『志村流』 金・ビジネス・人生の成功哲学

著者 :
  • マガジンハウス
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  • Amazon.co.jp ・本 (190ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784838713219

作品紹介・あらすじ

当たり前のことが出来れば、仕事も人生も絶対に成功する、という52歳・志村けんが、本気になって語る「ビジネスと人生の極意」。

感想・レビュー・書評

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    ストックしてあった本の中なら選んで読み始めた。ストックなどと云うとなんだか気取っているが要するに積読本である。読み始めてから20ページくらいまでは「この本 絶対に志村けん本人が書いた物じゃないなゴーストライターに書かせたものだな,と思った。だって最初のこの20ページくらいは志村自身のエピソードなどなにも書いていなく,単なる自己啓発本的な内容だったからだ。どうしてこんな本を出したのだろう,と思った。

    本題に入る前にもうひとつこの本の特徴を書いておく。これは文庫本である。そして『志村流』という単行本の文庫化だとは巻末に書かれていたが,文庫本としていつ発行されたのかはどこにも書かれていない。いや もっと言うと製本/上梓にかかわる日付けが一切書かれていないのだ。いままで沢山の書物を読んで来たがこんな本もあるんだなぁー,凄くとびっくりした。

    文庫が出版された時期は全く分からないけど,本文中の所々には 志村自身が「今52歳だから・・・」と書いてある。志村の生年は分かり易く1950年(僕の9歳年長)なので計算は単純。この本が書かれたのは2002年。志村がコロナバイラス禍津によって亡くなったのは2020年 70歳。亡くなる18年前に書いた本だ。
    人生で大事なのは,仕事を除くと「酒とたばこと女」なのだそうだ。お金も,衣服や車などに興味の無い志村は ほとんどこの三つに使うらしい。まあたばこはお金を使うと言う程の事でもないのだろう。お酒もただ呑むだけならまあ知れているだろう。だが 女 だけは別。湯水のように金が出て行く。特に酒と女がいっしょになると核反応並みにお金がかかる,と言っている。

    御意である。この読書感想文(読メ の場合)のこの辺りのコメントは絶対に誰にも読まれないので エイヤ!と書いてしまうが,僕の大事なものも似ていて 「酒と音楽と女」 だ( 読書 は除くw)。なんだおめーの方が金掛かりそうな趣味じゃねえか!とか言われそうだが,まあ規模やら質が志村とは比較にならんから笑って許してやって欲しい。いやマジ (笑)

    煙草をとにかくいつも吸っていた(一日3箱だそうだ)志村は自分のその様子をこう書いている。 ” 西岡恭蔵の歌じゃないけど「いつもプカプカ,プカ」と云う具合に,タバコはチェーン・スモーキングで酒は・・・ ” もうこの記述だけでこの本はとっても良い本だ! ♪俺のあんこ葉タバコが好きで♪ って ここでもやはり始まりは女なのである!(笑)

    山下達郎のファンであることにも触れている。志村がいつも好きで聴いている音楽はなんと「R&B」らしくて それは単純に好きだから聴いているだけで誰が演奏してるとかだれが作った曲高には全く興味なくどうでも良いらしい。でも達郎の「クリスマス・イヴ」だけは褒めちぎっていて,日本のクリスマスソングのスタンダードだ,とまで言っている。うん僕も同感です。

    この本をどこまで志村けん本人が書いたのかはともかく,読み終わって思う事。ひとつは文中で使う一人称について。全編「オレ」で通している。人によってこの印象は違うだろうが僕はちょっと違和感が有って志村の文章は「ボク」の方がしっくりくるなぁ と思った。
    もうひとつは,ホントウに惜しい人を亡くしたなぁということ。まだまだ生きて皆を笑わせて欲しかったなぁ である。あ,最後は ちょっと僕らしくない感想になってしまったか。すまぬな。

  • お笑いは観ないのですが子どもの頃から何故か志村けんさんは大好きでした。

  • 志村さんの本。書店にあり手にとった。
    仕事に対する考え方、生き方。志村さんから学ぶことは多い。お金をどのように使うのか、1日の捉え方、一生の捉え方、自分の値段…等々もっと早く出会い立った本だった

  • 言わずと知れた、志村けんさんの著書。
    印象的だったのは、一生を一日として考えるという考え方。
    今の自分の年齢が、人生においてどんな時間帯であるのかがすごくわかりやすく表現されていました。

  • 本書で志村けんは、「人生」、「お金」、「ビジネス」、「処世術」の四つをテーマに、自分の考えを披露していく。「志村は三人いる!?」、「準備こそ全力投球」、「二等賞がホントの一等賞」など、テレビを見るだけでは知ることのできない一面を知ることができる。

    「給料は現金を手渡しで受け取りたい」、「女房はしっかり管理しろ」など、ちょっと前時代的なところもあるし、「肝心なところにはお金を使え」といった当たり前に思えることも書かれている。でも、あの志村けんが言うのだから説得力がある。

    なかでも面白かったのが、一生を一日にたとえるというもの。人生を72年として、それを24時間に換算する。72÷24=3なので、三年が1時間にあたる。自分の年齢が何時になるのか計算してみれば、これからの生き方、方向性がなんとなく見えてくる。今後の身の振り方も残り時間に合わせて変えたほうがいい。

    たとえば、24歳の人は午前八時。会社勤めならまだ出社前、これからバリバリ働くことができる。51歳なら午後五時、残り時間は7時間しかない。なにか新しいことを始めようとするなら、残された時間のうちにできることにしたほうがいい。でも、野球はデイゲームよりナイターのほうが気持ちよくプレイできる。時間が少ないことに落ち込む必要はない、と志村けんは励ましてくれる。こういう柔軟な考え方ができるのが素敵だ。

