パンク侍、斬られて候

著者 :
  • マガジンハウス
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  • Amazon.co.jp ・本 (315ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784838714902

作品紹介・あらすじ

牢人は抜く手も見せずに太刀を振りかざすと、ずば。長編時代小説。

感想・レビュー・書評

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  • 町田康版時代劇。『ギケイキ』もそうだったけれど、町田康の小説は時代劇めくと主人公が(わりあい)格好良く描かれるのだろうか。
    読んでいる最中は、文体の自由さや言葉選びの大胆さがとても楽しく、さらに滅茶苦茶な話運びのところどころに詩情も感じる。しかし読み終わってみても、何が言いたかったのかはさっぱり分からない。小説を読む・体験するという行為自体を楽しむべき小説なのかと思う。

  • 意味の分からん圧倒的な迫力。クセになる。

  • 町田節は健在だが、こんな起承転結がハッキリしたストーリーは珍しい。わけのわからんストーリーの長編ではあるがさっくり読めてしまう。

  • はじめて読んだ町田の小説。ここから入って正解か。
    とにかく面白い。これ以降町田作品をむさぼり読んだ。私の読書史上に残る快作。

  • 50ページまで読んで自分には合わない小説だと思い、あとはパラパラ読み飛ばして最後の20ページだけ読んた。

    架空の黒和藩を舞台に、牢人侍の十之進が主役の時代小説。だけど登場人物はみんな現代風の会話をし、当時の人が使わなかったであろうオノマトペ表現も多様される。また、現代の文化や風習・慣習も時代を超越して盛り込まれつつ話が進む。
    そういう斬新さ・ポップさが評価されているのかとは思う。

    飛ばし読みと、他の人のレビューを読んで大まかなストーリーは知れた。
    腹ふり党により藩がわちゃわちゃし、十之進は序盤の盲目の娘に敵討ちされて死ぬ。その間のいたるところで、摩訶不思議でシュールな事象が起こる、そんな感じ。

    こういう一癖ある小説の良さが理解できる俺カッコいい、みたいな虚栄心は歳と共になくなり、今の自分は、読みやすく、納得や感動がしやすい、エンタメとして作られていて読後感が良い小説をシンプルに求めている。最後まで摩訶不思議なこの小説は、以前読んだ森見さんの「太陽の塔」と同じく、シュールさにイライラしながら読み進めて最後まで読み終わっても「で?」と拍子抜けするだけだろうし、自分には合わないと思い断念した。

    あと、序盤を読む限り、人物同士の掛け合いがしつこめだったり、一旦語り出すと長々と愚痴る場面が多く、もうちょっとテンポ良くストーリーを読み進めたい自分のリズムと合わなかった感もあった。

  • 堪能しました町田節。疾走する文体とライブ感。劇画やスプラッター映画をも連想させるシーンの数々。この語感が癖になるのが解せる。映画もみてみたい。

    追記、浪曲になるという噂を聞きつけ、馳せ参じ仕る。

  • 探検家の角幡唯介が絶賛していたので読んでみた。でも、何だこりゃ。小説とはいえ、時代小説風なのに時代考証を無視し、次第に不条理小説風かつカオスになっていく。かといって、読むのが嫌になるということもなく、結局最後まで読み通してしまった。
    なんかゴチャゴチャで、テーマも何もよく分からないが、オルテガの「大衆の反逆」とかをモチーフにしているのだろうか。カオスなんだけど、復讐劇として完結しているのもまた不思議。

  • 映画化されたというので、そういえば買ってあったなと読んだ。おもしろい。一時テレビ時代劇を熱心に見ていたという話が以前のエッセイにあったが、考証なんかむちゃくちゃで、登場人物の名前なんかもどう読んだらいいかわからないぐらいだが、そのテキトー感というかパンク感が最高。

  • 久しぶりに再読。この作品が現在の文体の原型だったことを再確認。

  • 好き嫌いが別れる作品。自分は大好き。文学の楽しさがいろいろあることを教えてくれる。素晴らしい。

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著者プロフィール

町田 康(まちだ・こう)
一九六二年大阪府生まれ。作家。九六年、初小説「くっすん大黒」でドゥマゴ文学賞・野間文芸新人賞を受賞。二〇〇〇年「きれぎれ」で芥川賞、〇五年『告白』で谷崎潤一郎賞など受賞多数。

「2022年 『男の愛 たびだちの詩』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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