかもしれないけれど。
    まだまだ、勉強中笑

  • 少年の繊細な心を描いている

  • 透くんや詩史さんの言葉づかいがよかった。

  • はじめて読んだのは5年前。
    大学に入学する前の春だった。
    そのころは恋愛経験もなく、異性の友人と呼べる人もいなく、子どもらしい人間関係ばかり作っていた。
    だからか、読んだときは綺麗な言葉を並べているおとぎ話のように感じた。
    可憐な詩を、歌うように語っているとも思った。
    しかし、語りが終わってしまったら何も残らない。
    本当になにも感じることができなかった。

    それから5年たった。
    この5年の間、人を好きになったり嫌いになったり、夜な夜な恋い焦がれたり、出あったり別れたり、多くの友人ができたり、なんでも話せる異性の友人もできたり、一回りも二回りも年齢が違う人と知り合いになったり…と未熟ながらも様々な人間関係をつくってきた。
    そこで、もう一度この本を読みたくなった。
    5年前と同じことを感じるのだろうか、知りたくなったのだ。

    圧倒された。
    純粋に、ただ純粋に好きで好きでしょうがなくてどのように人に思われようとも、一緒にいたい、一緒に生きたい…という透の気持ちが言葉や、行動から滝のようにドッと伝わってきて止まらない。
    身体を満たすためのはずなのに、いつの間にか身体だけではなく心もどっぷりとつかってしまい、失った後の耕二の喪失感や葛藤が、ひしひし、ひしひしと伝わってくる。
    何度も、何度も感嘆してしまった。
    恋に落ちて落ちて深みにはまって抜け出せなくなって離れたくない、つながっていたい。
    恋は、まるで麻薬のようなものでその快感にはまってしまうと周りが見えなくなる。
    そのようなことを、ダイヤモンドをちりばめたような綺麗な言葉で伝えてくる。
    東京タワーが、温かく優しく見守ってくれている。
    そのように、感じた。

    また、数年して本の内容を忘れたころに読みたい。
    そのころの自分が、どのような人間関係を作って成長したのか、感じたい。
    どのように感じるのか、今から楽しみだ。

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著者プロフィール

江國 香織(えくに かおり)
1964年、東京生まれの小説家。1986年、児童文学雑誌『飛ぶ教室』に投稿した「桃子」が入選。2004年、『号泣する準備はできていた』 で、第130回直木賞を受賞。他、山本周五郎賞、中央公論文芸賞、川端康成文学賞、谷崎潤一郎賞など受賞歴多数。代表作として、映画化もされた『きらきらひかる』や『冷静と情熱のあいだ』など。女性のみずみずしい感覚を描く作家として、多くの読者を魅了している。また、小説から絵本から童話、エッセイまで幅広く活躍中。翻訳も手がけている。2019年5月2日、2年ぶりの長編小説『彼女たちの場合は』を刊行。

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