    本書の語り口は決して説教くさくなく、あくまで「おれはこう思うよ」という距離感を保っている。そして、「くよくよしたってしょうがないさ」という前向きな考え方。本の端々から、人のよさが伝わってくる。

    志村けんが目指すのは、「常識人の変な人」だという。常識、礼儀を知らなければ成功できない、と書いている。たしかに、常識とのズレが笑いを生む。基準となるものを把握していないと、面白いアイデアは思いつかない。突飛な小説を書く筒井康隆も、本人はとても真面目な人だと聞いたこともある。

  • 真面目なビジネス書。素の志村、芸人・志村、キャラ・志村という3人の志村を堅実にマネジメントする姿はとてもストイック。篠山紀信さん撮影の、少し涙目の表紙の写真と、そでのにこやかに片手を上げている写真とのギャップがとても印象的。二番手狙いのスタンスは、ジョジョ第三部のホル・ホースと同じ。実践している人がここにいた。頭がいい人は頭で考えすぎてしまうという話は、『マツコの知らない世界』でマツコも言っていた。すぐに意味を見出そうとする、と。

  • コロナで志村けんさんが亡くなってこの本があることを知り図書館で借りて読んだ。
    酒とタバコが非常に好きだったことが分かり、肺へのダメージが大きかったようである。全般的な感想はひとつ筋の通った芸人だったという印象である。
    朝ドラに出演されていてこれからの活躍も楽しみだったのに残念である。ご冥福をお祈りいたします。
    ⒈ 一生を一日二十四時間で考えたら
    ⒉ アイデアが売れる時代なんだ。
    ⒊ 普通の人が、普通の人を見とうないでしょ

  • 志村けんは、生粋のコント職人だ。

    たけし、松本人志、爆笑問題の著書に比べて、本書はハッキリ言って面白くない。笑いが無い。
    ただひたすら、金、ビジネス、人生について志村けんの哲学が真面目に語られている。
    でもそこがいかにも職人らしいではないか!
    仕事にはとことんこだわりを見せるけど、自分のことは喋りたがらないしどうでもいいよってところはブリキ職人だったうちのおじいちゃんがそうだったような気がする。
    コント同様、ひとつひとつの哲学にはよく練られたこだわりが感じられる。

    親しい先輩に呑みながら聞かされる説教のようではあるが、ためになる。そんな一冊。

    (内容)
    芸能界の大御所、志村けんが語る、金、ビジネス、人生の成功哲学。駆け出しのころ資金面で苦労した志村けんが、競争の激しい芸能界で不動の地位を築くに至った秘訣をのぞくことができる。
    ユニークなのは、自分の年齢を1日24時間に換算して、人生の何時に当たるのかを知れば、「これからの自分の生き方、方向性が自然と見えてくる」という考え。志村自身は2002年3月で52歳、時計では17時過ぎだが、自分の20代~40代を振り返って年齢に応じたキャリア戦略や資産運用(?)のアドバイスを試みたりもしている。
    キャリアに関する部分は特に参考になる。独立しようか悩んでいる人に対して「独立するなら何をしたいか、すぐ答えられるか」「これだけは自信がある、という特技はあるか」「他人から『ちょっと変わってるね』と、よく言われるか」と3つの質問を投げかけてみたり、自分のブランド管理の重要性を説いたり、ちょっと意外ではあるが、礼儀の大切さを説いたりもしている。
    「素の志村」と「芸人・志村」「キャラ・志村」の3つの顔を使いこなしながら、「真の芸人はプライベートな裏の顔を見せちゃいけない」と語る志村の口調からは、仕事に対するストイックなまでのプロ意識が感じられる。
    本書では、本人が「タレントの志村とは違って無口でシャイな性格」という志村康徳として、芸能人の心構えや私生活でのお金の使い方などを本音で語る。
     厳しい競争の中で生き残るために、著者が心がけた処世術は、「二等賞が本当の一等賞」。常に全力投球していてはすぐに潰れる。短い間一番手になるより自分を出したり引いたりしながら、二番手をキープした方が長続きするという。ここという時に全力を出せる日頃の準備が必要だ。初版2002年3月22日。

  • 成功者の話は面白い。礼儀の話は特に響きました。人にされて嫌なことは人にするな。目上の人に礼を尽くす。当たり前やけどできてないことです。

  • 成功者のお金に対する考え方を知りたくてこの本を読みました。

    この本で学んだことは、

    ・自分の人生の肝にお金を使う。仕事のために必要なものはいくらお金をかけても惜しくはない。全て買う。

    ・仕事で一生懸命働いて、好きなものにお金を使う。働いたお金で好きなことをしなければ生きている意味はないし、また好きなことがあるから一生懸命働ける。

    ・お金は得るためだけのものではなく、利を得るために使うもの。自分の商品価値を高めることに費やして、自分自身の値段をアップさせる。

    という点です。

    志村さんの仕事にかける情熱が伝わってくる熱い本です。お金の使い方も勉強になりました。

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著者プロフィール

1950年2月20日東京都東村山市生まれ。74年4月、ザ・ドリフターズに加入。「8時だよ!全員集合」で、東村山音頭や加藤茶とのヒゲダンス、カラスの唄などが受け、国民的スターとなる。86年からは単独でも活動。主なキャラクターに「バカ殿様」「変なおじさん」「ひとみばあさん」ほか。著書に『志村流』(小社刊)がある。2020年3月没。

「2020年 『志村流 遊び術』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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